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春先の一日、谷根千を歩いてみた。前編

滋賀の山奥から若い友人が上京し、谷根千を一日息子と案内した。


HAGISO の朝ごはん

まずは谷中HAGISOで待ち合わせ朝ごはん。
今月は鹿児島の食材を使い、えのきのみそ汁。音楽も月替わりのセレクト。料理人で建築家の友人は丁寧に味わい「おいしい」と一言。この萩荘リノベのドラマにも耳を傾けた。  
ついでにまち宿hanare にも案内。初音町の町内会館、ここにあった初音湯の話もする。岡倉天心記念公園、平櫛田中の作った天心像と谷中美術院の話。息子「ここでいつも風船に水を詰めて、投げていた」とのこと。


HAGISO 二階はオフィス

まちやどhanare

そこから路地を通って三四真地蔵、1945年3月4日の谷中の空襲について。この辺、空き地となり、建て売り住宅を建設中。古い屋敷の庭のあとも見えた。
東京オリンピックを前に、地価が上がって、地主は今売りたいタイミングなのか、相続が発生しているのか、地域内も更地が目立つ。  
初音の森防災広場ができたわけ、いざとなればトイレになるマンホール、いざとなれば炊き出しができるベンチなど。谷中コミュニティセンターの3・11以降の建て替え経緯。  
三崎坂、谷中小学校の改築とお休み所、大名時計を説明。  
大円寺と笠森おせんの物語。神仏習合時代の本堂の面白さ。


全生庵にある二代目長八のおじぞうさま

坂をゆっくり上がって、全生庵、江戸無血開城に奔走した勝海舟、高橋泥舟と山岡鉄舟の尽力。そして彰義隊の話。幹部で唯一なくなった伴門五郎の碑、2代目伊豆の長八のお地蔵様。三遊亭円朝の話。円朝の碑にある「世外」は井上馨のこと。  
坂の反対側、ライオンズマンションが9階建から道路側4階まで低くさせた住民運動の話。谷中の都市計画、地区計画、町並み保存の話。その並びの天龍院、種痘を始めた伊東玄朴のお墓があり、三遊亭円朝の「名人長二」の舞台。その先左側、二棟の長屋あり。しかしここもほとんど一階は観光土産屋になっている。  
右側の永久寺さんの住職には可愛がっていただいた。学校の先生で、仮名垣魯文や男色の研究でも知られた。仮名垣魯文のお墓にある文字が素晴らしい。「遺言本来空 財産無一物」。朝鮮独立闘士金玉均の書だ。生まれてきたときは裸、だから私も無一物で死にたい。
「立善寺の立華学苑とか、観智院の初音幼稚園とか、お寺さんが幼稚園をやっているんですねえ」と友人。「それにしても東京とは思えない。空が広い」  
和菓子の荻野は今日はお休み。ここにも谷根千を置いてもらっていたけど、いつも優しく、「子供さん達に」とあんこ餅などくださったっけ。居酒屋「町人」の先に真っ青に塗ったビルがあって仰天した。


大きなお屋敷が更地になっています

やさしいお店。荻野

旧伊勢五酒店の建物のTokyobike(トーキョーバイク)は朝から大繁盛だが、事業者はこの建物が残された経緯を知っているだろうか。はっさい先生路地、日蓮聖人ゆかりの東京七面山、そこから路地を抜けて朝倉彫塑館の前の通りに出るが、あちこちに新しい和風の家、デザイナーが作ったような新築ができている。赤塚べっ甲さんも建て替えていた。スペース小倉屋と香隣舎(蒲生邸)はそのまま。「貸し原っぱ恩地」には今日もみかん屋さんが露店を設営中。小倉屋さんは江戸時代民家としては谷中唯一のものかもしれない。
功徳林寺が改築され、観音寺の築地塀の反対側の塀も綺麗になっている。ここは「谷中御廟」というらしい。


戦後の闇市に発祥する初音小路

「すぎうら」でランチと思ったが月曜は休み。私が朝倉彫塑館の学生アルバイトだった時、お茶会で私たちの分まで杉浦のお弁当を取ってくれると天にも上る気持ちになった。朝倉彫塑館など区の施設、上野の博物館美術館もみんな月曜休みなので、この辺も休みが多い。初音小路のアーケードと戦後の闇市の話。ちょうどお昼となりました。
同行の息子はフランスで働いていて一時帰ったばかり。「そばがいい」というので、「川むら」へ。喜楽長をグラス溢れるまで注いでもらい、蕎麦の実の入った豆腐と、青唐辛子入りの卵焼きでゆっくり飲み、お蕎麦はテンプラ蕎麦、鴨せいろ、私は牡蠣せいろ。「もうそろそろ牡蠣のシーズンも終わりです」とお店の人。そのだしの出たつゆに蕎麦湯を入れて、ああ至福。

本行寺の小林一茶と山頭火の碑を見学。中野屋さんの看板娘良子さん。「名前は不良の良子です」というが、96歳。今もシャンソンを歌い、佃煮をいくつ買っても暗算を間違えない。今日はアサリとあみとかったら豆も入っていた。息子は「子供の頃、いつも谷根千の配達集金に来てました」と挨拶。隣の経王寺の門に残された上野戦争の玉のあとと彰義隊の話。  
諏訪台通りを行くが変貌著しい。諏訪台ひろば館の奥が「全身を顔にしよう!」の及川裸観さんの道場のあとだが、今や誰も知る人はいないだろう。お諏訪様にお参り、この社殿は古墳の後だと言われている。日本一たくさんの電車が見られる岡から、京浜東北線、山手線、常磐線、新幹線、京成線などがひっきりなしに通るのを見る。息子「保育園の時によく谷中墓地の跨線橋から電車に手を振った。そうすると運転手さんが手を振り返してくれたり、ワイパーを動かしたり、ライトを点滅してくれたりするのが嬉しかった」業務上、問題かもしれないが、30年も前のことだ。  
明治以来の太平洋画会の歴史、中村不折、中村彝、宮崎与平、長沼智恵子その他の話をする。ここまできたら東京に20もあった富士見坂の中で唯一地べたから富士山の見えた富士見坂の話。遠くの山並みを見る権利とダイヤモンド富士の話。最近は私たちも拠金して、かつてよく見えた富士山の写真を並べている。坂上にあったあった郷の語り部こと平塚春造さんのDP E屋さんが懐かしい。ドイツ長屋と言われたマンサード屋根の長屋も壊され、後には素敵な和風の家が建っている。


登録文化財、観音寺築地塀

念願のおそば

2019年3月15日   谷根千工房(森まゆみ)

谷根千工房 http://www.yanesen.net   E-mail: info@yanesen.com
〒113-0022 東京都文京区千駄木5-17-3 谷根千<記憶の蔵>内 
mobile 080-6670-0142(やまさき)
★常駐していません。

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