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2014年4月

長いこと、東京の地域で活動を続けてきました。
ペシャワール会の中村哲さんがパキスタンやアフガニスタンで医療援助を始めたのは1984年、谷根千が始まったのと同じ年です。中村さんは無医村に診療所を建て、一年に15万人もの患者を診たと言います。しかし内戦の中で苦しむ人々、その安心できる生活基盤をつくることの方が先決だと、医者の仕事はいったん休止して、水路を掘り、灌漑をして砂漠を緑の大地に変える仕事を始めました。
私たちは同じ30年間、地域の記憶を記録に変えること、建物の保存、活用、文化活動、おたがいさまの相互扶助を続けてきました。その中で私たちなりに国際支援をする人々にたくさん出会いました。日本の隣人が困っているのに、なぜわざわざ国際支援に赴かなければならないのか、国際NGOというとかっこいいし若者たちも飛びつきやすいが、日本の地域活動にはなぜ関わってくれないのか、など疑問をかかえながら、それぞれの活動を見てきました。やはりその人にあったやり方で、その人にできることは何でもするのがいい、という結論に達しました。
私は、小松光一さんの導きでタイ国境の村で少数民族の自立支援をするラフ族のダイエーさんと出会い、何度もその村を訪ね、子どもたちの幼稚園作り、小学校のあるふもとの村に学校へ行くための寮をつくる活動を見たり、ささやかな手伝いをしてきました。次代のリーダーを育てるために二人の青年が大学に行く支援もしました。
ラフ族は中国共産党を逃れて、越境してミャンマーに入り、そこにも安住できず、タイ国境を越え、タイ人が耕さない辺境の山の斜面で焼き畑をしています。自分の畑に通うのに一時間、その間も手を休めないため、歩きながら糸巻きをするのです。親たちはどうにかして子どもたちに教育をつけ、この過酷な境涯から脱出させたいと思っています。
インドネシアの熱帯雨林の保存管理を北大の大崎満先生の導きで見に行き、ファンドレイジング(補助金獲得)のお手伝いもしました。文部省の科研費は現地でとても使いにくいのです。トヨタ財団の資金提供で、森林の生産力調査をするための鉄塔を森の中に建てることができました。地球の炭素を固定しているボルネオの熱帯雨林が山火事を起こすと大量のCO2が空中に放出され、気象やときには地球の自転にまで影響を与えてしまうそうです。いろんな国の研究者がきていろんな木を植えましたが、植えて帰ってもまた枯れてしまいます。どうにか現地の人々に森の管理能力をつけてもらうプロジェクトでした。これは林学を森林生態学に変え、里山という言葉をつくった京都大学の四手井綱英先生の本を聞き書きで作ったことも縁の一つでした。
そして3月にはじめて中米グアテマラに行きました。谷根千英語版編集長、ジョルダン・サンドさんは今はジョージタウン大学の先生ですが、そのパートナーの新川志保子さんはながらく中米の女性たちの自立を助けています。グアテマラでは内戦が続く間に、30万人とも言われる男性が殺され、未亡人になった妻たちは子どもを抱えて、生活もままなりません。時には軍隊の兵士の性暴力に出会うこともあります。彼女たちは協同組合をつくり、染め物、織物、小ものつくり、トルティージャやパンを焼いて売るなどして自活を計ってきました。そして学校に行けない子どもたちのための土曜学校を開いています。
小学校は義務教育ですが、学用品や制服代が出せない親は、また労働力として子どもを使うためにも学校に行かせたがりません。また義務教育の質も低く、学校が楽しいところとはなっていません。土曜学校では5歳から9歳くらいの子どものためにただで読み書き、算数などを教え、おやつや給食も出しています。カトリック大阪司教区が援助しているそうです。
日本でも不登校、家庭内暴力、引きこもり、過保護、ニート、若者の貧困などのさまざまな問題があり、グアテマラとは違った要因によるものですが、「環境が人を作る」という点では似ています。日本と世界、それぞれの国で、子どもたちがしっかりした倫理の軸を持ち、学び働く意欲を持ち、将来に夢をもてるにはどのようにしたらよいか、 海外に出るとわかることもあります。自分たちの地域の子どもや若者とともにいきながら、世界各地と地域同士の交流ができたらな、と思います。

(森まゆみ)

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