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一年生日記  2006年5月

しょぼしょぼ雨が降り出した。

最近あゆみが気に入っているのは、団子坂上に新しく建った「文京区立本郷図書館」。
今までは団子坂上、左に鷗外記念館と同じ建物の中に図書館があった。
これについての経緯は谷根千52号にも書いたが、明治43年に東片町の本郷高等小学校内に始まる。

このたび、団子坂を挟んで反対側の千駄木三丁目、萩風荘(宮城県の宿泊施設)跡地半分を使って新築。
新しい図書館はまだ建材のにおいがするが、綺麗で、広々。
旧図書館では、本を選ぶときは狭い本棚に挟まれて鋭角に本を探したが、今度は違う。
子どものコーナーも広くなった。

あゆみが気に入っているのはジュニアコーナー。
地下一階の階段の陰にテーブルが一つ、イスが数脚。
ここでほとんど毎日勉強をしたり、本を読んだりしているようだ。
友達の家のすぐ近所で、雨の日でもゆっくり入ることの出来る場所。
読みたければすぐ手の届くところにジュニア向けの本。
中には、「***になるには」といういわゆる「なるには本」。
インテリアコーディネーターになるには、ゲームクリエーターになるには、音楽家になるには、などなど。
学校でも将来の夢と題していろいろ調べ物をしている。

昨日は「偉人」を一人調べるという。
偉人って何だ? その括りがむずかしいが、あゆみはモーツァルトにするといって本を借りた。
今までより本を借りる度合いが増えたことは確かだ。

本郷図書館という名前にはちょっと??を感じるが、(勘違いして本郷に行ってしまいそう)とにかく図書館は座る場所も多くバンザイ。
最近は児童館もあまり行きたがらないし、友達の家ばかりお邪魔しているのも悪いので、こういう公共の場で、安心して子どもが過ごせる場所が出来たことはありがたい。




寒さがぶり返し、たたみ始めた冬物衣料もちょっと待った状態で部屋に散乱。

4月の終りに、長男が自分のアパート隣の竹林にたけのこがニョキニョキ出ているからと掘ってきた。
掘ってすぐに電車に乗ったのでまだ2時間、というので刺身にしてみたがちょっとえぐい。
ストーブの上でサッと焙って食べたらおいしかった。

先週土曜日にいただいたたけのこは京都産。
竹の葉っぱにくるまれて、ずい分高級品のようだ。

たけのこは時間との戦い。
すぐに茹でなくては、と思うも、糠がない。
袋の中を見たけれど糠がない。
米も無洗米で、とぎ汁が出ない。
えーい、米を一握り入れて茹でてみた。
糠は、えぐみをとるのに必要というが、どうだろう。

たけのこ一本、下の硬い部分の半分を千切りにし、いためて酒、みりん、醤油で味付け、じゃこを少し入れてきんぴら風に。
毎年5月に出かけていた愛知県足助近くの西村農園民宿の味だ。
懐かしい。新緑に囲まれた民宿が目の前に広がる。

上の穂先はたけのこご飯。少しボリュームを出そうと、豚肉も入れてみた。
庭の山椒の葉をあゆみに摘んできてもらい、のせる。
「お母さん、叩いたの? なんか匂いしないよ」とあゆみ。
すっかり忘れていた。手のひらに挟んでパンと叩く。
これこれ、山椒の香り。
去年はこの山椒にアゲハちゃんがたくさん来て、旅立ったんだよなーと思い出に浸る。

ひめ皮(柔らかい皮の部分)は細切りにして、谷根千83号紹介の「あむりた」料理、新じゃがのグラタンに入れてみる。
エリンギはオリーブオイルでいため、ひめ皮と茹でたジャガイモを混ぜる。
マヨネーズがなかったので、卵と酢とサラダオイルで自作。
漉した豆腐と合わせ、具を入れ、とろけるチーズをのせて焼く。
今日は焦げ目もいい具合。
あむりたさんに感謝。

これが日曜日。

昨日は半分残った硬い部分と、もどした干ししいたけ、豚挽き肉、にんじん、玉ねぎ、ごぼうをすべてみじん切りにし、オリーブ油でいため、スリランカのカレーペーストを入れ、りんごジャム、醤油を入れてたけのこカレー。
ちょっとからかったけれど、レタスの葉でご飯と一緒に包んで食べたら美味。
食後のチャイは少し甘めにしたのでほっとした。

今日はその残ったたけのこキーマカレーを茹でてつぶしたジャガイモと合わせ、パン粉をつけてコロッケに。なかなかパンチのあるコロッケに仕上がった。
あとは家に帰って油で揚げるだけだ。

さあ、後の穂先半分、鳥のつくねと煮ようか、それともいい出汁をとって、ワカメと吸い物にしようか。
明日ゆっくり悩もう。

そうそう、糠は袋の下にちゃんと入ってました。
せっかく入れてくださったのに、気がつかなくてすみません。


土曜日に一箱古本市終りました。

参加した箱の中からジャジャーン!「谷根千賞」を選びました。
今年は和服姿の「こちどり」姉妹さんです。
詳しくはこちらをどうぞ
http://blog.livedoor.jp/tamashigi/archives/50826604.html
当日のルポを少し。
午後から雨模様という予報でしたが、店子曰く、「文京区はピンポイント予報で雨はイベントが終る時間くらいから」という。
ところが1時過ぎにざーっと降り始め、雨脚は弱まったものの3時に惜しくも中止になってしまった。

去年は谷根千本誌にレポートを書くのと、谷根千賞を選ぶ大役があり、各店をくまなく回ったのだが、今年は谷根千賞選びはヤマサキにまかせて、私は大家と専従に徹することにした。
谷根千の扉を大きく開け、そこに三箱、出たところに二箱。
須藤公園の緑が目の前に広がり、すがすがしい。

アメリカ人と韓国人夫妻の助っ人が午前中の専従で、楽しそうに手伝ってくれた。
イラッシャイマセ。ヨウコソ、コンニチワ。ドウゾゴランクダサイ。スタンプオシマショウカ。

午前中、やってきたお客さん(落ち着いた感じの男性)。
三休堂(ヤマサキの箱)で見つけた写真集を確認して、すぐさまお取り置き。
銀行でお金を下ろしてくるから誰にも売らないでといって一度帰った。

ヤマサキが出した本は箱入り白黒写真集。
題名は川田喜久治の「地図」。
夫の蔵書だった本。
付けた値段は1万1千円。
このほかに鉄道省で出した「日本案内誌」昭和4年、酒井潔「日本歓楽郷案内」昭和11年(?)など。
これらの本は一応、インターネット古書検索を見て値段を確かめ、かなりお得につけていたていた。
それでも他の500円や300円の本に比べたら「売れるのかなあ」と心配する値段だ。

実は古本市の前の晩、亡くなったヤマサキの夫が夢にバッチリ出てきたという。
「あたしが出そうという本を見に来たの。まあ、出していいか、チェックしに来たんだわね」
家族に、自分の蔵書が役に立ち、少しでもおいしいものが食べられればと納得しに来たのだろうか。
あまり夢に出てきてくれないという一夫さんが、久しぶりに現われたので、ヤマサキはうれしそうだった。

まあ、とにかくヤマサキは物に執着しない性格なので、見ているこっちがハラハラすることも日々あるのだが、この時も「どうせ高知の納戸にずっと眠っている本なのだから、欲しかったという人の所へ行くのが本の正しい姿なのよ」などと楽しそうにスリップ(本の間の値段のついたしおり)を書いておりました。

そして本日分かった話。
ヤマサキの売り上げ総額は16冊で17600円。
このうちの一冊が例の1万1千円。
実行委員のO書林が、忘れ物を取りに来たときに、「1万1千円の本は何だったの?」と聞かれ、「地図」の話をしたら、顔つきが変わって、「エーっ」。
「なに?」とヤマサキ。
「聞かないほうがいいですよ」とO書林。
「教えてよ、いいからさぁ」とヤマサキ。
「その本は市場に出せば150万円くらいしますよ」とO書林。
「ひえーっ」

聞くと1965年8月6日発行の限定800部の中の一冊で、いま外国人のコレクターがオリエンタリズムのものを集めていて、伝説と化した写真集という。

ヤマサキは冷静な顔をしていたが、だんだん心臓がドキドキしてきたみたいだ。
きっと一夫さんはお気楽な妻を呆れていることだろう。

ちなみにサトコの「ドロナワ商店」は21冊で9000円。
誰も買わないと思って出した愛読書「変形菌の世界」(国立博物館編)が売れてしまってショックだとか。
「また買いに行こう」だって。
「でもね、こういうの買ってくれる人がいるってうれしい。変形菌友達になりたい。お便りください」ということです。

本当に二人ともトホホな性格だね。
ヤマサキも先の男性と会いたいそうです。



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