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一年生日記  2008年3月

とうとう本格的に春になったようです。
土曜日は安田邸で鶯の発声練習を聞きながら、敷居にいぼたを塗っておりました。
いぼたというのは、イボタカイガラムシの分泌する蝋を固めた物で、粉のものはSPレコードのすべりをよくするのにも使われていたそうです。四角い塊で、東京では巣鴨に一軒、売っているとか。
その塊を障子や雨戸の敷居に薄く塗ると、スーッとスムーズに戸が動くようになる。
建具への負担も少なくなるわけです。

さて、話しは変わって、先週の安田邸の後、娘が長めのスクールソックスを買いたいというので、一緒に田端銀座まで行き、その後、久しぶりにビデオ屋さんに行きました。
ビデオ屋と言ってもDVDばかりです。
あゆみのお目当ての映画は借りられており、残念。
友達が面白いといっていたからと一つ。
私もYがいいと言っていた「きょうのできごと」というのを選び、カウンターへ行くと、前のカードが期限切れで、新しくすることになった。
会の規約を説明する係りの人が、ものすごい早口で、ほとんど言っていることが理解できないうちに次から次へとまくし立てる。
「もう少しゆっくり話してもらえませんか?」
というと、一息ついて、また早口で話し始める。
あゆみと顔を見合い、おかしささえこみ上げてきた。
まあ、規約は前と変わりはなさそうだから。ハイハイといって借りてきた。
そして一週間後の昨日、「そうだ、返さなければ」と思ったのが、午後の2時。
朝から風邪で熱っぽく、ウダウダしている間に午後2時になってしまった。
「日付変更線はお昼の12時です」とあのまくし立てる兄さんが言っていたのを思い出した。
「返却日にご返却されませんと、延滞金が発生いたしますのでご注意下さい」とか言ってたかも。
返しに行くと、一本に付き320円の延滞金。
ほとんど何時間かのために2倍の料金を払ったことになる。
ガックリ。
もっと早く返せばよかった。映画はその日のうちに観たのだから。

「きょうのできごと」はもう等身大では観ることは出来ない映画だった。
柏原君の着ているドテラがよかったとYが言っていたのを思い出した。
たしかに。

暖かくなったのに冬物のジャンバーについ手を通してしまいます。
でもやっぱり夕方は寒い。

母が先日引越ししたとき、「使わない?」と鰹節削り器をくれました。
かんなと引き出しのついた白木の箱。
子供の頃、鰹節削るのは私の係りだったなあ。
このごろはずっとパックのおかかで我慢してきた。
まず鰹節を購入。
周りについている黴をよく絞った濡れ布巾で拭いて使う、と書いてある。
あゆみは「えーっ、黴がついているの?」とかなりビクビクしている。
黴、虫など一番苦手な人。
大丈夫、麹かびの一種らしい。

チョッチョッと削り始める。
まだ粉状のものしか出来ない。
「貸して貸して」とあゆみ。
「まだまだ」
シュッシュッ。音が変わってきた。
引き出しを開けてみる。
ちょっとだけ繋がったおかかの姿。でもまだ粗い。
早くやらせてよとばかりに手を出しているあゆみ。
「もう少し待って」
かんなの歯をちょっと調節してみる。
シューッシューッ。
完全ではないが、それらしきおかか。
手でつまんで口にパクッ。
柔らかいパックのおかかとだいぶ違うよなあ。
もちろん風味はこっちが勝ちだけど。

鰹節の削った面はピカピカに光っている。
なんかいい感じになってきた。
あゆみもシューシューッ。
「そんなにむきになってかかないで。味が落ちるから使うときに削ろう。ハイ、ごはんごはん」
あしたばのおひたしにおかかをたっぷりかけて、ポン酢で食べる。
うまい。

『オリヲン座からの招待状』で、宇崎竜童さんが削っていたなあ。
背中を丸めて、煙草くわえて。
それをりえさんが味噌汁の出汁にする。
昔はみんなこうだったのに、いつから鰹節パックが出回ったんだろう。
友達の結婚式で引出物がカツ節パックだったことがある。
引出物自体はちりめんの風呂敷だったが、カツ節パック三箱(缶入り)にカステラが三箱、かまぼこセット、尾頭付きの鯛のお重。
あれは重かった。
そう、友人はカツ節屋に勤める人と結婚したのだった。
鰹節だけで三十年近く昔を思い出してしまった。

人を促しておいて、私もやっぱり削りたい。
こういう作業は癖になる。
食後にまた削ったら「お母さん、風味が落ちるんじゃなかったの?」とあゆみ。
「うーん、明朝のほうれん草のおひたし分だよ」
苦しい言い逃れ。

これから毎日、鰹節を食べよう。

3月3日、昨日の朝、鶯の初音を聞きました。着実に春はやってきている。
晩白柚の皮は4日がかりで煮詰めました。後はどうしよう。

2月26日はあゆみの13回目の誕生日。
ちょうど試験中でしたので、木曜日まで待って誕生会をすることにした。
でも、やっぱり本当の誕生日に祝ってもらいたいのでは?と長男が夜になってプレゼントを持ってきた。
中はエチケット用のサラサラパウダーにそっくりなi-Pod用のスピーカー。
もらったあゆみは、「ふーん」といった感じ。
喜びも少々で、あげたお兄ちゃんもちょっと期待はずれ。
次男は先に銀製の手持ちのペンダントをあげていた模様。
本当は子供用自転車がそろそろ小さくなって、ほしそうなので、みんなで協力して買ってあげようかと思っていたのですが、どうもそれはできなくなった。
長女は一緒に買い物に行って、パンプスを買ってあげたようだ。

結局、木曜日にはY家のマキちゃんと、サトちゃんも来てくれて、みんなでフォンデュー。
一回戦はチーズフォンデュー。
パン、ブロッコリー、ソーセージ、ポテト、アスパラ。
フォンデュー鍋はマキちゃんが家からご持参。(個人の所有物で、香典返しにもらったとか)

二回戦はチョコレートフォンデュー。
イチゴ、バナナ、キウイ、マシュマロにチョコをつけて食べた。
(チョコはあたたかいので、そのうちみんなやっぱりイチゴはそのまま食べたほうがおいしいや、ということになった)
エクレアにチョコをつけて、おめでとう!(不協和音のピアノ伴奏でハッピバースデーと歌う)

サトちゃんから「スノードーム」手作りキット。(谷中にスノードーム屋さん出現)
マキちゃんから白いバッグ。
そのバッグをもらったときのあゆみのうれしそうなこと。
「お姉ちゃんとバッグにするか、パンプスにするか悩んだんだけど、よかったー」
目がへの字になっちゃって。
その顔を見て兄「いまのあゆみの顔がうれしさ度数10だとすると、俺のときは4くらいかな」と。
そりゃあ、マキちゃんがあゆみに一番近い年だもの。気持ちはよくわかっているさ。

まあ、何にしてもあゆみは幸せ者だ。
学校の友達も力をあわせてケーキを作ってくれるは、福袋の中から「好きな洋服もってって」といってくれる友達はいるわ、みんな心のこもったお祝いです。言うことないです。

あゆみの誕生日は私へのご苦労様の日でもあるわけで、私は一人でシャンペンを開けました。


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