8月17日

2018年8月23日

朝から雷だ。すごい渋滞で9時前に牧場に到着。お腹がすいたので焼き飯を作って食べた。例の精悍な学生横田くんと話す。彼は慶応のSFCを出てから陸上がやりたくて、資生堂の内定を断って大学の事務職員をしながら陸上を続けた。800メートルで全国21位までは行った。怪我をした時に行った病院の対応に不満を持ち、それで勉強して日医大に入り直した。今回の8人のうち親が医者と言う人はほとんどいない。私立医大の学生は親会社の裕福な子供達という偏見は壊れた。みんな学業の他、アーチェリー部、バレー部、ダンス部などに属し、郁文館を借りてやってるらしい。
お昼過ぎに炭焼きどりガイヤーンとソムタムともち米とお魚の焼いたの、いろいろご馳走が出て、それを食べ終わると日医大の先生たちともお別れ。ホテルで休み、一人で雨の中、街を散歩に行って城壁の中に入りまっすぐ行ってそれで突き当たりのワットプラシンに行ったら、ちょうど日暮れ時で堂塔伽藍が夢のように煙る。黄金の仏様たちが美しかった。また台風きてるらしい。今日は東京も涼しそうだ。もう秋なのかな。
チェンマイの街はとにかくマッサージ屋だらけ。トリップアドバイザーおすすめのところに入ってみたらとても上手で安い。美しい女の人がやってくれた。イサーンのカレー麺、カオソーイをやっている店があり、ビール一本で今日は終わり。

8月18日

2018年8月23日

安ホテルなのにNHK国際放送が入るのでつい見てしまう。小野文恵アナのおじいさんがフィリピンで戦死した話、上野の浮浪児たちのその後、オッペンハイマーら原爆を開発した科学者たちの運命、どれも優れたドキュメンタリーだった。

今日はこちらにいるカヨコさんの案内でチェンマイを歩く。念願のおいしいカオソーイ、山の上の有名なお寺、昼間のワットプラシン、建築博物館、川沿いのカフェなど、さすがにツボを心得て、いいところに連れて行ってくださった。北タイの文化や言語についても詳しい。

でもそれより、彼女の話が面白い。彼女はかなり年長のタイ人の会社経営者と結婚している。「タイに来て暮らすのに、タイ人に尊敬を払わないマナーの悪い日本人が多くてへきえきする。駐在員にも浮気しか考えてない人もいるし、かと思うと、旦那が忙しくて帰ってこないので、タイ語やダンスの先生のタイ人にはまってしまう妻もいる。タイ人に惚れて旦那と離婚してレストラン開いた人もいる」という話。

夜はイタリアンでワイン。結構高い。

8月19日 エイズポジティブの女性たち

2018年8月23日

朝のうちさんぽ。毎日湿度99パーセントで、ビン川の水は岸すれすれまで上がっている。メールで石見銀山の大工さん、楫谷稔さんがなくなられたとのこと。すい臓がんで、私の京都の師匠にもわざわざ行ってもらったのだった。でも、ユニークな建物をたくさん直され、良いご一生だった。なくなる3日前にはお祭りで口説きを披露したとか。

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長野の神宮寺の和尚、高橋卓志さんがチェンマイの大学に留学できておられ、お昼ぐらいからロンビデンというお坊さんのやってるエイズのポジティブの女性たちのところに行くと言うので同行した。
1998年からタイに入った高橋さんは、タイのHAVの感染者を支援する施設を立ち上げている。ここの人たちは夫は出稼ぎで土方をやって、その上がったお金で女と遊んでエイズに感染して死んでしまう。妻は未亡人になるだけでなく、シングルマザーになり、貧乏になる。最初農家の手伝いなどに出ていたが、母子家庭手当もなく生活保護もないので、自分も売春にをしたりもしていた。彼らを集めて40人ぐらいのメンバーでNPOを作り現在9人ぐらいが作務衣を作っている。良い薬が開発され、今エイズで死ぬ人は少なくなったという。
糸そのものはビルマから来る。それをカレン族の人たちが先ぞめをしてそれを織る。ここでその布で作務衣を縫う。ミシンがずらりと並んでいる。検品もしっかりしてかなり腕が上がってきた。
女性たちは40代から50代で、子供は学校の先生になったり、空港で働いたりと自立していく。それも奨学金等は高橋さんたちが集めたものだった。しかしこの女性たちの老後を誰が見るのかと言う次の問題がある。
ロンビデンと言うその50代のお坊さんのいるお寺に行った。今日は葬式があるので、寺ではマイクで長々とお経やっていた。女の人たちも気軽にバイクに乗り合いで私たちの後をついてきた。すごく大きなお寺だ。

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集中治療室に入って亡くなる直前の人に、「自分は死んだ事はないが、みんな生まれてみんな死ぬんだから、安心して行くが良い」と言ったらしい。私は朝も昼も食べてなかった。お腹が空いてて門前に麺屋があったので、そこで食べてもいいと聞くと、日曜日で休みだった。ロンビデン和尚さんが「じゃあここで食べるが良い」と言う。なんともち米と豚の皮揚げたのと、ひき肉と春雨のスープ、キクラゲと卵の炒めスーなど4種類位のおかずを持ってきてくれて驚いた。
それなのに女の人たちはさらにもてなそうと麺まで持ってきた。
今日はそこまでにして帰ってきた。

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少し寝て小説を読んだりして6時半過ぎに高橋さんが迎えに来た。ナイトバザールの中華屋さんに戻って、飲みながら話した事は、この40年ほどの高橋さんの市民運動とそこであった人たちの思い出。チェルノブイリ、水俣、3・11、筑紫哲也や永六輔さんの話。

8月20日金足農業

2018年8月23日

午前中、暇だったので甲子園の準決勝を見てしまう。安ホテルなのにNHK国際放送が入っていた。絶対家にいたならテレビもないし見ないな。なに、これ、金足農業って。え、秋田の、県立の農業高校なの?すごいな。初戦敗退じゃないなんて珍しい、というわけで画面から目を離せず、試合が終わった時にはすっかり、この紫のユニフォームのチームのファンになっていた。帽子を目深に被ったピッチャーの首から肩へ、伸びる指先へのラインが美しい。マウンドの上で吠える、仲間に指示する、何やってもかっこいい。みんなスクイズがうまい。知らない間に塁に出て先に進む。牽制も守備もいい。こんなチームあるんだあ。フランスで働いている元高校球児の息子に思わずメール。

「すごいよね。日大三高ピッチャーも3人もいるし、みんな都会っ子っぽいけど、秋田の高校生たちがとても素朴で名前は大夢とか天空とか輝星とか。明日決勝見られるといいんだけどなぁ。対戦相手、大阪桐蔭はこれまた全国から野球エリート集めてるとこ、やっぱり東北で初めての優勝旗を持って帰ってほしいな」

街に出てゴワゴワした皮の餃子の入った麺を食べて、その後近くで自転車を借りた。ここで自転車乗るのはとても大変だ。まずどこを走っていんだかわかんない。自転車専用道路はあるんだかないんだか、そこにバイクが入ってくる。そして歩道が狭くて途中にいろんなものが置いてあったり。段差が多いのでとても走れる状態ではない。一方通行も多い。反対側のレーンを走るわけにはいかないので、とにかく歩道のない車の少ない路地をぐるぐる回ることにした。

最初に尋ねたお寺には英語がよくできる坊さんがいて、お手洗いも借りてとても境内は綺麗だった。その近くに少数民族の市場。清潔でおいしそうなレストランがあったので1時半、カレーで鶏のモモをカレー味で焼いて、その上に揚げたハーブをいっぱいのせた、おいしいご飯を食べた。
それからまた城中に戻って3人の王様のモニュメントのとこに来たところで土砂降りの雨に降られて、コーヒー屋さんに入って本格的なコーヒー50バーツを飲みながら、ちょっと休んでいた。
遠くからメリディアンを目指して走った。そして3時位に氷屋さんでマンゴーの氷を食べて、3時20分までには自転車をちゃんと返す。4時15分ぐらい前に大きな7人乗りくらいのバンで空港まで送ってくれる人が来た。
空港では沢木耕太郎「キャパの十字架」を読んで待ち、タイの北部を西から東にコンケンまで飛んだ。出たとこに懐かしいドアンさんがいた。一昨年、ジョルダンや志保子さんとルアンプラパンまでメコン川を旅した仲間だ。その帰りにドアンさんの農場で夢のような毎日を送った。

ホテルでタイ料理にして彼が頼んだ2つのものは手作りのさつま揚げみたいのと、魚の煮物でそれに入ってる胡椒がすごくおいしかったが、私の頼んだ海老の店天ぷらは果物入りの甘いソースが付いていてあまり美味しくなかった。
ドアンさんは誰とでも仲良くなって長年の友人のように早速ホテルの従業員とおしゃべりしていた。

8月21日

2018年8月23日

このホテルはブッキングで8.3だけど、部屋はNHKが映らないし、クーラーが冷えないし虫はいるし、ちょっとひどかった。それで朝ごはんを6時に食べてお粥を食べたりして、6時半過ぎからプールで1時間ばかり泳いで7時半にチェックアウトして、8時に迎えに行くと飛行機が10分早く着いていて、すぐに佐伯さんと建築家の友人大橋智子さんが出てきた。佐伯さんは私より10歳上、私より20も下のタイの農民ドアンさんの良い理解者である。
3時間ほどドライブをして着いたノンバデンは紅の蓮の池と言う名前だ。途中で牛モツのスープを飲ませる小屋により、そこで牛の干したのをあげて出してくれる。ひき肉にハーブを混ぜ込んで炒めたもの、隣の店からも麺を取って分けて食べる。その露天の建物ときたら、またほんとにシンプルで合理的でパタパタっとたためるような感じ。大橋さん気にいって一生懸命スケッチを描いていた
それで家に着いたら凄い立派な客室ができていた。つかないのにガス台があったり、ちょっと流しが高すぎたり、裏口に装飾があったり、「タイ人は見栄を張るからね」と佐伯さんは笑っていた。その割に窓にカーテンがついてないとか、お湯が水はもちろん、村の人が使う時間には出ない。
6時前からビール。魚の蒸したの、中に生姜とかはレモングラスを入れる。ポークソーセージと白キクラゲの炒め物。キノコのサラダ。あと空芯菜の炒め物は大橋さんのリクエスト。全て絶品。こちらではビールに氷を入れるのでそれを3杯4杯飲んでいたらもう眠くなってしまう。

8時前に寝たので、もう夜中じゅうなんとなく寝られなくて、起きてはスマホの小さな画面で金足農業の試合やニュースを見てしまった。

金足農業高校は秋田県立の共学、野球部はなかなか強くて、30年位前に桑田・清原のいたPL学園と準々決勝で当たった。秋田県が決勝まで出るのは103年ぶり、今年は100回記念だけど、戦争などで高校野球ができなかった時期がある。秋田中学というのが103年前に出て決勝まで行ったらしい。

また白河の関を越えて東北に優勝旗が来た事は1度もない。ベンチに18人選手がいて、3年生9人だけで不動のスタメンでここまでかちあがった。鹿児島実業、岐阜大垣、横浜、近江、日大三高と、優勝経験もあるような強豪をなぎ倒し、吉田輝星投手が1人で投げている。

吉田くんのお父さんも金足で野球をやっていたらしい。金足に入って一緒に甲子園に行こうぜって言って仲間を誘って、本当に甲子園に来たどころか、旋風を巻き起こした。ただ県大会を含め、短期間に試合続きで、吉田投手はすでに8試合完投し、ついに決勝では大阪桐蔭に捕まって大差で負けた。だけど大阪にある甲子園で大阪桐蔭がアウェイなほどの人気。

大阪桐蔭の各選手の紹介には中学の時のナンバーワン投手、何とか大会で優勝とか書いてあるが、金足の選手紹介には声が大きいとか、測量が得意とか、大きなヒラメを釣ったとか書いてあってすごく可愛かった。この子達は大舞台のプレッシャーに負けずにのびのびと楽しそうに野球やっていて、相手の応援ソングを口ずさんでみたり、おどけた仕草で飛び跳ねてみたり、投手とセンターで、侍ポーズというのを禁止されても決めてみたりして融通無碍にお茶目なところが、今の学校に疑問を持つ私としてはとても愉快。

8月22日

2018年8月23日

朝は6時半ぐらいに村の放送があり、鶏も鳴くので目が覚める。ドラゴンフルーツとジャックフルーツ。それから車で朝ごはんを食べに行くのだが、これが、薄い豚肉のチャーシューの入った麺とスープを1つずつとって4人で分けてちょうど良い。9時から私が1時間半マッサージをしてもらったが実に上手、戻って昼寝をして、手織りの織物を見に行ってシルクの生地を買う。

夕方5時前から2日目のご飯を作り出す。豚肉をタレにつけて炭火で焼いたバーベキューときゅうりなどを煮込んだスープ。それと私が頼んだ田んぼのタニシみたいな、何かアワビみたい食感の貝を炒めたもの。ビールを3杯ぐらい飲んでから、今度は私たちの部屋に移った。踊ったりシャンソンを歌ったりしたて最後にRoberta Flackの曲を聴いてお開き。

8月23日

2018年8月23日

7時に起きてご飯がジョークと言う卵入りのお粥を食べる。市場へ。ドアンは友達の家でビールを飲んで音楽を聴きながら踊っていた。みんなにお酒や食べ物振る舞ったり、子供におもちゃや服を買ってやったり、自分が恵まれていると思うぶんは人にも分けている。友達の男ムーさんは私のことをマユミマユミと呼んでいた。メーさんという女の人が香港で写した若い頃の写真は素晴らしく美人、それを見て「アフターアフター」と今は太っている彼女を指差す。男の子が起きてきてムーさんが抱いて、「似てるね」と言うと「これは僕の子じゃない」と言ってどうもめちゃくちゃな関係。

太った男の人がウイスキーを買ってきたので、ドアンに「昼間からウィスキーを飲まない方がいいよ」と言った。野菜をどんどんドアンさんが買うんで心配するが、全部10バーツ。案の定豪雨になって閉じ込められた。農業者ドアンさんは雨が降るのをすごく喜んでいた。煙のような水しぶきが上がって、まるで成瀬映画「浮雲」の世界のようだった。

その隣街にも小さなマーケットがあってそれからここではカイコを育てている。ケミカルダイングだけども、手織りのシルクを売って2000バーツ、綿のほうは、同じ手間がかかると思うが、手織りで500バーツ。雨上がりの畑田んぼの美しい景色の中を車で帰ってきた。

2018年7月のブログ 7・5

2018年7月24日

6月の終わりから久しぶりに出雲経由で石見銀山に。5年ぶりです。
まず木次乳業創業者、佐藤忠吉さんが99歳でお元気なのを嬉しくありがたく感じました。石見銀山は世界遺産騒動がすっかり落ち着き、いい感じでした。初めて中村ブレイスさんにもお邪魔しましたが、この山の中で義足や人工乳房など世界に通用するものづくりをしています。その収益で、もう街並みの中に60件近くの空き家を買い、修復し、社会的にも貢献しておられます。一方、アパレルメーカーである群言堂は、衣食住すべてに、美しい、丁寧な暮らしを提案しており、日本中から若いスタッフが集まっています。今回、初めて石見銀山の古い方のお話を伺いました。銀山の採掘が終わった後は街が寂れ、人が減り、苦しい時代が続いたようです。「お弁当も持っていけず、食べている子を横目に運動場で遊ぶしかなかった」というお寺の住職の言葉を聞きました。中橋恵さんが見えたので、二人で「イタリアのアルベルゴ・ディフーゾ」に関するお話をしました。日本中でかなり関心が高まっているテーマです。ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ、という新しいパン屋さんができていました。「明日、帰りがけにお店に行って買いますね」といったら、「明日は休みです」というのでした。そしたら当日宿まで来て「冷凍でもよければ」とお土産にいただいたんですが、これがまた素晴らしっく美味しいパンでした。

7・6

2018年7月24日

永井愛「ザ・空気2」誰も書いてはならぬ、を池袋芸術劇場で見てきました。いつも面白いが、前のよりずっと面白い。

役者揃って熱演。

市民メディアのビデオジャーナリストの安田成美の健気さは伊藤詩織を思い起こさせる。

大手リベラル紙政治部キャップ、真島秀和は朝日によくいる、主張はリベラルだが権威主義的なタイプ。自分を生きていないで立場でものを考える。(見た目山尾志桜里の彼氏にそっくり)

保守系全国紙の若手政治部記者柳下大は、嵐の櫻井くんをほっそりした感じで、正義感から動きながら結局保身を図る。読売の若手の記者にこういう人は多い。私たちは「びんぼっちゃま」と名付けている。

保守系全国紙の論説委員松尾貴史は首相のお友達。田辺スシローにも見えるが、TBSの山口にそっくり。公共放送の女性解説委員馬渕英俚可はNHKの岩田記者そっくり。誰かを思わせるそっくりさんたちが、現実に有名になったフレーズをしゃべくりながら、首相の答弁のモノマネまでしているんだから面白くないわけがない。

でも、面白くて笑ってそれでいいんだろうか。カタルシスにして終わりじゃどうしようもない。

「メディアを恨むな、メディアを作れ!」最後のセリフに救いがあった。そうだ、メディアを作ろう。

7・7

2018年7月24日

菊坂の樋口一葉が通った質屋伊勢屋が跡見女子大のサテライトオフィスになり、毎月土日に公開されています。石巻の友人と行ってきました。中はとっても綺麗に修復してあり、学生さんたちももう勉強、お茶とお菓子のセットで500円。皆さんも是非いらしてください。この公開には区役所からの援助も出ているそうなので。帰りに春日の「川国志」で麻婆豆腐を食べる。夏に効く。