8月20日金足農業

午前中、暇だったので甲子園の準決勝を見てしまう。安ホテルなのにNHK国際放送が入っていた。絶対家にいたならテレビもないし見ないな。なに、これ、金足農業って。え、秋田の、県立の農業高校なの?すごいな。初戦敗退じゃないなんて珍しい、というわけで画面から目を離せず、試合が終わった時にはすっかり、この紫のユニフォームのチームのファンになっていた。帽子を目深に被ったピッチャーの首から肩へ、伸びる指先へのラインが美しい。マウンドの上で吠える、仲間に指示する、何やってもかっこいい。みんなスクイズがうまい。知らない間に塁に出て先に進む。牽制も守備もいい。こんなチームあるんだあ。フランスで働いている元高校球児の息子に思わずメール。

「すごいよね。日大三高ピッチャーも3人もいるし、みんな都会っ子っぽいけど、秋田の高校生たちがとても素朴で名前は大夢とか天空とか輝星とか。明日決勝見られるといいんだけどなぁ。対戦相手、大阪桐蔭はこれまた全国から野球エリート集めてるとこ、やっぱり東北で初めての優勝旗を持って帰ってほしいな」

街に出てゴワゴワした皮の餃子の入った麺を食べて、その後近くで自転車を借りた。ここで自転車乗るのはとても大変だ。まずどこを走っていんだかわかんない。自転車専用道路はあるんだかないんだか、そこにバイクが入ってくる。そして歩道が狭くて途中にいろんなものが置いてあったり。段差が多いのでとても走れる状態ではない。一方通行も多い。反対側のレーンを走るわけにはいかないので、とにかく歩道のない車の少ない路地をぐるぐる回ることにした。

最初に尋ねたお寺には英語がよくできる坊さんがいて、お手洗いも借りてとても境内は綺麗だった。その近くに少数民族の市場。清潔でおいしそうなレストランがあったので1時半、カレーで鶏のモモをカレー味で焼いて、その上に揚げたハーブをいっぱいのせた、おいしいご飯を食べた。
それからまた城中に戻って3人の王様のモニュメントのとこに来たところで土砂降りの雨に降られて、コーヒー屋さんに入って本格的なコーヒー50バーツを飲みながら、ちょっと休んでいた。
遠くからメリディアンを目指して走った。そして3時位に氷屋さんでマンゴーの氷を食べて、3時20分までには自転車をちゃんと返す。4時15分ぐらい前に大きな7人乗りくらいのバンで空港まで送ってくれる人が来た。
空港では沢木耕太郎「キャパの十字架」を読んで待ち、タイの北部を西から東にコンケンまで飛んだ。出たとこに懐かしいドアンさんがいた。一昨年、ジョルダンや志保子さんとルアンプラパンまでメコン川を旅した仲間だ。その帰りにドアンさんの農場で夢のような毎日を送った。

ホテルでタイ料理にして彼が頼んだ2つのものは手作りのさつま揚げみたいのと、魚の煮物でそれに入ってる胡椒がすごくおいしかったが、私の頼んだ海老の店天ぷらは果物入りの甘いソースが付いていてあまり美味しくなかった。
ドアンさんは誰とでも仲良くなって長年の友人のように早速ホテルの従業員とおしゃべりしていた。