2018年7月 のアーカイブ

2018年7月のブログ 7・5

2018年7月24日 火曜日

6月の終わりから久しぶりに出雲経由で石見銀山に。5年ぶりです。
まず木次乳業創業者、佐藤忠吉さんが99歳でお元気なのを嬉しくありがたく感じました。石見銀山は世界遺産騒動がすっかり落ち着き、いい感じでした。初めて中村ブレイスさんにもお邪魔しましたが、この山の中で義足や人工乳房など世界に通用するものづくりをしています。その収益で、もう街並みの中に60件近くの空き家を買い、修復し、社会的にも貢献しておられます。一方、アパレルメーカーである群言堂は、衣食住すべてに、美しい、丁寧な暮らしを提案しており、日本中から若いスタッフが集まっています。今回、初めて石見銀山の古い方のお話を伺いました。銀山の採掘が終わった後は街が寂れ、人が減り、苦しい時代が続いたようです。「お弁当も持っていけず、食べている子を横目に運動場で遊ぶしかなかった」というお寺の住職の言葉を聞きました。中橋恵さんが見えたので、二人で「イタリアのアルベルゴ・ディフーゾ」に関するお話をしました。日本中でかなり関心が高まっているテーマです。ベッカライ・コンディトライ・ヒダカ、という新しいパン屋さんができていました。「明日、帰りがけにお店に行って買いますね」といったら、「明日は休みです」というのでした。そしたら当日宿まで来て「冷凍でもよければ」とお土産にいただいたんですが、これがまた素晴らしっく美味しいパンでした。

7・6

2018年7月24日 火曜日

永井愛「ザ・空気2」誰も書いてはならぬ、を池袋芸術劇場で見てきました。いつも面白いが、前のよりずっと面白い。

役者揃って熱演。

市民メディアのビデオジャーナリストの安田成美の健気さは伊藤詩織を思い起こさせる。

大手リベラル紙政治部キャップ、真島秀和は朝日によくいる、主張はリベラルだが権威主義的なタイプ。自分を生きていないで立場でものを考える。(見た目山尾志桜里の彼氏にそっくり)

保守系全国紙の若手政治部記者柳下大は、嵐の櫻井くんをほっそりした感じで、正義感から動きながら結局保身を図る。読売の若手の記者にこういう人は多い。私たちは「びんぼっちゃま」と名付けている。

保守系全国紙の論説委員松尾貴史は首相のお友達。田辺スシローにも見えるが、TBSの山口にそっくり。公共放送の女性解説委員馬渕英俚可はNHKの岩田記者そっくり。誰かを思わせるそっくりさんたちが、現実に有名になったフレーズをしゃべくりながら、首相の答弁のモノマネまでしているんだから面白くないわけがない。

でも、面白くて笑ってそれでいいんだろうか。カタルシスにして終わりじゃどうしようもない。

「メディアを恨むな、メディアを作れ!」最後のセリフに救いがあった。そうだ、メディアを作ろう。

7・7

2018年7月24日 火曜日

菊坂の樋口一葉が通った質屋伊勢屋が跡見女子大のサテライトオフィスになり、毎月土日に公開されています。石巻の友人と行ってきました。中はとっても綺麗に修復してあり、学生さんたちももう勉強、お茶とお菓子のセットで500円。皆さんも是非いらしてください。この公開には区役所からの援助も出ているそうなので。帰りに春日の「川国志」で麻婆豆腐を食べる。夏に効く。

7・8

2018年7月24日 火曜日

中野にある「平和の門」を守る地元の運動にお呼ばれし、「十字舎房の文学者たち」と題して話をする。豊多摩監獄というから私も多摩の方にあるのかとおもってた。中野にあったのね。設計の後藤慶二についてはすでに、内田青藏さんたちがしっかりと調べ話している。37歳で夭折した後藤慶二の設計、監獄の門というのにマンサードやね、レンガ蔵、。この門以外、のこされていない。

しかしここには戦前自由と平和を希求してとらわれていた人が多くいた。

中野重治、壺井繁治、埴谷雄高、三木清、大杉栄、堺利彦、河上肇、大塚金之助、荒畑寒村、亀井勝一郎、村山知義、土方与志、・・まあよくもこんなに入れたわね。もっと知られていない人も含めればどんだけ入れたのか。治安維持法は大正14年に普通選挙法と抱き合わせで成立、しかしのちに死刑や無期懲役まで刑が重くなる、最初に反対しないとあとがひどい。起床、作業、食事、排泄、風呂、運動、面会、寝具、差し入れ、余暇、わからないことばかり。講演を頼まれて泥縄勉強ですが、大変興味を持ちました。その門は監獄とは思えないほど美しくメルヘンチック。ぜひ平和の森小学校の中に戦争遺産、いや平和と自由の遺産として残して、子供達と遊び考える場を作ってほしい。

7・10 

2018年7月24日 火曜日

私の誕生日。この日は夜に千駄木のKLASSで「谷中のイロハ」と称する話をすることになっている。地元なので大変緊張した。これで最初で最後にしたいつもりもある。「萩荘」などを展開する宮崎晃吉さんたちに、これからできるだけ「地域の文化と暮らし」を踏まえた事業展開をしてほしいということも。そうしないと本当のアルベルゴ・ディフーゾ、上野戦争にも、「まちやど」にもならない。というわけで、今回は江戸時代、この街がどのように成立したのか、江戸時代に起きた谷中感応寺の不受不施派問題、延命院事件、富くじ興行、からどうにか、戊辰戦争、上の戦争について話をしました。

かなり詰め込みすぎでしたが、芸大の益田先生なども聴講に来られ、これからの谷中のあるべき姿についてもディスカッションできました。なんと、講義後に私の誕生日のケーキが出てきたのには驚き。去年はイタリアのエコベルモンテでケーキ、一昨年の誕生日は京都の山奥美山の茅葺き民家で出前寿司をご馳走とライブ演奏付きでした。毎年たのしみだなあ。次回24日は7時より、残席あります。

7・15

2018年7月24日 火曜日

谷中の家、でブルターニュで主に修復の仕事をしておられる千田さんという建築家のお話を聞きました。パリでできことは少ないので、とブルターニュで、学校を高齢者住宅にリノベしたり、川沿いの船会社のオーナーの家を青アートにリノベしたり、ご自分は15世紀の水車小屋を回収して住んでいるのだそうです。フランスでは供給過剰と景観保護のため、新築が禁止されている地区もある。お城は思ったより安く手に入るが修復には一億とかかかる。しかも中の飾りだけ剥ぎ取って売るために城を買うブローカーなどもいる。古い工場などに不法に入り込み、地域を乱す生き方をするパンクの連中などがいる。などなかなか聞けない実情でした。

7・17

2018年7月24日 火曜日

ちょうど一ヶ月前、JR東日本に送った意見について回答が来ました。とはいえ、意見何書いたか正確には忘れてしまった。自分でも保存しなくてはダメだね。

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いつもJR東日本ならびにJR東日本ホームページをご利用いただきましてありがとうございます。

このたびのご意見につきまして、以下のとおり回答させていただきます。

6月17日(日)13時56分頃から東北新幹線仙台駅~古川駅間にて、停電に伴う車両点検を行った影響により、翌日にわたり東北・上越・北陸・山形・秋田の各新幹線に運休及び大幅な遅延が生じ、ご利用のお客さま、また関係の皆様に多大なご迷惑をお掛けいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。→ここまではわかっていることでいらない。

お客さまがお持ちいただいておりました、指定席券の使用につきまして、当日はダイヤが乱れておりましたが、はやぶさ22号の指定席をお持ちのお客さまが優先となるご案内をさせていただいておりましたが、全てのお客さまを把握が困難であり、お席の確保よりも早く目的地に到着するか、お持ちの指定席をご利用いただきお席を確保されるかをお客さまに選択していただくため、運行状況を確認しながら、お問合せをいただいたお客さまに個別に対応をさせていただいておりました。→お問い合わせをするにもホームに駅員はいないし、改札口は長い列。指定席を持って座っているのかも車内改札はありませんでした。

しかしながら、今回のご案内方法については改善すべき点が多く、現在関係箇所で適切な対応方法を検討しておりますので、ご容赦賜りますようお願い申し上げます。

→頑張って欲しいけど、ご容赦はしかねます

次に、輸送混乱時などにおける放送につきましては、停車した原因、運転再開見込みなどをお客さまにわかりやすく迅速にお知らせするように努めているところでございますが、お客さまからのご指摘を真摯に受け止めまして、輸送混乱時における情報提供のあり方について諸設備などを含めて検討を進めるほか、各係員には得た正確な情報を迅速にお知らせするように再度指導してまいります。→こんなこと毎回言ったって検討の成果は現れていない。

お客さまからいただいたご指摘のとおり、ご高齢のお客さまやお子さま連れのお客さまへの配慮がなかったことは、全社で課題として共有させていただきます。→よろしくね。

このたびは、貴重なご意見ありがとうございました。

今後も、みなさまに愛され、親しまれるJR東日本をめざしてまいりますので、引き続きご愛顧賜りますようよろしくお願い申し上げます。

→長い割に内容のない返事だね。

東日本旅客鉄道株式会社

7・18

2018年7月24日 火曜日

愛媛県の大洲、NHK「おはなはん」で知られる城下町が大変な災害です。近くにいる内子の岡田文淑さんからメールが来ましたので共有します。

「あつい、何しろ暑い。・・・こんな中での水の災害、むしろ水管理の災害とも言えるでしょう。

野村地区はダム管理上の不手際か。大洲市は都市開発の過ちとも言えるでしょう。

500年前に大洲城を造ったとき、城下に広大な堀を造り、そのときの土砂で肱南地区の武家屋敷界隈を造成した思われる(岡田の推論)が、結果は今回の水害に遭うことなく救われた。ところが港北地区は、かつての氾濫原、そこに水田を埋め立てて宅地化し、商業地として市外の資本を誘致し、モール化し、結果は今回の水害に対して壊滅的にダメージを受けてしまった感じです。

海抜10メートルの大洲市に対して、内子は50メートルを超えているため安心しておれますが、南海トラフのことを思うと、心配です」

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何でも歴史に学ばない都市計画は破綻しますね。

7・19

2018年7月24日 火曜日

今?夏風邪。私はクーラーが嫌い、だけど飛行機、地下鉄、レストラン、どこでもクーラーでガンガン冷やす。免疫力もなかったんだろうな。喉の痛みから鼻水、咳、熱、すべての症状で揃いました。これもうつるといけないので、99パーセント飛沫のカットするマスクをかけ、できるだけ家にいます。大好きなお医者さんは「さっぱりしたものを食べ、果物と野菜を取り、よく寝ることですね」と睡眠薬をくれました。あらら、いろんなことが気になって大体5時間睡眠なのに、今日は8時間以上寝られました。

あとは頭の上のひよめきに保冷剤を手ぬぐいで縛り、通風のいい麻の服を着て、お酒はやめて、夜は軽く。揚げの薄味煮、冷奴、冷やし中華、お中元にもらったゼリー、冷やし味噌汁などが美味しいです。もう今年出すべき本は皆出たし、あとは遊んで暮らします。

「五足の靴をゆく」(平凡社・1600円)は明治40年に北原白秋や木下杢太郎ら20そこそこの青年たちが天草や島原、長崎を旅した記録で、彼らはキリシタン、バテレンなどという言葉に惹かれ、南蛮文学を起こしていくきっかけになったのでした。潜伏キリシタン遺跡が世界遺産になったこの夏、消夏のための読書にオススメします。

「お隣のイスラーム」(紀伊国屋書店・1700円)は東京近郊に住むムスリムの人々に谷根千流インタビューを試みたもので、まあ、イスラムといってもサウジの王様から、放浪のクルドの民、中国支配下のウィグル人まで、様々な人がいるものです。これはなぜか書評がたくさん出ています。

「イタリアの小さな村へーーアルベルゴ・ディフーゾのおもてなし」(新潮社トンボの本・1600円)

中橋恵さんとイタリアの「街全体が良くなる宿」を取材してきました。「観光化しても一部の店にしかお金が落ちないし、うるさくなるだけじゃないか」という批判を長らく谷根千で聞かされていましたので、どうしたら地域を乱さない観光、住民と観光客が共存できる仕掛けはないのか、それを探したつもりです。

「東京老舗ご飯20大正編」(ポプラ文庫・620円)これは大変でした。大正は15年しかなくて、大正創業の店を探し新たに20軒も取材し直し、とても時間がかかりました。私の軽い財布で行けるところを中心にしたつもりです。

今酒屋も米屋も本屋も和菓子屋も魚屋も肉屋もおもちゃ屋もボタンやも街から消えていきます。セブンイレブンが店頭で生ビールを売るなんてなんという規制緩和でしょう。そのために町の酒屋は消えてしまいました。出版という産業も今その運命に向かいつつあるのかもしれません。活版本から作ってきた私は、その後の写植、ワープロを経てパソコン時代まで40年以上見てその変化に立ち往生しています。

図書館でもいいですし、買って回し読みだともっとありがたいです。ぜひ、何年もかけた労作をお読みくださいませ。

おかげさまで去年出した

「暗い時代の人々」(亜紀書房・1700円)斎藤隆夫、山本宣治から京都のリベルタンたちの「土曜日」まで、暗い時代を挫けることなく生き抜いた人々のポルトレ。紀伊国屋人文大賞18位

「子規の音」(新潮社・2100円)根岸で貧しい人の側に身を寄せていきた正岡子規の評伝。根岸・谷根千という地域から、身体の自由を奪われた病者子規が研ぎ澄まされた五感で捉えた、ことに音に注目した伝記です。

両方とも4刷りになりました。珍しいことです。こちらも合わせてお読みくだされば嬉しいです。

7・21

2018年7月24日 火曜日

記憶の蔵で「脳梁映画会」を5時から開催。涼しげなものを家族のようにみんなでみようという会でした。

1、「ふるさと津島」福島県浪江町の津島地区。東京電力福島第一原発事故以前はどんな生活をしていたのか。地元の方の長年とったフィルムを再編集し、二度と取り戻せないかけがえのない集落の暮らしが蘇る。これは福島原発訴訟の証拠に提出された映像で、制作には我が娘夫妻が協力しました。

2、NHK英詩紀行 アイルランドスコットランド編。

地質学者の伊藤谷生さんが、中古で買ってみろという。なかなかこんな長いものを見ないよ、ということで今日みんなで見ることに。美しい映像で、勉強になるのですが、やっぱりNHKという域を出ないものでした。

3、昔々、幼稚園時代に見た、「カエルになったお姫様」ロシアのアニメーションですが、とっても美しい映画です。この曲が子供の時以来頭にこびりついている。

シンデレラと眠りの森の美女と桃太郎とかぐや姫が混ざったような筋立てでした。他にもう一本。幼稚園の友達のゆみちゃんと、プール仲間の操さんがたくさん美味しいおかずを持ってきてくれて楽しい会になりました。