「谷根千」とは?

谷根千とは

谷根千 路地

路地

 

根津神社

根津神社

谷根千とは、谷中・根津・千駄木エリアを指します。文京区および台東区に位置しており、東京23区の中心地に近く、いわゆる「山の手」の一角でありながら、今なお東京の下町としての風情を残す、歴史と情緒が溢れる地域です。谷根千工房(後述)より雑誌『谷中・根津・千駄木』が発行され、雑誌を置くお店の皆さんが雑誌を略称して「やねせん」と呼んだことからこの言葉が生まれ、それがこの地域を表す言葉として定着しました。

谷中にある谷中霊園は、15代将軍の徳川慶喜や、日本画で有名な横山大観など、多くの著名人が眠っていることでも知られています。園内の中央園路は「さくら通り」とも呼ばれ、春に見られる桜のトンネルは圧巻です。その途中には、幸田露伴の小説『五重塔』のモデルとなった五重塔跡があり、都の文化財に指定されています。

根津には、東京十社の一つに数えられる根津神社があり、こちらの境内はつつじの名所として知られ、毎年4月に行われる「つつじまつり」には多くの人出があります。権現造(本殿、幣殿、拝殿を一体に作る構造)の傑作とも称される社殿は、その7棟が国の重要文化財に指定され、近代文学の作品中にもしばしば登場しています。

千駄木には、川端康成、北原白秋、高村光太郎、夏目漱石、森鴎外など、多くの文人が住んだ歴史があり、漱石の『吾輩は猫である』も千駄木57番地にある家で執筆されました。また、千駄木のお屋敷町にある「旧安田邸」は、大正8年に実業家の藤田好三郎氏によって建てられたもので、家屋のみならずインテリアや庭園までもが当時の佇まいのまま守られ続けています。

谷根千は今、古き良きものを大切に残しながら、この地域を愛する老若男女が息づく、魅力あふれる町として注目されています。

谷根千ねっととは

谷根千にゆかりある人々が、穏やかに、丁寧に、つむぎ、守ってきたレトロな街並み、歴史ある神社仏閣、訪れるものを魅了してやまない祭りの数々、そしてそこに息づく生活と人情。そうしたものを、四半世紀に渡り、細やかに伝え続けてきたのが、1984年に創刊された地域雑誌『谷中・根津・千駄木』です。本誌は、仰木ひろみ、森まゆみ、山崎範子の3人からなる谷根千工房が制作をしてきました。谷根千という地域に愛情を持つ3人ならではの、温もり溢れる本誌の存在が、この街のファンをもまた増やし続けてきたのかもしれません。

本誌のネット版として、有限会社ファブリスの協力を得て、「谷根千ねっと」を2000年6月1日にオープン。雑誌同様、こちらも多くの方々に愛されてきました。そんな中、2009年8月刊行の93号をもって、地域雑誌『谷中・根津・千駄木』が終刊となることが決定し、「谷根千ねっと」のリニューアルプロジェクトは始まりました。雑誌のファンの皆様の想いにどう応えていけるのか、これから新しく谷根千を知る皆様には何を伝えていくべきなのか、試行錯誤を繰り返しながら、「谷根千ねっと」は2009年8月10日にリニューアルオープンとなりました。

谷根千という地域と同じように、既存のものと新しいものを上手く融合させ、魅力ある「谷根千ねっと」を目指してまいりますので、なにとぞ宜しくお願いいたします。

(谷根千ねっと編集部)