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5月の風はリボンにのって

3月1日に台東区長になった服部征夫さんは台東区始まって以来の谷中在住の区長さん。谷中のこぎり屋根工場の隣にお住まいです。と、選挙の話ではありません。三崎坂からよみせ通りに向かう東側(右手)にある駐車場は、一昨年まで5連ののこぎり屋根がありました。ここでは1966年まで細幅織物、つまりリボンが織られていたのです。  

工場の名は千代田リボン製織。代表の渡辺四郎氏は明治43年に渡欧して織物を学び「東洋一」のリボン作りをめざしました。その時に学んだ書物が広大な敷地の一隅に残されていました。100年を遡る織物・染色・養蚕等の資料は、英語・独語・仏語・西語・蘭語の洋書と、四郎氏の手書きのノート、リボンの見本帳です。

渡辺四郎コレクションと名付けた資料の全容は2014年11月25日に、「谷中のこ屋根展 in HAGISO」で公開しました。その時に解説をしてくださった玉川寛治さんに勧められて文献調査チームを結成し、このたび産業考古学会で発表することになりました。論文名は「東京台東区谷中の細幅織物(リボン)産業関連資料調査」です。発表は5月23日。発表後には月刊のこぎり屋根準備サイトに掲載します。どうぞお楽しみに。http://nokoyane.com/

さてさて、春になって、町も賑やかになりました。旧安田楠雄邸では恒例の五月飾りを公開、6月には福楽寄席。一箱古本市があり、つつじ祭りがあり、新しい集いの場の上野桜木あたりが開店、谷中防災コミュニティセンターも出来上がっています。谷根千工房の拠点である記憶の蔵でも芸工展カフェや蔵の試写会のほか、コロンビアからアワ民族のホセ・メロ・チンガルさんを招いたスピーキングツアーの最終打ち上げなどの企画があります。これらの情報はこの谷根千ねっとで紹介しています。

賑やかなのと騒々しいの違いはどこにあるでしょう。私たちは楽しむけれど汚さず、静けさを大切に、都心のなかにあってもゆっくりと時間が過ぎる町の姿をよしとしてきました。しかし、2020年に予定される東京オリンピックを見据えて、谷根千のエリアも「東京文化資源区」の一つと位置づけられ、文化資源区構想というものが発表されました。そして東京文化資源会議が開かれています。http://tohbun.jp/
知らないあいだに決められ、何も声を出さずにいて後から悔やむことがないように、残したいもの、作って欲しくないもの、直したいもの、変えたくないものなどの声を集めようと「やねせん想う会」を準備中です。まだ連絡先が決まりませんが、谷根千工房あてにお手紙やメールをいただければ声をお届けいたします。

2015年5月   やまさきのりこ

谷根千工房 http://www.yanesen.net   E-mail: info@yanesen.com
〒113-0022 東京都文京区千駄木5-17-3 谷根千<記憶の蔵>内 
fax03-3822-7623
★常駐していません。

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