!新谷根千ねっとはコチラ!
一年生日記  2003年6月

家の手伝い分担は、長男が沖縄に行ってから少し変わったものの、あゆみはまだお豆、お味噌。
責任のある分担はない。
そのわりに身が軽いので、あれとって、これとっても使い走りが多い。
我が家では、仕事に対してお小遣いの上乗せをしているので、あゆみは小遣いの足しがない。

そこで自分で思いついた商売が「風や」。
小学校の国語の教科書に出ているきつつきの商売が「音や」。
コーンと木をくちばしで叩き4分音符分の音で、100リルだったか。

あゆみの風やは、10分10円。
ちょっと高いかと思うが、一時間風を送ってもらって60円は安いかな。
箱に入った団扇の中から好きながらを選ぶ。
縦風、横風、風の送り方、強さも選ぶことができる。

風呂上りの風は最高だ。
試験勉強しているお姉ちゃんも、熱がこもってくると頼んでいる。
ご飯が終わるとお父さんを追いかけていって「風はいりませんか?」というが、今はけっこうと断られ、しぶしぶ戻ってくる。
風呂上りに頼もうとすると、本人がスースー眠っていて店じまい。
なかなか売り上げに貢献してあげたくても、店をたたんでいる時間が多くて困ったものだ。

先週の土曜日、私の誕生日だったので、風を頼んでみたら、しっかり10円とられてしまった。
サービスではなかったようで、足ふみがプレゼントだったとか。
がっちりしている。

終わった時間のお知らせがなく、突然プイッとやめるので、「終わりましたとか、何とか言ってよ」 と言うと、「じゃあ、今度は鈴鳴らすから」。
そのうち箱もって出張販売に行くかも。

お父さんとあゆみは時々「夜の散歩」に行く。
家の近所を一回りするくらいだが、ちょうどいいと、買い物を頼む。
「パンと牛乳」「卵」のほかに、「白熊」と言うときもある。
「白熊」とは、鹿児島名物の巨大カキ氷のことらしい。
が、私の知っているのは、小さなカップに入っている練乳味の白いカキ氷の上に、パインやミカンの缶詰と小豆がのっているもの。
フラッペを考えれば、不思議な組み合わせでもないが、果物と小豆がひとつで2回お得な感じがして、気に入っている。
いつもは生協で買っているのだが、コンビにでも売っているのか?

買ってきたのは「しろくま」。
似てはいるが、味もフルーツもカップの柄も違う。
長女が、「いつものは漢字じゃなかったっけ」という。

またある日買ってきたのは「白くま」
これまた似ているものの、味、食感、フルーツの量など微妙に違う。
長女が「こんどはしろ熊」だったりして、と笑う。

またある日は「白熊」なのだが、カップがやたら大きい。
ひとつ280円。佐賀で作っていた。
鹿児島の本場では、巨大なカキ氷にメロンやスイカまで刺さっていると言うから、この280円だって小さいのだろうが、いつもの大きさで十分。
今日のはコンビにではなく、夜遅くまで開いているスーパーで買ってきたという。

いつもの白熊は冷凍庫から出しても、カチカチになっていない。口当たりはふんわりやわらかく、小豆もふんわりやわらかい。

だんだん白熊を探して遠くまで足を延ばしているらしい父と娘。
今日も白熊のたびは続く。

土曜日に行うはずの運動会が、台風の上陸で日曜日に順延。
日曜日の朝、6時半に連絡網が回る。
「やります」の一言に、お弁当作らなくては・・・・。
でも眠たいよー。

実は、夜中の2時半、あゆみが私の布団の横でしくしく泣いていた。
見るとズボンを左足だけひざまではいている。
いや、よーく聞くと、脱ごうとしていたのだ。
左足の膝まで下ろしたら激痛が走ったらしい。
なぜ?

2日前、運動会の予行演習で団体競技のとき、ひきずられて転んだのだ。
最近人工芝にした校庭は、芝の間に細かい砂利を敷きこんであるので、転ぶと痛い。
イタイイタイと大泣きして眠ったあの傷が、まだ乾いていなかったのだ。
その傷がズボンの裏側にくっついて、はがれなくなってしまったといわけだ。

ようやく理由がわかって、おかしいけれど笑うわけにもいかない。
どうしよう。
霧吹きで、ズボンの上からシューシュー水をかける。
「そっとおろしてみようか」と脚を触ろうとするだけで、「イタイイタイ」と泣く。
また霧を吹きかけしばらく待つ。
その間も、ワーワー泣いている。
痛みより自分の置かれている状況に対して泣いているようである。

こういうときは、やさしくしてあげなくては。
「痛いよね、もう少しではがれるからがんばって」と頭をなでる。
本当は、「こんなことくらいで泣くんじゃねえ」と言いたいところを我慢した。

30分も泣いていただろうか、ズボンのほうが突然「やーめた」と言うような感じで剥がれた。
あっけない幕切れ。
あゆみの痛みも急に消えた。
傷口にくっつかないガーゼと絆創膏で手厚く処置してあげた。
こういうときは大事にしてもらえるだけで気分がなおるものなんだ。

日曜日。
夜中の大騒ぎで運動会のことなどすっかり忘れていた私も我に返り、弁当を作る。
あゆみも傷の痛みはないようで、膝のガーゼをはがして出かけた。

ところが9時。ザーザーぶりの雨。
どうするんだろう。
結局10時からやりました。

雨降っていたとき、教室で何していたの?
後で聞いたら、「テルテル坊主作ってたんだよ。だから晴れたんじゃない」
あー、3年生はまだその世界の人だったんだねー。
きっと職員室はやるのやらないのと大変だったろうに。
でも無事に終わってよかった。



最新

2009年
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2008年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2007年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月

2006年
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2005年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2004年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2003年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2002年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月
3月
2月
1月

2001年
12月
11月
10月
9月
8月
7月
6月
5月
4月

最新 2003年 12月 11月 10月 9月 8月 7月 6月 5月 4月 3月 2月 1月 RSS
ページトップへ