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一年生日記  2006年8月

夏休みもあと一週間。
やる気はあってもなかなか進まない宿題にあわてている娘達。

夜遅くまで、どうしようどうしよう、と悩むゆず子。
カラーリサーチの宿題で、紙上の構成を悩んでいる。
なかなか眠らない人たちだ。

そう入ってもこっちは朝早い。
一緒にいつまでも起きていられないので、夜中の1時には切り上げる。
しかしなかなか寝付けない。
そこで、少しだけ除湿してとタイマーをかけ、寝るのだが、どうも除湿でも体が冷えすぎる。
それなら自分で扇ごうと、団扇をバタバタする。
そして午前3時ごろ、暑さでむくっと起き上がる。
眠れないー!!!!
そう思い始めるとどうしても眠れなくなっている。
枕を足の方に置き、逆に寝てみるが、ダメ。
何度夜中に布団の上に正座していることか。

ある日思いついたのは、保冷材。
あちこちで買い物をしたときにつけてくれる小さな保冷材から、小樽の三角市場でカニを送ったときに入れてもらった大きな保冷材まで、私の保冷材コレクションは豊富。
こんなもの冷凍庫に入れて置いたら他のものが入らない、と先日出したところだった。
「いつか使うだろうととってある物の90パーセントは使うことはないんだそうですよ」と友人が話していた。
そうかもしれない。全ての物についていえることかも。

でも、保冷材は違った。
最初の日はカチカチの凍ったのを使ったので、頭に馴染まず苦労したが、翌日はチルドルームで柔らかく冷やしたもの中を二つ、枕の上に並べ、その上に2重に畳んだタオルを置き、寝た。
いい感じだ。
このヒヤッとした感じがたまらない。
子供たちにも、保冷材活用を言い渡した。

母に話すと、「私は外を歩く時、帽子の中に小さな保冷材を一つ入れてかぶるの」という。
ウスバカゲロウの羽のようなちょっと透けた母の帽子を想像すると、なんだかおかしかった。 
まあ、賢い使い方だろう。

私は小さな方をおでこに載せてみようかな。
まだまだ暑くて寝苦しい毎日、戦いの日々だが、少し出口が見えてきたような気がします。
 

水曜日、高崎へ行った。
谷根千で上州特集をしたが、このごろ上州づいている。
今日は土屋文明記念文学館へ。
夏の間、企画展で岸田衿子「野の花の道」北軽井沢より〜をやっているので、見に来てくださいな、と岸田さんから連絡をいただいた。
「ジオジオのかんむり」や「かばくん」「きょうのおべんとなんだろな」など岸田さんの絵本で育った長女と二女に声をかけると、二人とも行くという。

朝、8時に出発。赤羽から高崎線。
駅前のバスターミナルで10時35分のバスに乗ったつもりだった。
どうも途中から違う道を進んでいると路線図の真ん前に座っていたゆず子が言い出した。
下車。
運転手さんに正しいバス停を教えてもらう。
「10分遅れで発車していますから、急いでいかないと乗れませんね」という。
このバスは平日午前一本、午後一本。
無理だ。どう考えても無理だ。私の足では。
少し歩いてみたのだが、10分たってもバス停には着かない。

東京は雨だったのに、高崎の太陽は猛烈な暑さ。
日影がない。
ゆず子はあゆみの水色の傘をパラソル替わりに涼しげに歩いている。
「そんなはずかしい恰好やめてよ」と言いながら、あゆみは離れてぴょこぴょこと身軽に歩く。
私はビニール傘を杖にして汗を拭き拭き歩く。
やっと工務店で人を発見。道を聞く。
「すぐそこの信号を右に曲がってまっすぐ行くと高校があるから、その前を通って、『貴族の森』って言う店の裏側に回るような感じでまっすぐ行くとじきに見えてくるから」とおじさんが教えてくれる。
そのすぐそこの信号までが長かった。
あゆみが先に走って行き、はるか向こうで手でバツを作って合図している。
自転車で走る少年に確認すると、もう少し行くとあります。という答え。
信じて歩くより他にない。
「貴族の森」はあやしい店ではなくスパゲッティの店だった。
高崎の店の名は不思議なものが多い。美容院なのに「はぐれ雲」なんていうのもあったし。

そのあと、田圃の真ん中をまーっすぐ。
何キロ歩いただろうか。
古墳の資料館で少し涼をとる。古墳の上で俳句を一句。(これはあゆみの夏休みの宿題なので秘密)
そのすぐ隣が文学館だった。

文学館にやっと着いた。
「バイキング、バイキング」と娘達。
この文学館内のイタリアンレストラン「野花」がおいしいと聞いてきた。水曜と金曜がバイキングの日。
デザートとランチの食べ放題で1575円。
娘達は展示以上にこれに期待をかけていたようなのだ。
ほとんどのバイキングは和洋中ごちゃまぜで、しかも冷めていて、ナンダ、こんなもんだったか、と思わせるのだが、ここのはイタリア料理で、一皿ずつ「イカスミのリゾットできましたー」「フルーツピザ上りましたー」と出てくる。
白い湯気の上った皿に人が吸い寄せられていく。
デザートも特別にシャレたケーキはないけれど、店の人が一生懸命作っている感じがして好感を持った。

さて準備が整った。2時半だ。

文学館の展示担当の田口さんに案内をしていただく。
草軽鉄道の北軽井沢駅を模した入口。法政大学村があるので、Hの飾りがデザインされた駅舎だ。
北軽井沢の開発と大学村、岸田さんご家族の写真や大学村での交流。
後半は「野の花の道」や「きいちごだより」の原画。古矢一穂さんの絵は草花や動物を見る目が優しい。
花屋で買った大仰な花ではなく、野の花とともに生きているのが羨ましい。

岸田さんから高崎の帰りに大学村に遊びに来てね、と誘ってくださったのだが、同じ群馬だって北軽井沢は私たちにとっては遠すぎる。しかも青春18切符の日帰り旅行なのだ。
文学館の田口さんが「車で山を越えれば1時間半ほどで着きますよ、岸田さんにお渡ししたいものもあるし、今から行ってみませんか」とうれしい申し出をしていただいた。

気がつくと車に乗っていた。
5時ちょっとすぎに大学村に到着。
あれよあれよという間に、来てしまった。
落ち着いた感じの山小屋。
ゆず子はこんなところにしばらく住んでみたいな。とか、ケーキ屋さんやったら素敵だね。と、かなり気に入った様子。
黒く燻された暖炉、すわり心地のいいソファ。
トイレのドアの上、電気のそばに蛾が2ひき。
あゆみが発見。あれは絵だよね。古矢さんのいたずらとか。

屋根の上で少しミツバチを飼っているので時々熊が現われる模様。
岸田さんがいない時、地面に置いた養蜂箱を熊が食べにきた。後で見たら熊が座った場所の草が、熊のお尻の形にへこんでいたという話。絵本の中の一ページみたい。
熊と記念写真を撮る話も、捕まった熊ではなくて、熊と肩を組んで記念写真とっているように聞えてくるから不思議だ。

8時過ぎにおいとまし、また霧の山道を引き返し、高崎を出たのは10時14分ごろ。
田端到着は12時をほんの1分ほど出ていたか。
これは日帰り旅行とは言わないのかな?

群馬県立土屋文明記念文学館 高崎市保渡田町2000 
 企画展は9月3日までやっています。是非お出かけください。バスの行き先は確認してからね。
お邪魔しました。


梅雨はいつあけるのか、そんな事を考えながら信濃境に4日間。
汗というものをかかない、新聞もテレビもないからいらないことを考える必要がない。
食べることと寝ることと、お風呂に入ることと、遊ぶことを考えていればいいので幸せだった。

出かける前、暑い日々を、信濃境に行くことだけを心の支えにしてきたのに、これから何を支えにすればいいんだろう。
目の前のにんじんを何か見つけなければ。

東京に帰ってみるとたまった郵便、迷惑メールのいっぱい混ざったメールがどっさり。
お客さんに、電話の応対に・・・。家に帰れたのが8時半。
あゆみが「おなかすいたー」と待っていた。
「お姉ちゃんは?」
「友達と一緒に旅行に行った」
いつもは、我家で夕飯の心配を唯一してくれる人なのだが、台所も真っ暗。
「お兄ちゃんは?」
「いるよ」

何で二人で協力して何か食べないんだろう。
「朝はなに食べたの?」
「食べてなーい」
「昼は?」
「お菓子」
「えーっ!!」

夕飯作るから手伝って。
というわけで、あゆみと瑞樹にしょうがをすらせたり、卵を割らせたりして20分ほどでできた。
豚のしょうが焼きだの、ゴーヤチャンプルーだのごはんを二人ともおかわりしてワシワシ食べている。

学校で調理実習は楽しそうなのに、何故家でやらないのかなー。

今朝も「チャーハン食べたい?」と聞くと、「食べるー」という返事。
じゃあ作ろう。
ハムにセロリの葉、じゃこに卵、いためて、ご飯いためて、塩コショウして、最後にお醤油をジュッ。
味はともかく、自分で作ったものだから、へらの裏についたのまで食べている。

私が今までやりすぎたのがいけなかったのか。
子供に手伝わせると、かえって面倒と思っていたかもしれない。
夏休みは少しつきあってみようかと反省した。

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