No.276
2008年3月13日(木)
暖かくなったのに冬物のジャンバーについ手を通してしまいます。
でもやっぱり夕方は寒い。
母が先日引越ししたとき、「使わない?」と鰹節削り器をくれました。
かんなと引き出しのついた白木の箱。
子供の頃、鰹節削るのは私の係りだったなあ。
このごろはずっとパックのおかかで我慢してきた。
まず鰹節を購入。
周りについている黴をよく絞った濡れ布巾で拭いて使う、と書いてある。
あゆみは「えーっ、黴がついているの?」とかなりビクビクしている。
黴、虫など一番苦手な人。
大丈夫、麹かびの一種らしい。
チョッチョッと削り始める。
まだ粉状のものしか出来ない。
「貸して貸して」とあゆみ。
「まだまだ」
シュッシュッ。音が変わってきた。
引き出しを開けてみる。
ちょっとだけ繋がったおかかの姿。でもまだ粗い。
早くやらせてよとばかりに手を出しているあゆみ。
「もう少し待って」
かんなの歯をちょっと調節してみる。
シューッシューッ。
完全ではないが、それらしきおかか。
手でつまんで口にパクッ。
柔らかいパックのおかかとだいぶ違うよなあ。
もちろん風味はこっちが勝ちだけど。
鰹節の削った面はピカピカに光っている。
なんかいい感じになってきた。
あゆみもシューシューッ。
「そんなにむきになってかかないで。味が落ちるから使うときに削ろう。ハイ、ごはんごはん」
あしたばのおひたしにおかかをたっぷりかけて、ポン酢で食べる。
うまい。
『オリヲン座からの招待状』で、宇崎竜童さんが削っていたなあ。
背中を丸めて、煙草くわえて。
それをりえさんが味噌汁の出汁にする。
昔はみんなこうだったのに、いつから鰹節パックが出回ったんだろう。
友達の結婚式で引出物がカツ節パックだったことがある。
引出物自体はちりめんの風呂敷だったが、カツ節パック三箱(缶入り)にカステラが三箱、かまぼこセット、尾頭付きの鯛のお重。
あれは重かった。
そう、友人はカツ節屋に勤める人と結婚したのだった。
鰹節だけで三十年近く昔を思い出してしまった。
人を促しておいて、私もやっぱり削りたい。
こういう作業は癖になる。
食後にまた削ったら「お母さん、風味が落ちるんじゃなかったの?」とあゆみ。
「うーん、明朝のほうれん草のおひたし分だよ」
苦しい言い逃れ。
これから毎日、鰹節を食べよう。
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