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一年生日記  2005年11月

先日、娘二人と「Always 三丁目の夕日」の映画を観ました。
王子シネマは小規模の映画館が二つ並んでいて、受付は一つ。そこで、パンフレットも食べ物も売っているのがなんとも好きです。
今回はそれに加え、駄菓子も売っていて、私たちの「団子坂キネマ」に似ていました。
話は昭和33年。
私はまだよちよち歩きの赤ちゃんだったけれど、子どものころに見た動坂(今の千駄木4丁目)辺りの風景と通じるものがたくさん。
ほどいた毛糸にやかんの湯気をあててのばし、セーターを編み直した、あの頃。
靴下とパンツ以外は何でも母の手作りだった。
男子小学生は夏もベロッとしたランニングで学校に来ていた。
そうそう、冷蔵庫は、氷を入れて使っていたんだよ。(あゆみ・学校で勉強したよ)
電気冷蔵庫や洗濯機が家に届いたお祭りのような日。
世田谷のお祖父ちゃんの家でコカコーラを初めて飲んだときの味。
サンタクロースは、枕元に講談社のゴールド版の絵本や三輪車を並べてくれていた。
狭い部屋に枕を並べて寝ていたのに、なぜ気がつかなかったんだろう。
フラフープ、あたり前田のクラッカー。不二家のペコちゃん。
二軒先の自転車屋のおじいさんは、自転車に乗りながら、修理したもう一台の自転車を右手で支え、二台で走っていたっけ。
都電はガタガタ家を揺らし、オート三輪が走る。
牛乳配達のお兄さんは、ちょっと平尾昌昭に似ていたっけ。
動坂で一番ハイカラだったのは、角の食品店。
棚には赤いコンビーフ缶が並び、カラフルなゼリービーンズにコーヒー豆の量り売り。
私たち姉妹は異国の空気を吸いにこの店に良く来た。

映画の中で立ち上がってゆく東京タワー。
秋の団子坂キネマで「東京タワーは我が息子」という(設計者の建築構造学内藤多仲先生)映画を見たばかり。このインタビューがおもしろくて、心に残っていた。
物言わぬタワーが画面で少しずつ立ち上がっていく。(このCG合成は納得)
パンフレットを買ったら、中に東京タワー記念パンフレット復刻版付き。
国産の材料による当時、世界一の自立鉄塔。
戦後の急速な経済成長のシンボルだ。

サンタがくれた万年筆に、淳之介(子ども)が「ぼくのぼくの万年筆ですね」という場面にジーン。
もうすぐ訪れるクリスマス、我が家の子供たちは、こんな時代にこの喜びを感じることができるのだろうか。
懐かしいだけじゃない、人間のやさしさ、物の大切さ、いろんなことを思い出させてくれた映画でした。



今日も寒い。

文京区の連合音楽会午後の部を聞きに行った。
5年生を中心に、歌や合奏を各学校ごとに演奏。

体を楽器として使った学校は、4つのグループがそれぞれ違う音の出し方で、ひざを叩いたり、手拍子、口で、音を出す。
金管バンドで「オペラ座の怪人」があれば、自分たちの学校を題材に歌を作ったもの、青いスカーフをもって踊りながら、演奏しながら歌う学校、ティンパニーの細かい連打が冴える「もののけ姫」、「テキーラ」なんていう楽しい曲はコンガ(太鼓)のリズムが軽快だった。
本当に背筋に泡が立つような、感動を覚えました。
あゆみたちは最後の最後。
和太鼓を入れた八木節ラプソディー。
やりたかった鉄琴はオーディションに通らなかったものの、圧倒する人数で力強く聞かせてくれました。

3階の席から豆粒ほどの子ども達を2時間も見つめていた。
でもみんなとても大きく見えました。
5年生、たいしたもんだ。


なんて寒いのでしょう。
今日は入学時検診のお手伝いをするという来年の六年生。
それはなんとあゆみ。
ちいさいちいさい、と思い込んでいる母です。

姉と二人で買い物に出かけたあゆみ。
なんだかウキウキ帰ってきた。
行ったところは100円ショップとドラッグストアらしい。
女の子の目がキラキラするようなものがいっぱいあるらしく、早速買ってきたルームシューズをご愛用。

夕飯時、右手をティッシュで包み、それで箸を使っている。
何か脂ぎったものでもつかんだのかと思っていたら、そのうちティッシュが破れて、かたそうなものが飛び出した。
なにそれ?
ムフフフッ。
見せてみなさい。
なんと、親指と中指と小指に付け爪を貼り付けてギラギラのマニキュアがついていたのでした。
山姥か鬼の爪みたい。
ちょっとお姉ちゃんに借りたの。ヒヒヒ。
あゆみの小さな爪につけるにはびっくりするほど大きくて長い爪を生やしている。
もう、こういうことに興味あるんだ。

次の朝、はがした爪がテーブルの上にあった。
掃除をしている時、何かとても吸ってはいけないものを吸い込んだ気がした。
もしかして、爪?
あわてて掃除機の中の紙袋を出し、新聞紙に出してみた。
やっぱりあった。

これがなくなったら大騒ぎになるだろうが、吸い込んで知らんぷりもできない。
掃除したホコリやらなにやら袋から出す作業はむなしかったが、騒がれるよりましかな。

大事なものはちゃんとしまっておいてください。

再来年の成人式用に、レンタル晴着の案内が毎日送られてくる。
振袖の形は変わらないものの、ヘアースタイルや小物類のなんと賑やかなこと。
どのモデルも大きな花のコサージュを耳上に飾り、まとめた髪は噴水のようにはね飛び、手には豹柄のモコモコハンドバッグ。
首にはネックレスや、帽子をかぶったものまで。
和服、着物が見直されてきているとはいえ、これはちょっと刺激的。
「今から予約するとよい柄が選べます」とか、「小物一式プレゼント」とか、「1ヶ月、何度着ても料金は同じ」など、あの手この手で乙女の心をつかもうとしている。


私のときは、電気のこぎりを振袖のかわりに買ったのだ。
細かい木工作業がしたくて、歯の細いジグソーが欲しかった。
だから、娘に譲る振袖はもっていない。
もちろん成人の集いなど出るということも考えなかった。

娘は近くに住む友達同士、振袖で区の成人式に出る話で盛り上がっているようだ。
時代が変わったのかと考えたが、2つ思い当たることがある。
それは、娘が近所の区立中学に行ったので、友達が近所にたくさんいる。
もう一つは携帯電話。
私は卒業後、友達に連絡を頻繁に取っていない。年賀状ぐらいのものだ。
今は、親指一つで皆とつながっている。
いつでも会える、いつでもメールができる。
長男の時も沖縄からわざわざ出てきたくらいだったのだから、きっと長女も楽しみにしているのだろう。

ヤマサキさんは、「私の振袖はうちの父親が買ってくれた買い物の中で一番。柄が気に入って何度も着たなあ」と昔を懐かしむ。
へぇー。着たんだぁ。
今度写真見せようか。
(三十年近く前のYさんともうすぐ会えるのだ)

何とか、振袖を着たい気持ちをかなえてあげたい母ですが、最近流行のキャピキャピ着物姿だけはやめてほしい。
ヤマサキさん、その振袖、まだあったら貸してー。



夕方になると決まって事務所に電話を入れてくるあゆみ。
「おかさん? 今どこ? 何時に帰ってくるの?」といつも同じ文句。

昨日はかけてこないので、どうしたのかと思っていたら、家に姉も兄もいたようだ。
(いつもは一人で寂しくなって電話をかけてくる)
通信教育で送られてきたものを整理している。
「がんばって今日、2枚テストやって出すんだ。夕飯終ったらやるからおかさんそばにいてね」
(あゆみはおかあさんといわず、たいがいおかさんという)
「それで金のシール貰って、欲し物貰うんだ」

1年生からずっととっている教材で、学校の教科書にあわせたものが送られてくる。
はじめのうちはキャラクターもかわいく思えたが、5年生ともなると、そのキャラクターが少々子供っぽく感じているようだ。赤ペンで先生が直してくるテストにも、キャラクターが書いてあって、「私はもっと大人です」と言いたそうだ。
だんだん手をつけなくなって、次の月の教材が届いた時、前のものは全く手をつけていない状態。
それでもシールを集めてもらえる景品には欲しい物がいろいろあり、今日は思い立ってやろうと決心したらしい。

そして夕飯ののち、さっさとちゃぶ台を出して勉強を始めようとして、「お風呂の掃除、お姉ちゃん変わってね」といって、正座してやり始めた。
国語で何を書いていいかわからない、とか、算数の文章題でわからないところがあるなど、時々助けを求めにやってくるが、いつもはこちらが何か言うと、かなり反発するのに、今日はがんばっているのがわかる。
姉がそばで小さな声で「あゆちゃん、がんばれ!」と手拍子をする。(心ばかりの応援のつもりらしい)
お父さんも帰ってきて、ご飯を食べながら時々わからないところの質問に答えている。

「さあ、できた。お父さん今から出しに行こう」
切手を貼り、夜の散歩に出かけた。
ポストに投函。

金のシールが待ち遠しい。何を貰おうとしているのか。
続けばいいのだけど。




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