7・8

2018年7月24日

中野にある「平和の門」を守る地元の運動にお呼ばれし、「十字舎房の文学者たち」と題して話をする。豊多摩監獄というから私も多摩の方にあるのかとおもってた。中野にあったのね。設計の後藤慶二についてはすでに、内田青藏さんたちがしっかりと調べ話している。37歳で夭折した後藤慶二の設計、監獄の門というのにマンサードやね、レンガ蔵、。この門以外、のこされていない。

しかしここには戦前自由と平和を希求してとらわれていた人が多くいた。

中野重治、壺井繁治、埴谷雄高、三木清、大杉栄、堺利彦、河上肇、大塚金之助、荒畑寒村、亀井勝一郎、村山知義、土方与志、・・まあよくもこんなに入れたわね。もっと知られていない人も含めればどんだけ入れたのか。治安維持法は大正14年に普通選挙法と抱き合わせで成立、しかしのちに死刑や無期懲役まで刑が重くなる、最初に反対しないとあとがひどい。起床、作業、食事、排泄、風呂、運動、面会、寝具、差し入れ、余暇、わからないことばかり。講演を頼まれて泥縄勉強ですが、大変興味を持ちました。その門は監獄とは思えないほど美しくメルヘンチック。ぜひ平和の森小学校の中に戦争遺産、いや平和と自由の遺産として残して、子供達と遊び考える場を作ってほしい。

7・10 

2018年7月24日

私の誕生日。この日は夜に千駄木のKLASSで「谷中のイロハ」と称する話をすることになっている。地元なので大変緊張した。これで最初で最後にしたいつもりもある。「萩荘」などを展開する宮崎晃吉さんたちに、これからできるだけ「地域の文化と暮らし」を踏まえた事業展開をしてほしいということも。そうしないと本当のアルベルゴ・ディフーゾ、上野戦争にも、「まちやど」にもならない。というわけで、今回は江戸時代、この街がどのように成立したのか、江戸時代に起きた谷中感応寺の不受不施派問題、延命院事件、富くじ興行、からどうにか、戊辰戦争、上の戦争について話をしました。

かなり詰め込みすぎでしたが、芸大の益田先生なども聴講に来られ、これからの谷中のあるべき姿についてもディスカッションできました。なんと、講義後に私の誕生日のケーキが出てきたのには驚き。去年はイタリアのエコベルモンテでケーキ、一昨年の誕生日は京都の山奥美山の茅葺き民家で出前寿司をご馳走とライブ演奏付きでした。毎年たのしみだなあ。次回24日は7時より、残席あります。

7・15

2018年7月24日

谷中の家、でブルターニュで主に修復の仕事をしておられる千田さんという建築家のお話を聞きました。パリでできことは少ないので、とブルターニュで、学校を高齢者住宅にリノベしたり、川沿いの船会社のオーナーの家を青アートにリノベしたり、ご自分は15世紀の水車小屋を回収して住んでいるのだそうです。フランスでは供給過剰と景観保護のため、新築が禁止されている地区もある。お城は思ったより安く手に入るが修復には一億とかかかる。しかも中の飾りだけ剥ぎ取って売るために城を買うブローカーなどもいる。古い工場などに不法に入り込み、地域を乱す生き方をするパンクの連中などがいる。などなかなか聞けない実情でした。

7・17

2018年7月24日

ちょうど一ヶ月前、JR東日本に送った意見について回答が来ました。とはいえ、意見何書いたか正確には忘れてしまった。自分でも保存しなくてはダメだね。

————————-

いつもJR東日本ならびにJR東日本ホームページをご利用いただきましてありがとうございます。

このたびのご意見につきまして、以下のとおり回答させていただきます。

6月17日(日)13時56分頃から東北新幹線仙台駅~古川駅間にて、停電に伴う車両点検を行った影響により、翌日にわたり東北・上越・北陸・山形・秋田の各新幹線に運休及び大幅な遅延が生じ、ご利用のお客さま、また関係の皆様に多大なご迷惑をお掛けいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。→ここまではわかっていることでいらない。

お客さまがお持ちいただいておりました、指定席券の使用につきまして、当日はダイヤが乱れておりましたが、はやぶさ22号の指定席をお持ちのお客さまが優先となるご案内をさせていただいておりましたが、全てのお客さまを把握が困難であり、お席の確保よりも早く目的地に到着するか、お持ちの指定席をご利用いただきお席を確保されるかをお客さまに選択していただくため、運行状況を確認しながら、お問合せをいただいたお客さまに個別に対応をさせていただいておりました。→お問い合わせをするにもホームに駅員はいないし、改札口は長い列。指定席を持って座っているのかも車内改札はありませんでした。

しかしながら、今回のご案内方法については改善すべき点が多く、現在関係箇所で適切な対応方法を検討しておりますので、ご容赦賜りますようお願い申し上げます。

→頑張って欲しいけど、ご容赦はしかねます

次に、輸送混乱時などにおける放送につきましては、停車した原因、運転再開見込みなどをお客さまにわかりやすく迅速にお知らせするように努めているところでございますが、お客さまからのご指摘を真摯に受け止めまして、輸送混乱時における情報提供のあり方について諸設備などを含めて検討を進めるほか、各係員には得た正確な情報を迅速にお知らせするように再度指導してまいります。→こんなこと毎回言ったって検討の成果は現れていない。

お客さまからいただいたご指摘のとおり、ご高齢のお客さまやお子さま連れのお客さまへの配慮がなかったことは、全社で課題として共有させていただきます。→よろしくね。

このたびは、貴重なご意見ありがとうございました。

今後も、みなさまに愛され、親しまれるJR東日本をめざしてまいりますので、引き続きご愛顧賜りますようよろしくお願い申し上げます。

→長い割に内容のない返事だね。

東日本旅客鉄道株式会社

7・18

2018年7月24日

愛媛県の大洲、NHK「おはなはん」で知られる城下町が大変な災害です。近くにいる内子の岡田文淑さんからメールが来ましたので共有します。

「あつい、何しろ暑い。・・・こんな中での水の災害、むしろ水管理の災害とも言えるでしょう。

野村地区はダム管理上の不手際か。大洲市は都市開発の過ちとも言えるでしょう。

500年前に大洲城を造ったとき、城下に広大な堀を造り、そのときの土砂で肱南地区の武家屋敷界隈を造成した思われる(岡田の推論)が、結果は今回の水害に遭うことなく救われた。ところが港北地区は、かつての氾濫原、そこに水田を埋め立てて宅地化し、商業地として市外の資本を誘致し、モール化し、結果は今回の水害に対して壊滅的にダメージを受けてしまった感じです。

海抜10メートルの大洲市に対して、内子は50メートルを超えているため安心しておれますが、南海トラフのことを思うと、心配です」

————————-

何でも歴史に学ばない都市計画は破綻しますね。

7・19

2018年7月24日

今?夏風邪。私はクーラーが嫌い、だけど飛行機、地下鉄、レストラン、どこでもクーラーでガンガン冷やす。免疫力もなかったんだろうな。喉の痛みから鼻水、咳、熱、すべての症状で揃いました。これもうつるといけないので、99パーセント飛沫のカットするマスクをかけ、できるだけ家にいます。大好きなお医者さんは「さっぱりしたものを食べ、果物と野菜を取り、よく寝ることですね」と睡眠薬をくれました。あらら、いろんなことが気になって大体5時間睡眠なのに、今日は8時間以上寝られました。

あとは頭の上のひよめきに保冷剤を手ぬぐいで縛り、通風のいい麻の服を着て、お酒はやめて、夜は軽く。揚げの薄味煮、冷奴、冷やし中華、お中元にもらったゼリー、冷やし味噌汁などが美味しいです。もう今年出すべき本は皆出たし、あとは遊んで暮らします。

「五足の靴をゆく」(平凡社・1600円)は明治40年に北原白秋や木下杢太郎ら20そこそこの青年たちが天草や島原、長崎を旅した記録で、彼らはキリシタン、バテレンなどという言葉に惹かれ、南蛮文学を起こしていくきっかけになったのでした。潜伏キリシタン遺跡が世界遺産になったこの夏、消夏のための読書にオススメします。

「お隣のイスラーム」(紀伊国屋書店・1700円)は東京近郊に住むムスリムの人々に谷根千流インタビューを試みたもので、まあ、イスラムといってもサウジの王様から、放浪のクルドの民、中国支配下のウィグル人まで、様々な人がいるものです。これはなぜか書評がたくさん出ています。

「イタリアの小さな村へーーアルベルゴ・ディフーゾのおもてなし」(新潮社トンボの本・1600円)

中橋恵さんとイタリアの「街全体が良くなる宿」を取材してきました。「観光化しても一部の店にしかお金が落ちないし、うるさくなるだけじゃないか」という批判を長らく谷根千で聞かされていましたので、どうしたら地域を乱さない観光、住民と観光客が共存できる仕掛けはないのか、それを探したつもりです。

「東京老舗ご飯20大正編」(ポプラ文庫・620円)これは大変でした。大正は15年しかなくて、大正創業の店を探し新たに20軒も取材し直し、とても時間がかかりました。私の軽い財布で行けるところを中心にしたつもりです。

今酒屋も米屋も本屋も和菓子屋も魚屋も肉屋もおもちゃ屋もボタンやも街から消えていきます。セブンイレブンが店頭で生ビールを売るなんてなんという規制緩和でしょう。そのために町の酒屋は消えてしまいました。出版という産業も今その運命に向かいつつあるのかもしれません。活版本から作ってきた私は、その後の写植、ワープロを経てパソコン時代まで40年以上見てその変化に立ち往生しています。

図書館でもいいですし、買って回し読みだともっとありがたいです。ぜひ、何年もかけた労作をお読みくださいませ。

おかげさまで去年出した

「暗い時代の人々」(亜紀書房・1700円)斎藤隆夫、山本宣治から京都のリベルタンたちの「土曜日」まで、暗い時代を挫けることなく生き抜いた人々のポルトレ。紀伊国屋人文大賞18位

「子規の音」(新潮社・2100円)根岸で貧しい人の側に身を寄せていきた正岡子規の評伝。根岸・谷根千という地域から、身体の自由を奪われた病者子規が研ぎ澄まされた五感で捉えた、ことに音に注目した伝記です。

両方とも4刷りになりました。珍しいことです。こちらも合わせてお読みくだされば嬉しいです。

7・21

2018年7月24日

記憶の蔵で「脳梁映画会」を5時から開催。涼しげなものを家族のようにみんなでみようという会でした。

1、「ふるさと津島」福島県浪江町の津島地区。東京電力福島第一原発事故以前はどんな生活をしていたのか。地元の方の長年とったフィルムを再編集し、二度と取り戻せないかけがえのない集落の暮らしが蘇る。これは福島原発訴訟の証拠に提出された映像で、制作には我が娘夫妻が協力しました。

2、NHK英詩紀行 アイルランドスコットランド編。

地質学者の伊藤谷生さんが、中古で買ってみろという。なかなかこんな長いものを見ないよ、ということで今日みんなで見ることに。美しい映像で、勉強になるのですが、やっぱりNHKという域を出ないものでした。

3、昔々、幼稚園時代に見た、「カエルになったお姫様」ロシアのアニメーションですが、とっても美しい映画です。この曲が子供の時以来頭にこびりついている。

シンデレラと眠りの森の美女と桃太郎とかぐや姫が混ざったような筋立てでした。他にもう一本。幼稚園の友達のゆみちゃんと、プール仲間の操さんがたくさん美味しいおかずを持ってきてくれて楽しい会になりました。

7・22

2018年7月24日

民主党枝野幸男代表の野党五党を代表しての「安倍晋三内閣不信任決議演説」を聞く。枝野さんの自衛隊や金融緩和についての政策には異見もあるが、彼は世襲政治家ではない。安倍や河野のよう贅沢になれていない。本当に世の中を良くしようと、政治家になりたくてなった。その中でほとんどペーパーを見ることもなく2時間45分語りきる言葉の強さには感銘を受ける。

特に気に入ったところ、下に引用します。これでも書き起こしの10分の一くらいなので、読みやすいと思います。お急ぎの方はどうぞ。じっくり読みたい方はこちらを。

https://note.mu/jun21101016/n/n2782bfee0c00

※青文字 引用箇所

1 保守の本質

そして、保守の本質は何か?

それは、人間とは不完全な存在であるという謙虚な人間観です。人間は、すべての人間が不完全なものであるから、どんな政治家がどんな良い政治をやろうとしても完璧な政治が行われることはありえない。常に政治は、社会は、未完成・不完全なものである。それが人間は不完全なものであるという謙虚な姿勢にもとづく保守の一丁目一番地です。

保守反動という日本語がありますが、そもそも反動では保守はありません。今も不完全な社会です。しかし、過去においても理想的な時代はありえなかった。未来においても理想は実現できない。でも、今あるものをちょっとずつでも良くしていく。これが保守ですから、保守と反動は相対立する概念であります。

一方で穏健保守という概念もありえません。なぜならば、保守とはもともと穏健なものであります。反対意見を封殺し、自分が正しい道を信じて邁進する。まさに保守思想が否定をしたフランス革命の急進的な思想であります。

従って、保守とはそもそも穏健なものであり、穏健でない保守が保守を名乗るのは自己矛盾であります。

もちろん、人権意識。そのことによる男女平等を始めとして、あるいは先ほど申し上げました労働法制もそうかもしれません。様々なものが欧米から流入したことによって進化をしたものもたくさんあります。それを元に戻せと言うのではありません。しかし、それまで積み重ねてきた我が国の社会のあり方の良い部分をこうした人権問題に対する意識が大きく前進をした中で、それを取り入れて、それを活かして、いま我々先進国が共通して直面している壁にどう立ち向かっていくのか。わたくしは本来の保守のとるべき道はそういう道であるというふうに思っています。

森コメント)私も今の自民党が保守とは思ってません。歴史も文化も保ち、守っていません。日本の良いものを全て壊そうとする規制緩和、乱開発にいつも賛成するのは自民・公明の与党でした。フランス革命の時のジャコバン派の際限なきテロル、断頭台送りを見るに見かね、保守という概念は出て来たのでしょう。

私自身、初期は アカとか、過激派とか、色々言われたものですが、古民家を、記録を、コミュニティを、池を、森を守って来たので、保守と言っていいでしょう。しかし、地域の中で私たちと一緒に頑張ってくれたのは、共産党や社会党、無所属のリベラルな人々でした。

戊辰戦争において、幕閣は新しい時代に対応できない低脳だ、幕軍に加わったのはバカだ、という薩長史観には組みしません。しかし、日本が近代になったのは悪いことではなく、その流れの中で男女平等や婦人参政権も出て来たのです。人権意識を大事にしながら、近代の弊害を是正するというのが、現代の我々のすべきことでしょう。

2 カジノ問題

我が国には、世界の国々の多くの皆さんから見れば、そうした皆さんとは違った歴史、風土、文化、あるいは生活様式、そして自然。我が国には様々な観光資源として魅力あるものがあります。まだまだそうしたものが世界の皆さんに十分に伝えられていない部分も山ほどあります。あるいは受入の体制が十分ではないために魅力ある観光資源を持ちながら外国人観光客がなかなか来て頂けていないところも少なからずあります。まさにやるべきは、そうした観光資源を魅力的なものとして世界に売り出し、そして、日本の本来の良さを見て頂くために日本に来て頂く。それこそ日本の伝統と歴史を大事にする立場の人たちの意見ではないかと私は思うんですけども。

森コメント)枝野さんが、持統天皇のすごろく禁止令を持ち出しすとは思いませんでしたが、カジノは我が国の歴史的伝統にはない。大規模災害時に不要不急のカジノ法案を与党がゴリ押しして通したことに対する意見です。インバウンドと言って外国人集客に躍起になっているが、その目玉はカジノなの?日本にはもっと素晴らしい観光資源、文化資源はたくさんあるんだよ、と。例えば、私の住む谷根千にはたくさんの外国人が来ています。彼らにとって何が魅力なの?と聞くと「Neighborhood」

と答えます。近所があること、みんなの関係があること、小さなお店、パン屋、酒屋、焼き鳥屋、豆腐屋、お米屋、イベント、お祭り、・・・それが魅力なんです。身ぐるみ剥がれるカジノ、いらないです。

3 アベノミクスの限界、内需は拡大しない、格差の拡大、若者は不安定、労働者は低賃金のまま

本当にやらなければならないのは、実はバブルの前と後で大きく変わったのは、個人消費が大きく落ち込み、落ち込んだままであるということであります。個人消費が増えない限り、日本の経済の安定的な成長が実現できないのは自明の理であるとわたくしは考えます。

*人手不足なのに低賃金というのは、マーケットがどこかで歪んでいるからです。その歪みを正すのは政治の役割です。低賃金であるならば賃金が上がる。そのことによって「賃金が高いから重労働かもしれないけど、頑張ってやろう」とそういう方が増えて、市場が機能して、人員が確保させることに残念ながら例えば、今回の長時間労働を是正する働かせ方改悪法案の数少ない改善部分である長時間労働の規制も低賃金、重労働、長時間労働であるトラックドライバーなどの皆さんについては先送りをされてしまいました。
繋がるんですよ。

森コメント)これもその通りだと思います。日本の最低賃金は848円で、スイスの三分の一、イギリスやワシントン、シアトル、ルクセンブルグのほぼ半分です、ドイツは1479円です。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=861077380759832&set=a.105408879660023.1073741829.100005727332110&type=3

森コメント)私の息子は今、フランスで大工をしていますが、月給は安いけど、金曜の午前中で仕事は終わり、金・土・日は好きなことができます。すでに六月に2週間バカンスをとって、サルディニアに行ってきました。十月にはまた休みを取って、私のためにイタリアに行こうと行っています。もう帰ってこないでしょう。「人生は楽しむためにある」のですから。

*高齢者問題

それは元気なうちは良いけども、病気やあるいは介護が必要な状況になった時に「せめてわずかな預貯金でも残しておかないと心配だ」という意識に多くの高齢者の皆さんが陥ってしまっているからであります。その結果、1500兆を超えるとも言われている金融資産。そのうちの多くを占めている高齢者の皆さんの貯蓄が消費に回っていません

一石二鳥です。それができないのは介護のサービスが不足をしていること、年金や医療を含めて老後の不安が大きいから。老後の安心を高めることこそが経済政策です。景気対策です。

森コメント)高度成長を乗り切っていいご身分だねえ、と言われる我が母たちの世代も貯金は持っているが、使いません。いざとなって入院したらどのくらいお金がかかるか、老人ホームにどれだけお金がかかるか知っているからです。

*若い世代の暮らしにくさ

産む、産まないの選択を迫るのではなくて、産みたいと希望しながら、それをできていない人たちをどうやったら希望を叶えて頂けるのか。そのことこそが、政治のやっていくべき役割だと思います。

なぜ、なぜ産み育てたいと希望している人たちが産むことを実現できないのか。まさに、子育てと教育と雇用のこの3つの大きな問題があるからに他なりません。1つは保育所の不足に代表される子育て支援の不足である。そして、教育の問題。教育、かつてわたくしの時代も「奨学金をもらって頑張っているんだね。あの人は」という同級生もいましたが、非常に数が限られていました。しかし、今や奨学金をもらわないと進学できないという人たちの比率は圧倒的に高まっています。わたくしは国立大学の出身ですが、「某私立大学に行きたい」と言ったら、「学費は最低限出せるけども、なかなか色んなこと含めて全体の大学に関わる金は出せないね」と言われて国立大学を選択しました。その当時と比べると国立大学の学費はべらぼうに上がってしまっていて、「国立なら行かせられるけども」とそうした状況ではなくなってしまっています。

森コメント)この通りです。今の若い人は、奨学金の返済に苦しみ、生食にはなかなか着けず、どうして家庭を持って、子供を産む条件があるでしょうか。国立大は私の頃1973年、1万2千円、私立が12万円でした。
今は国立が数十万、私立だと100万以上します。卵やバナナと比べたって、授業料ほど上がったものはありません。

*介護職員や保育士の賃金の底上げという政策は、そこに集中的に財源を投入するのかということが、まさにどこに向けて景気対策を進めていくのかという象徴的な姿であり、少なくともカジノを進めるよりは100万歩経済に効果のある政策だとわたくしは確信を致しております。

*農業者のあんしん

どんな年でも最低限、翌年の再生産が可能な安定的な一次産業の経営を担っていただく。そのためにいわゆる所得補償制度をとることは先進国の農業政策においては今や常識となっている。私たちは、これはまさに農業を守る、食の安全を守る、緑を守る、と同時に特に過疎地域などにおける経済を回していく最低限の前提条件として必要なことだと思っていますが、安倍政権はこれに逆行する政策を今までとっているわけであります。

森コメント)安保といってもアメリカ軍の押し付ける戦闘機などにお金を湯水のように使いながら、食料安保は全くできていない。食べるものがなかったらこの国は終わりです。世界中が食料に苦しんだら、日本に輸出してくれる国などありません。

4もりかけ問題

国有地が8億円もダンピングされたというのは、その分の税金が食い物にされたのと意味は同じです。
全貌解明に協力をしない。そうした与党の姿勢こそが、まさに税金の無駄遣いを生み出す、膿(うみ)そのものではありませんか?
第二に申し上げなければならないのは、安倍総理の昭恵夫人が夫人付きの公務員である谷査恵子氏を通じて行政に問い合わせるという関与をしていました。

森コメント)その通りです。谷さんはイタリア大使館にご栄転ですが、何か、イタリア語でもできるんですかね。ただ逃したってだけでしょう。

モリカケ問題に関連しては3つ目、加計学園問題であります。
愛媛県の一連の記録と照らし合わせれば、明らかにこの加計理事長の説明は矛盾をしており、この理事長の「雰囲気で作り話をした」という釈明こそが虚偽であるのは明らかであります。
この真相解明を妨害するような、そうしたプロセスの中で出てきた公文書の改ざん問題であります。・・・国会から求められている資料提供や報告を求められている案件について公文書を改ざんしたということはどういうことか。国会を騙したということであり、国会を通じて国民を騙したということに他なりません。・・・ま、そもそも昨年のモリカケ問題発覚以来、怪文書と最初称していた文書が実は本物だったことの繰り返しではないですか。
一連の森友問題、加計学園問題はいわゆるスキャンダルではありません。行政の公平性、連結性を損ねる。放置をすればモラルハザードを招く。社会と国家の危機であります。

森コメント)加計正文って先祖、東大英文科で夏目漱石の門下だった俊英ですが、かなり子孫は劣化したようです。

5不誠実答弁、民主主義のはきちがい

全部ずらした、ごまかした答弁をしているということで加藤厚生労働大臣、そして安倍総理。「ご飯論法」と世の中から嘲笑われる結果となっている。聞かれたことに正面から答えないだけにはとどまらず、聞かれてもいないことをダラダラ、ダラダラ、ダラダラ、ダラダラ、ダラダラ、ダラダラしゃべり続ける安倍総理の姿勢。それにとどまらず、平然とウソをつき、開き直る姿勢がますます顕著になっています。
小野寺防衛大臣、「飲みながら指示してたのか」と指摘を受けたので、慌てて撤回をしました。
河村予算委員長。総理との会食直後に「総理が集中審議は勘弁してほしい旨、発言していた」と明言をされている。ま、翌日撤回をされている。
そもそもが民主主義は多数決ではないんです。民主主義というのは主権者である国民みんなでものを決めて国を動かそうというのが民主主義なんです。少数意見を納得させようという意思のない多数決は、多数決の濫用です。

多数決が少数の人たちを納得させる手段として正当性を持つためには、多数決を前提として正しい情報が開示されなければなりません。
その手続きをこの国会で全く踏んでいない上に、安倍政権は立憲主義そのものも破壊工作を進めています。歴代自民党政権が積み重ねてきた憲法の解釈を一方的に変える。憲法というどんな数を持っていても、そういう理不尽なことをやってはいけませんよということを決めているルールを憲法改正の手続きもとらずに勝手に無視して集団的自衛権の一部行使容認を進めた。まさに立憲主義も立憲民主主義もわきまえない姿勢である。自分たちに都合の悪い法案はいくら日程がスカスカであっても審議に応じないことをしておきながら、国会運営に抗議をして出席できない状況をサボっているだなんてデマを吐くことはやめて頂きたいと思います。

森コメント)立憲というのはかつては輝かしい言葉でした。日本が憲法を持つまでにどのくらい苦労したか。1882年の立憲改進党(大隈重信)、1900年の立憲政友会(伊藤博文)、1913年の立憲同志会(加藤高明)→立憲民政党(浜口雄幸)、など与党側もみんな立件を名乗っています。枝野氏が尊敬する名演説家、反軍演説の斎藤隆夫も立憲民生党に所属していました。この憲法に基づく政治を行う、という立憲主義が今こそ大事な時代はありません。

6、行き詰まる外交、混乱する安全保障政策

繰り返しますが、安倍政権が発足して5年半です。
どうもロシアだけは日露関係の進展によって色々いいことがあるようですが、我が国にとって重要な北方領土問題の進展は全く見られず、行き詰まっていると指摘をせざるを得ません。
朝鮮半島をめぐる問題はさらに深刻です。安倍総理や河野外務大臣は「最大限の圧力」のみを唱え続けている。「北朝鮮との国交断絶」を他国に求める発言まで河野外務大臣はなさいました。
これは圧倒的にアメリカ優位の契約内容になっていると言われている。防衛装備の調達について、我が国の安全保障上の必要性よりもアメリカが売りたいものを「言い値」で買っている。

森コメント)もうこれは解説の必要も無い事実でしょう。それで沖縄の人々を苦しめてもいます。

7、官僚システムの崩壊

公文書を組織的とも言える形で改ざんした佐川 前理財局長は停職3ヶ月。その3倍の停職9ヶ月。よっぽど酷いセクハラをしたんでしょうね。セクハラじゃないなら、よっぽど酷い信用を損なう行為について、一定の説明があって然るべきではないですか?その中で官僚の皆さんが入省時に思ったであろう「国家・国民のために働きたい」という本来の思いを実現できるような官僚システムを実現するために一刻も早く安倍内閣には退陣して頂きたいと思っています。

森コメント)本当に、高級官僚と言われる人の中にも尊敬できる人もいますし、国民のために、恵まれない人のために、頑張っている人も少数ですがいると思います。私はすでに何人もの幹部官僚から、「新国立競技場問題は森さんが正しかった」「あれが進んでいたら大変なことになっていた」とお礼を言われました。
おそらく、ザハ案がそのまま進んでいたら、日本は神宮外苑に巨大な温室を作ることになり、費用はうなぎのぼりになっていたでしょう。それは物を考える公務員にはわかるはずです。「面従服背」ではなく、思い切って直言する、信念を披瀝する、そういうことができないとインパール作戦になります。そういう風土を作るためには、国家公務員の幹部や専門職の中途採用とか人事交流も大切でしょう。

ルアンパパンまで船で下る旅
2月4日 バンコク〜チェンコーン〜ワイサイ

2017年4月26日

朝早い便のため、泊まった空港のホテルはフロントの感じも悪かったし、蚊もいたし、設備も良くない。外は飛行機の発着でうるさく、朝の5時に目覚まして、5時45分にサンドさん、志保子さん、Duangさんと集合して6時のバスで空港へ向かった。7時半の便でチェンライに飛ぶ。そこからバスに乗って1時間半で国境の町チェンコーンまで行って、そこでラオスの国境を超えた。麻薬を持っていて捕まった女性の写真が大々的に貼ってある。やるなよ、ってことか。

20170416_01

ラオスの色は紫と黄色とブルーとグリーン。通貨単位はキープで、一万円を替えると80万キープとかある。そこからまたバスに乗った。紹介されたプーキーさんに会う。精悍な顔の美男子だ。NGOの仕事をしていてお父さんは地方公務員で、家でお米を作っている。軽トラに荷物を乗せ、5人乗りでワイサイの彼の家まで行く。Duangさんが荷台に乗る。気持ち良さそう。家の裏の林の中にピクニックランチが用意されていた。これは今まで食べた中でも五本の指に入る気持ちの良い食事である。そこらへんを走りまわっている鶏の焼いたのと魚の焼いたの、それからラタンを茹でて、皮をむいたものが出た。このラタンは苦味があって、歯ごたえも良く、お醤油みたいなタレにつけて食べると大変美味しいし、体にも良さそう。

20170416_02

最後に菜の花のたくさん入った鶏がらのスープが出た。これは滋養があって安心なので野菜とともども、胃を壊したサンドさもたくさん食べた。ラオスのビールはさっぱりしてて東南アジアで1番おいしいと言われている。お父さんが53でお母さんは40代の終わり、プーキーさんは30くらいだろう。中国人が入り込んできて大規模なビジネスを展開し、カジノまで作ろうとしてると眉をしかめた。プーキーの家ではお米、それも焼き畑で陸稲を作って売っている。お金がないとき、お母さんがラタンを売りに行って12ドルもうけたことがあった。食用ラタンはよい値で売れるそうである。2番目の弟に子供は何人かいて、今日もたくさんの人たちが寄ってきてご飯を食べていた。

おばあちゃんが赤ん坊を抱いている。男の孫同士が喧嘩したらおばあちゃんがしかった。近所の助け合いが生きてるようで、今日はこの畑をやったら次は隣人の畑を手伝う、というような協力関係ができている。そこで3時間も休んだ。鶏スープの鶏は土佐ジローぐらい美味しい。黒い鳥と言って1キロで12ドルする。噛みごたえのあるものでした。お別れを言ってまたトラックに乗る。いい季節で土曜日だし、結婚式をやっていたが、全くの西洋スタイルだった。それからサンドさんが必要な帽子とライターを2つ買って、メコン川の切符を買う。一人2500バーツくらいだった。そして今日泊まるホテルに行って休んだ。

その後町のリバーサイドレストランで夜の食事をした。トムヤンクン、卵焼き、パッタイなどを食べる。ホテルで休んだのだけど、夜中に大火事が起こり、三軒先まで燃えて、これはこっちにも日が来るかもしれないと、荷物をまとめ、逃げ出す用意をしてずっと見ていた。消防がなかなか来なくて、でも死人が出なくてよかった。

20170416_03

2月5日 メコン川下〜パクペン

2017年4月26日

翌日プーキーさんが来て一緒に麺を食べた。とってもおいしかったけど、とても高かった。水も付いて1人100バーツくらい。この国境の町ではキープもバーツも使える。その店には一族が来て朝からお酒を飲んで歌を歌っている。美空ひばりにそっくりな髪の毛アップにして、眉毛を切り替えた女の人がマイクを持って離さない。眉毛を引いて、目張りを入れ、真っ赤な口紅を塗り、髪の毛をアップにして花の飾りをつけたりしているのでひばりそっくりに見える。

11時に出発すると言う船が全然出なくて、どんどんどんどん観光客を乗せる。後から後からリュックを背負った若者が来る。まるで船が重荷で沈んでいくようなのが怖かった。儲けるだけ儲けようと言うつもりらしい。結局たくさんのグループ、英語を話す若い兄ちゃん姉ちゃん達を乗せて出発したのが12時。ところがこの若者たちのマナーの悪いことったら大変なもので、ビールを飲みまくり、そのたんびに手洗いに行き、お手洗いは300人の乗客に1つしかなく、いつ行っても5人くらいは並んでいて大騒ぎ。「何人なの?」とサンドさんに聞くと、若者相手の国際ツアーじゃないのかな」と言う。

私たちの席は1番前で良かったんだけど、後から乗ってきた人にどんどん占拠されてきた。川沿いの景色は、豚がいたり鹿がいたり、バファローがいたり、のんびりして代わり映えがしない。緑の中を走り、途中から両岸ともラオスになった。住民で、大きな家具やベッドを下ろして、迎えに来た人達とゆっくり運んでいくのが見えた。パクペンと言う中継地についた。ほんとにひなびた岸辺の小さな村で、泊まったホテルも悪くはない。坂に沿って一本の道しかなく、レストランは船の人たちでいっぱい。味はなんとなくお味噌っぽいというか、トマトケチャップ入れたような濃い味付けだった。

サンドさんはまだ胃の調子がいまいちなので生野菜は気をつけて、あげた春巻きとかスープとかそんなものを食べた。

20170416_04