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一年生日記  2005年8月

夏休もあと2日。子ども達は日曜の夜中から部屋の片づけを初め、どうも部屋の大移動が始まるようです。
台風が通り過ぎ、私のゴーヤちゃんたちは少し大きくなったかな、と覗きに行ってびっくり。
すでに熟したのか、黄色くなって下から割れて真っ赤な種が見えておりました。
ガビーン!!
せめて20センチくらいになったら収穫しようと育てていたのに、10センチにも満たないまま種。
ミニチュア品種だったかしら。

仕方なくゴーヤを買いに行くと、緑も濃い30センチほどのずっしりとしたゴーヤが200円。
もう来年は「部屋から手を伸ばしてゴーヤを収穫しよう」なんていう夢は描かないことにしました。

根津の路地をまねて育てているキウイフルーツも然りで、葉は茂れど、花は咲かず。
よそでたわわに実っているキウイ棚を見ると、今ごろ実がなるのかーって、がっかり。
家で育てる植物は食用になるものばかりですが、ろくに収穫をしたことのないのが現状。
農作物を育てるのって片手間じゃできないようです。

今年の夏はゴーヤを家で収穫しようと3本植えた。
プランター、土、肥料、支柱、ゴーヤ3本の合計金額は3600円。
八百屋さんで一本300円くらいだったので、せめて10本は収穫したいと、丁寧に植えつけた。
毎日水をやり、鶴が絡み始めれば、花が咲いてと祈り、8月となった。
しかし花は咲けども実のなる気配がない。
ヤブガラシが地面から迫ってきて、支柱に絡み始め、ゴーヤよりも生き生きとしているではないか。
部屋の中から見ると、障子に映った葉の影が涼しげである。

ヤブガラシとはよく言ったものだ。
紫がかった葉で、どこからでも生えてくる。
花が咲いた後に色とりどりの小さな実がつく。
これもかわいいのだが、ゴーヤを駆逐しては困る。
涼感は捨てがたかったが、ヤブガラシにはさようならをした。
取り払ったら、ゴーヤはヒョロヒョロと情けないものだった。

待つこと二週間、今度はまたしても植えていないオシロイバナがずんずん大きくなり、プランターの下に日光が当たらない。
夕方になると咲くオシロイバナも夏の花。
子どものころ、黒い種の中の白い実を花の頭につけて遊んだり、花を髪に挿したりした。
こういう草花遊びができる植物は大好き。
とってはいけません、切ってはいけませんというものばかり植わっている庭はちょっと苦手。
だからというわけではないが、うちの細長い庭(路地)はスミレもたんぽぽも花ニラ、どくだみ、ヒメジオン、カタバミ、ネコジャラシいろいろある。
少しだけオシロイバナをカットさせてもらい、日が当たるようになった。
見ると10センチくらいのゴーヤが涼しげに二本ぶら下がっているではないか。
やったー。
もう少し大きくなったらもやしをたくさん入れてチャンプルーを作ろう。
夏の元気の元。
これからどんどん収穫できるのか。

葉が揺れると、ゴーヤの匂いがした。




あゆみと名古屋に行った。青春18切符で6時間。東海道線を乗り継ぎ、四谷から2300円。
青春18というからには、若者でないといけないのだと思っていたが、年齢制限はないらしい。二人の年を合わせて2で割ると青春30切符くらいになったけど。
今回の目的はホームムービーの日の名古屋会場へ行くことだ。

その前に、ステンドグラス特集後に知った「川上貞奴邸」も見学できた。
外から見ると住宅展示場に見えたが、中の和室は住んだ人の気配が感じられ、静かなたたずまいだった。大正時代に建て、10年と住まなかった家だが豪華だった。
ここのステンドグラスは、宇野澤。最近、松本ステンドグラスで復元修復されたのだ。

すぐ近く、撞木町の井元家住宅。
本日のホームムービーの会場はこの旧家で行われる。東京会場は市田邸。いい勝負。
井元家は陶磁器の海外輸出をしていたそうで、洋館は外国からの客人が滞在できるようになっている。
ここにもスペードやダイヤ柄のかわいらしいステンドグラスを見つけた。
この屋敷は、近隣の人々によって掃除され、庭の手入れなどがなされているようだ。
夕暮れ、縁側に坐ってぼーっと庭を眺める。
映写会の準備は進行中。お座敷に座布団を並べ、後ろから映写機で映すようだ。
いつもヤマサキがやっているあの風景。
スイカやきゅうりの漬け物を並べ、団扇も用意されている。
ビールやラムネ、パン、えびせんなどおつまみの販売。
ナスやインゲンピーマンなどを山盛りにして売っていた。安い。
今日は東京でも同じように食べ物を並べて、おせんにキャラメルやっているのかな。
とても素朴な催しだが、8月の第2土曜日に世界同時開催という国際的イベントなのだからおかしい。

日没から映写開始。
からし風味の漬け物が気に入ってあゆみは、暗い中で画面を見ながらカリカリ食べている。
30年前の結婚式の風景。言葉がないし、他人の結婚式なのになぜか懐かしい。
「写っている人の半分は向こうの世界に行ってしまいました」
昭和50年代のお寺の幼稚園入学式やお遊戯会。
「頭の被り物の狸のお面を気にしているのがうちの子です」などと解説が入る。

私も子どものころ父が撮った八ミリをみんなで見たっけ。
今日は映写会やるぞーというと、電気のゆで卵機でなぜかゆで卵を作る。
私の記憶のホームムービーはだから殻をむきながら食べたゆで卵とワンセットになっている。
巻き戻す時は着物姿の祖母が、猿飛び佐助のように後ろ向きのまま石に飛び乗ったりするので、そっちのほうがおもしろかった。
あのフィルムは、家を建て直すときに父がカビたからとみんな捨ててしまったそうで残念だ。

「ワタシにも映せます」という扇さんの8ミリのコマーシャルが流行った。
何とか自分の子どもたちを映像に残しておきたくて、かなりの家で8ミリ映写機を持っていたはずだ。

これからこの呼びかけに、毎年家に眠っているフィルムが、少しずつでも映写されると楽しいし、もしかしたら、大発見もあるかも。
どの作品も、画面に写っていない撮影者の愛が見えたのだ。








一年に一度、命の洗濯をしに「楽の家」へ。
楽の家は駅から歩いて行くことができるが、温泉、買い物、小淵沢まで脚をのばすとなると、車は必需品だ。
今回も車係を快く引き受けてくれたAさん。
荷物を運び、買い物をし、厨房にも立つ心優しい男性。

小5のあゆみと、4歳のりんちゃんと大人4人で小淵沢の「えほん村」へ向かった。
受付で入場料を払い、丸いシールを左の肩に張れば、村内自由に出入りできる。
トランプの兵隊の椅子、キリンや猿の椅子、キューブのパズル、パペットシアター、自由に閲覧できる絵本がたくさん並んでいる。
チリンチリンと鐘の合図で駐車場下の小さな人形劇場へ。
演目は「三匹のやぎのがらがらどん」。
橋の下にいる怖いトロルは腹をすかせている。通りかかった3匹のやぎをそれぞれ食べようとするのだが・・・。
ひと飲みにできそうな小さなやぎのがらがらどんは、震えながらも「後からもっと食べがいの有るやぎが来る」といい、中くらいのやぎのがらがらどんは「後からもっと脂の乗ったのが来るといい」そして、大きなやぎのがらがらどんは角と蹄でトロルを一撃、木っ端微塵に。
やぎは無事に橋を渡り、草を食べて大きくなったとさ。
ロシアの民話だ。
子供が小さい頃、何度読んだだろう。
「目玉は田楽刺し」というフレーズは、強烈な印象でいまでも思い出す。
4歳のりんちゃんも保育園では暗記でいえるほどらしいが、人形劇はちょっと怖かったようだ。

夜になり、みんなでワイワイ酒盛りをやっていたら、さっきの人形劇が話題に上った。
「見ながらずっと考えていたんだけど、あの3匹の関係は何?」とAさん。
子と、親と、御祖父さん? それとも 兄弟? それとも仲間?
何にしても次にもっとおいしいやぎが来るって、仲間を売るようなことしてもいいの?

そう言われると、トロルが橋の下にいることがわかっているのに
何で小さいのから一匹ずつバラバラにやってくるの?
何で大きいほうから来なかったの?
いろいろ疑問がわいてきた。
いつでも大きなやぎがやっつけるから、何とかその場を切り抜けろといわれているのか。

同じロシアの民話でも「大きなかぶ」は、おじいさんの育てたかぶが、とてつもなく大きなかぶになったので、家族総出で抜く話。犬や猫までも出てきて抜けなかったかぶが、最後に加わったねずみの力が入ったとたんに抜ける。みんなで力をあわせることの大切さを教えてくれる。

さあ、やぎはどうだ。やぎの処世術としてはなかなかの知恵だが、トロルはみんなが恐れているだけで、悪さをしたとは言われていないのに、えさも食べられずに木っ端微塵だ。
やぎは仲間を裏切るし。

子ども達はこの話をどう聞いているのだろう。
食べられなくてよかった。ほっ。 というだけではないだろう

答えはゆっくり考えたい。


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