!新谷根千ねっとはコチラ!
一年生日記  2005年5月

朝からものすごい雨です。
あゆみは土曜日の運動会の代休で、家で猫みたいに丸くなっています。

さて、イモ君のその後ですが、あまりに葉をたくさん食べるので、供給が追いつかない。
柔らかい葉を探すのが結構大変です。(別の枝にまた一匹子イモ君発見)
下に落ちているフンは、おびただしい量。
だけれど、よく考えると食べているのは山椒の葉だけですから、もしかすると美味しいかもしれない。
口に入れるほど勇気はありません。

土曜の朝。飼育箱のペットボトルの中にイモ君の姿がいない。
どこだどこだと探したら、電動自転車のバッテリー充電器のコードにつかまっていた。
2度目の脱走だ。ペットボトルの口から出たのだろうか。
脱走の瞬間も見てみたかった。

運動会から昼過ぎに帰宅したが、動いた様子がない。
そばに葉っぱを置いても食べない。
もしかして、ここでさなぎになるんじゃないだろうね。

いえ、なりました。
夜、理科図鑑でアゲハの成長を調べる。
最初のイモ君が黒いのは、鳥の糞に似せている擬態なんですって。
黒いからだはメリメリッと緑色になるわけではなく、ちゃんと脱皮しているが、その度に皮を自分で食べていたらしい。なるほど、だから脱皮した形跡がないんだ。
新幹線みたいな体がだんだんすぼまったような格好になったら、そろそろさなぎになる準備。
うんうん、確かに蛇腹が縮まってきたような。
冬を越えた蝶と、この時期に生まれる蝶では同じ種類でも羽の黒い筋の幅が違う。ふむふむ。
一番びっくりしたのは、蝶のあの素敵な模様はリンプンでできていて、それを全部はぎ取ってしまうと、ただの白い薄い羽の蝶になるっていう事。飛んでいるうちにリンプンは落ちないのかなあ。

図鑑を見てこんなに驚いている私を見ても、あゆみは知らんぷり。
それにしてもどうやってバッテリーを充電しよう。


運動会の後の疲れもなく、朝から早起きのあゆみ。
「おなかがすいたから、鮭のおにぎり二つと目玉焼きつくって、お魚ソーセージ焼いて食べたから」という。

そうだ、元気なら行ってみたいところがあるのだ。
足立区都市農業公園。
庄内平野の米作りを学んでいるあゆみに本当の田んぼを見せたいと思った。
ここには昔の農機具なども資料としておいてあるようだ。

千駄木駅から北千住で乗り換え、西新井からバスで終点まで。
大規模に米を作ったり畑があるわけではないが、古い長屋門や、民家を移築したものが建っていた。
「こんな家に住んでみたいね」とあゆみ。
「私は土間にテーブル置いて、食事作りながら読書でもしようかしら」
「あたしゃ、やだね。もっと明るい座敷にいたいよ」
「奥座敷はご主人様の部屋かな」
「昔のお父さんはいいところにいたね」
「うちのお父さんは居場所がなくてかわいそうだね。いい部屋はみんな子どもにとられちゃって」
「そうそう、お父さんかわいそう」

1時半から絵手紙講習会があるというので参加した。
麦藁帽子を借りて、荒川の河川敷に行く。
葦を刈り、自分でペンを作るのだ。
下のほうの硬い茎を使う。
カッターナイフで先を削り、ペン先を尖らせて、先っちょに少し切れ込みを入れる。
墨汁につけて、書いてみる。
筆より力強い線が描けそうだ。
あゆみの分はペン先をゆず子が作ってやっている。

さあ、はがきに描いてみましょう。
何描けばいいの?
そこら辺の草や花や景色でもいいですよ。と係りのお姉さん。
やさしくて、花の名前を何でも知っていて、素敵。

ゆず子はたんぽぽを大胆にかつやさしい色で仕上げた。
さすが、毎日美術をやっているだけのことはある。
あゆみは端っこの対角線に2つの花を描いた。
「字は書かないよ」という。
私はアカツメクサとそれに寄生するヤセウツボ。
この二つをどう画面に描くか。絵手紙心は結構難しいものです。

あゆみは絵より葦笛作りが気に入ったようだった。
農機具の展示室で37号で話を聞いた「岩田兄弟会社」の籾摺り機を発見。
それに足立と言えば花卉。49号花屋特集では足立出身の人が多かったなあ。
一人で納得。

桜やユズのアイスクリームも食べたし、合鴨農法の水田も見学。
収穫のあった一日でした。


兄姉はアルバイトだの何だので、夜はあゆみと二人きり。

こんな日は、二人でゆっくりご飯を作り、ゆっくり食べます。
作りながら、いつもは話さない学校の話題。5年生になって組替があり、友達関係も変わったようです。
新じゃがの皮をこすりながら、騎馬戦の練習で肩が痛い話しやら、クラスの係りでみんなを笑わせる係りの男の子がいる話など、いろいろしてくれます。

その後は、漢字を使ったしりとり。
それから最後の二文字を続けるしりとり。
(相変わらずお父さんとは寝る時に二人でしりとりをし、クラシック音楽のCDを流しながらスヤスヤ眠っている)

食事をしながら、今話題のレッサーパンダの話になった。
「えらいねえ、風太君は。お母さんは両足で立っているのもつらいというのに」
あゆみ「そんなにえらいかなあ。風太君の彼女も立つらしいよ」
「彼女いるの? でも彼女は四つんばいで、風太君だけ立っているとデート行けませんからー」
「なにげに手つないで立っていたりして」
なんだか、その姿をイメージしただけで笑っちゃいました。
ダラーンとしたその手がぎゅっと握り合っているんですから。

「嗚呼、風太よ。その小さき足で大地を踏みしめ、すっくと立った凛々しき姿よー」
「へんな詩」

あゆみの口から「カノジョ」とか聞くだけでも笑ってしまいますが、考えてみるともう5年生。
私の頃だって、誰が誰を好きだとか、クラスの中でもありましたからね。

今のところ、好きな男子はいないようですが。
手をつないで歩くあゆみの姿のほうがイメージできません。 

黒くてブツブツしていた幼虫が、昨日若草色に変身しました。
現場を見てみたかったです。
昨日の朝、あげた山椒の葉は、すっかり食べつくし、下のほうの硬そうな葉だけが残っていました。
棒状になった茎に縦に止まって考えていたイモ君は観念したのか、今朝、下の葉を食べに向かっていました。

今朝のあゆみは、音楽鑑賞教室でチャイコフスキーとビゼーを聞きに行くのを楽しみにしていたので、一声かけると飛び起き、手早く朝の支度を整えたのです。
帽子もかぶってさあ、出発と思ったらまだ13分も前でした。

そこで「外に行って山椒の葉を取ってきて」と頼みました。
「私は虫を飼うの、いやだと思っているんだからね」と文句を言いながら、とってきてくれました。
こんなに毎日バクバク食べるのなら、この間山椒の木を剪定するんじゃなかった。
来年への教訓です。

植木(今年はゴーヤを育てています)に水をやったり、イモ君に葉っぱをあげたり、そんなことしているうちに興味を持ってくれればいいな。
それにしてもイモ君は、このにおいの強い山椒の葉ばかり毎日食べて飽きないものでしょうか。



風が強いですね。
 
我が家には建物に沿って南側に細長い通路があります。
よく言えば庭。隣に家が建ってからは通路です。
山椒の枝が四方八方に伸びているので、少し切りました。
もったいないので、葉を佃煮にしてみようかと枝からはずしておりますと、葉の裏に黒いものが。
あ、アゲハの幼虫。と私が声を上げた瞬間「きゃー」っと枝を放りだしたあゆみ。
「もうやらなーい」
アゲハの幼虫だよ。育ててみない?
「ヤダヨー。虫なんか大っ嫌い」

幼虫のついている枝はそっと牛乳瓶にさしておきました。
テレビの上の棚に置いて2,3日した頃、目に見えて大きくなってきた。
枝先3つ目くらいの新しい葉しか食べないのか、先っぽはすっかり茎だけになった。
「こんなところに置いてあったのか、家の中で飼うのやめてよ」
あいかわらず虫に冷たいあゆみ。

「フンが落ちて汚いから掃除してくれよ」と次男。
この子も虫嫌いのようだ。
「フンくらい自分で掃除しろよ」と長男。
横から長女が口でフーっと幼虫に向かって息をかけた。
「何してるのよ。幼虫が飛んじゃうじゃない」と私。
「フンを吹き飛ばそうかと思って」長女。
何考えているんだか。

「外で飼えば?」次男。
「鳥に食べられちゃったら観察できないでしょ」
「それが食物連鎖というもんさ」次男。

「名前付けたら愛情がわくかもしれないよ」と父親。
「ヤダヨ、そんなことまでして飼いたくないよ」あゆみ。
なんて冷たい仕打ち。

私は79号でファーブルおばさんになろうと決心したのに。
こんなに虫嫌いだったなんて。
さとちゃんだったらきっと「わーかわいー」って世話してくれるのにな。
「さとちゃんは、蝶は嫌いだって言ってたよ」あゆみ。
きっと幼虫は好きに決まっているさ。

子どもたちに文句を言われないように、今朝は大きなペットボトルでカバーを作り、下に紙も敷いてフンの始末。
イモちゃんにも文句を言われないように、新しい新芽の山椒の葉を庭から切ってあげた。
さあ、これからの成長が楽しみです。

外はあったかいのに、工房の中ではまだひざ掛けが必需品。

土曜日午後、家に帰るとあゆみが友達となにやらやっている。
「こっちに入っちゃだめ」とドアを閉めようとするので、なにやってんのーと覗くと2人でパーティーの最中。
6畳の部屋の真ん中に小さなテーブルを出し、ランチョンマットを敷いて、ワイングラスにはりんごジュース。フランスパンにユズとイチゴのジャムを塗ったものが皿の上に並ぶ。コーンスープとブルーチーズとクラッカー。脇には白いクリームを塗った小さなケーキ。
昼ごはんまだなんだからパーティーに入れてよ、とずうずうしく参加。
5年生の二人はブルーチーズなど癖のあるものを平気でパクパク食べる。(まあ、食べてもいいけど、これはこの間、お父さんがワインのお供に買ったのになあ)

電子レンジで作った蒸ケーキは、材料のバランスが悪いのか、歯ごたえのあるゴチゴチケーキ。
あまりの粘りに自分たちでもびっくりしていたが、9割がた食べた。
作るのが楽しかったのだろう。

私がケーキ作りを始めたのもちょうど5年生ぐらいだったかな。

卵の黄身と白身がうまく分けられなくて、ちょっとでも白身に黄身が混じっているとピンと泡立たない。しょげていると、母はいつも「他の料理に使うからこれはやめて、もう一回卵を割りなさい」と言ってくれた。
卵を無駄にしてしまって落ち込んでいるとき、母のこの一言に何回励まされ、今日までケーキを作ってきたことだろう。
そして出来上がって失敗したかたいケーキをパクパク食べてくれたのは姉だった。
ドロドロしたレモンメレンゲパイ、ガチガチのアップルパイ、底のないシュークリーム、ボソボソのパウンドケーキ。
泡立て加減、混ぜ加減、火加減、材料の分量。
これがわかるのには時間がかかる。

家庭科の始まった5年生たちはかなりの興味で台所に立ちたがっている。
その気持ちを大切にね。
今度は私が子どもを励ます番なのだ。







ゴールデンウィークとか、大型連休とか巷で言っても、実際は飛び石連休という前の呼び方がぴったり。
土曜も学校に行った子2名。
今日もいつもと変わりなくお弁当を持って出かけた。
「お父さんも休みのときくらい、会社行かないで休みなさい」とあゆみ。
家で家族といるより会社のほうが体が楽? そんなわけないよね。

さて、土曜日のイベント。
不忍通りブックストリートの一箱古本市。
端から見て歩いた。
出している人も、地図を片手に歩く人も、若い若い。
根津でつつじ祭りに来た人々がたくさん歩いていたが、一見して層の違いがわかる。
それぞれの箱の中身にも個性があったが、店の名のつけ方、展示の仕方、本を見せる仕掛け、手がこんでいて、漫然と本が箱に入っているのとは違う。だから楽しかった。
中でも本の値段を記したスリップの紙。
これに凝っている人が多くて、徹夜して作ったという人もいた。
自分の大切にしていた本を気に入ってくれた人につなげたくて、思い入れがたっぷり。
一つのテーマを持って町を歩く。
楽しいお祭りでした。

夜、ヤマサキ家のご長男さんが、初月給で今までお世話になった人におごるという。
実際、家族を想定していたのだと思うが、何しろノリコがみんなに声をかけたので、集まってしまったと言うわけ。
うちも五人参加。
ICチップを作る機械を作る会社に勤め始めたと言う岳君。
あの岳ちゃんがねー。(細かいことは個人情報ですのでカット)
楽しく時間が過ぎ、支払い。
足りるのかね。
いくら貰ったかも聞けないし。
「少しは払うから言ってよ」とノリコに言うと、「世の中がいかに厳しいか、思い知らせなきゃいけないからほっておこう」という。
いいのかねえ。

まあ、ここまで苦労して育ててきた甲斐があったというものだ。
親は「初月給で奢ってもらう会」を結成。
3家族の子どもたち10人これからが楽しみだ。




最新

2009年
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2008年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2007年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月

2006年
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2005年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2004年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2003年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2002年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2001年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月

最新 2005年 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 RSS
ページトップへ