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一年生日記  2003年8月

映画と言えば、もうひとつ。
座間味島に行ったとき、マリリンの像というのを見つけた。
那覇からフェリーで120分。
慶良間諸島のひとつ。
コバルト色の海に囲まれた島だ。

港から阿真ビーチに行く途中、海を向いて風に吹かれている犬の銅像があった。
和風な顔立ちのマリリンである。

ああ、これがあの映画「マリリンに逢いたい」の主人公の犬。
すっかりそう思っていたが、よく考えると、逢いたいといっているからには逢いに来た犬がいるのだ。
そっちが主人公。

島の人に聞くと、隣の阿嘉島では犬を飼ってはいけなかったときがあって、ほとんど島には犬がいなかったらしい。
それで数少ないメス犬のマリリンを慕って阿嘉島から座間味島まで海を泳いできたと言う。
阿嘉島はフェリーで15分のところ。

島の地図に、「マリリンに逢いたくてシロが泳いで渡った海峡3キロメートル」とルートが点線で示してあった。
シロか。

映画のあらすじはこうだ。 
捨てられていた子犬のシロは、青年に拾われ、阿嘉島で暮らすようになる。
子どものころ一緒に戯れたメス犬のマリリンは座間味島の犬。
大きくなったシロは、マリリンが忘れられずに思い立って海を渡る。

単純な話だが、その間に人間のドラマが展開する。
マリリンは病に倒れ、帰らぬ犬となり、シロはその棺に何とかひと目会いたいと、飛びつく。
その別れのシーンときたら、すごい迫力。

実話だった。
「実際は何度も漁船に助けられたらしいですけれどね」
と、島の人は笑う。

それにしても映画のシロ、雑種なのだが、谷根千で飼っていたベルにそっくり。
白くて、毛足が長くて、耳が垂れていて。
本物のシロはどうだったのかな。
阿嘉島にはシロの像が建っているらしい。

ベルは恋のひとつも知らずに遠いところに逝ってしまったけど。

またひとつ島唄ができそうな話である。

昨日より涼しくなって、ようやく東京に帰ってきた甲斐があった。
那覇国際通りの近く、パレット久茂地というファッションビルがあり、そこで映画を見た。
「ホテルハイビスカス」。
今うちなんちゅの間で人気の中曽根みいこのコミックの映画化だ。
監督は中江裕司。「ナビィの恋」のあの監督さんだ。

一人しかお客をとめることの出来ないホテル。
2食付で3千円と安い。
そこに住む中曽根一家は国際的(いんたぁなそなる)な家族で、母ちゃんの生んだ子どもは3人。
にぃにぃは黒人との間に生まれ、ねぇねぇは白人との間に生まれ、3番目の美恵子は三味線好きの父ちゃんとの間の子。
それにおばあとの6人家族。
(おばあはナビィの平良とみさん)
母ちゃんは夜働き、家を支えている。
父ちゃんはビリヤード場をやってはいるが、お客はなし。

美恵子は小学校3年生で、あゆみと同じ。
この子がどえらく肝のすわった子で、驚いた。
演技をしているのか、天性のものなのか。
3000人以上もの沖縄の3,4年生の中からオーディションで選ばれたと言うが、こんな子がいる沖縄はすごい!と思った。

「うちがみえこだばぁーよ」
美恵子は何を考え、どう行動するのか。
コミックで見る美恵子とはまた違った熱い鼻息が聞こえてきそうな映画だった。
沖縄を去る日、あゆみはもう一回映画見たいといった。

東京でも渋谷のシネマライズで9月19日までやっているから見てね。

何でも8月28,29日は19時の最終回の後にミニライブやトークショーがついているそうです。

暑い暑い沖縄から帰って来たら、東京も暑かった。
2週間近く、夏休みをもらって、あゆみと二人、長男の住む家へ長逗留。
初日に自転車を2台買い、あゆみと二人で那覇を駆け巡ってきた。

那覇は坂が多く、自転車は少ない。
青年はバイク、女性は軽自動車、お年よりはバス、子どもはひたすら歩いている。
旅行者はレンタカー。自動車を運転できない人はタクシー。
タクシーの初乗りは450円で、東京のメーターのようにカチャンカチャンと上がらず、けっこう乗り出がある。
しかし、2週間近くあなた任せでタクシーに乗り続けると町を覚えないと思い、安い自転車を購入した。

自宅のある国場(こくば)は岡の上。
どこへ行くにも「行きはよいよい帰りがこわい」のだ。
地図を見て、ひたすら目的地まで走る。
帰りは、出来るだけ緩やかに登る道を遠回りしながら探す。

あゆみは自転車で横断歩道を渡っているとき、車の運転手さんに存在を認知してもらえないと大変だからと考えて、横断中は立ち乗りで大きく見せる工夫をしている。

道が家より高いところにあり、道路に交わる路地は坂道が多い。
だから歩道を自転車で走っていると、突然道から生えたようにニュッと車が出てきて肝を潰す。
家の前の道路も一階の目の高さあたりなるので、階段や、スロープを上って道に出る。
隣のおばちゃんは、47年くらいここに住んでいるけれど、道路は昔、あとから高くなったのだと言う。

驚くのは、歩道に自動車がちんまりと駐車していること。
車道に駐停車するのがいけないと思われているらしい。
東京の常識は通用しない。
車道の邪魔になるので、歩道にということらしいが、歩きにくいし、自転車も困る。

朝夕の渋滞は言うまでもなく、深夜の3時ごろでもバンバンタクシーやオートバイが走っているのにも驚いた。
8月に開通したばかりのゆいレールは、この渋滞解消に役立つといわれているけれど、まだまだ自動車は多い。それに、国場の近くは通っていないのだ。

今日はどこに行こうか。
地図上でわりに近い場所にある識名園へ行くことにした。
初めての世界遺産。
国道222号をひたすらまっすぐ行く。
それがずっと登り道。
歩道をジグザグに上るが、途中で、リタイア。
後でわかったことだが、すぐ近くのバス停から、バスで10分。
200円で行かれるのだった。
あの流した汗は200円分か。

首里城までは自転車で行かれないなあ。
やっぱりバスにしよう。




やっと暑くなって、あゆみは夏休みのプールに2回入った。
1学期は、やっと1回。
そのときに検定をやったので、7級のシールを帽子に付けた。

1年からスイミングにいっているので、最近ではクロールで100メートル泳ぐこともある。
背泳ぎもプカプカやっている。
平泳ぎはまだ。

基本的に泳ぐことは好きらしい。
「今日波のプールやったんだよ」
というので、やり方を聞いて笑ってしまった。

まず、みんなでずらっと一列に並ぶ。
プールサイドにいる先生の号令に合わせ、先生が右に移動すると生徒達も移動。
左に移動すると生徒も移動。
これを何回かすると波が起こるらしい。
後はぎゃーぎゃー言って遊ぶ。

すっごく楽しい。という。

プールのヘリに沿ってぐるぐる回り、流れるプールを作ることもあるようだ。

そういえば、子どものころ毎夏、大磯ロングビーチの流れるプールにいったなあ。

この小学校のプールで、あの北島康介君も水と戯れていたのだろうか。

なんと、7月1ヶ月間、全く日記を書かなかったことを今知ってびっくり。
風やの話は6月だった。

2,3年前から、家庭訪問を夏休みにやっている。
先生方にとっても、真夏のつらい行脚だ。

自分の「家庭訪問」を思い出すと、お茶の間で先生と母が話している姿。
お茶とお菓子。時には果物。

時代が移ったとはいえ、長男が小学校一年、初めての家庭訪問のときは先生はリビングの椅子に。
お茶を差し上げた。
今の家庭訪問は、生徒の学校へのルートの確認。
かつては、家庭環境の確認だったのだろう。

その後、学校からの「家庭訪問について」の手紙には「玄関先で失礼します」と但し書きがつくようになった。
それでも、
「こんなところではなんですから」というと、
「そうですか、それでは」と先生を家の中にご案内することになる。
だから、家庭訪問の前の日は家族揃って部屋の片づけをした。
ありのままの姿を見せればよいのだが、そうもいかない。

しかし、あるとき、ヤマサキが言った。
「先生より後に家についたから、そのまま外で立ち話して、次のお宅までお送りしますって送っていったの」
これは驚いた。
玄関の鍵も開けなかったらしい。

これで、先生も親も家庭訪問の目的をちゃんと達しているのだからかまわないのだろう。
私も肩の力が抜けた。
最近は割り切って玄関先に椅子を用意してお待ちしている。
学校では、個人面談でもない限り、自分の子どものことだけを先生と話すチャンスはほとんどない。

家庭訪問は、10分くらいの短い時間だが、ルートを確認と、親が子を、先生が生徒をどう見ているのか、お互いを確認する大切な時間だと思う。

今年も終わってほっとした。

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