8月21日

このホテルはブッキングで8.3だけど、部屋はNHKが映らないし、クーラーが冷えないし虫はいるし、ちょっとひどかった。それで朝ごはんを6時に食べてお粥を食べたりして、6時半過ぎからプールで1時間ばかり泳いで7時半にチェックアウトして、8時に迎えに行くと飛行機が10分早く着いていて、すぐに佐伯さんと建築家の友人大橋智子さんが出てきた。佐伯さんは私より10歳上、私より20も下のタイの農民ドアンさんの良い理解者である。
3時間ほどドライブをして着いたノンバデンは紅の蓮の池と言う名前だ。途中で牛モツのスープを飲ませる小屋により、そこで牛の干したのをあげて出してくれる。ひき肉にハーブを混ぜ込んで炒めたもの、隣の店からも麺を取って分けて食べる。その露天の建物ときたら、またほんとにシンプルで合理的でパタパタっとたためるような感じ。大橋さん気にいって一生懸命スケッチを描いていた
それで家に着いたら凄い立派な客室ができていた。つかないのにガス台があったり、ちょっと流しが高すぎたり、裏口に装飾があったり、「タイ人は見栄を張るからね」と佐伯さんは笑っていた。その割に窓にカーテンがついてないとか、お湯が水はもちろん、村の人が使う時間には出ない。
6時前からビール。魚の蒸したの、中に生姜とかはレモングラスを入れる。ポークソーセージと白キクラゲの炒め物。キノコのサラダ。あと空芯菜の炒め物は大橋さんのリクエスト。全て絶品。こちらではビールに氷を入れるのでそれを3杯4杯飲んでいたらもう眠くなってしまう。

8時前に寝たので、もう夜中じゅうなんとなく寝られなくて、起きてはスマホの小さな画面で金足農業の試合やニュースを見てしまった。

金足農業高校は秋田県立の共学、野球部はなかなか強くて、30年位前に桑田・清原のいたPL学園と準々決勝で当たった。秋田県が決勝まで出るのは103年ぶり、今年は100回記念だけど、戦争などで高校野球ができなかった時期がある。秋田中学というのが103年前に出て決勝まで行ったらしい。

また白河の関を越えて東北に優勝旗が来た事は1度もない。ベンチに18人選手がいて、3年生9人だけで不動のスタメンでここまでかちあがった。鹿児島実業、岐阜大垣、横浜、近江、日大三高と、優勝経験もあるような強豪をなぎ倒し、吉田輝星投手が1人で投げている。

吉田くんのお父さんも金足で野球をやっていたらしい。金足に入って一緒に甲子園に行こうぜって言って仲間を誘って、本当に甲子園に来たどころか、旋風を巻き起こした。ただ県大会を含め、短期間に試合続きで、吉田投手はすでに8試合完投し、ついに決勝では大阪桐蔭に捕まって大差で負けた。だけど大阪にある甲子園で大阪桐蔭がアウェイなほどの人気。

大阪桐蔭の各選手の紹介には中学の時のナンバーワン投手、何とか大会で優勝とか書いてあるが、金足の選手紹介には声が大きいとか、測量が得意とか、大きなヒラメを釣ったとか書いてあってすごく可愛かった。この子達は大舞台のプレッシャーに負けずにのびのびと楽しそうに野球やっていて、相手の応援ソングを口ずさんでみたり、おどけた仕草で飛び跳ねてみたり、投手とセンターで、侍ポーズというのを禁止されても決めてみたりして融通無碍にお茶目なところが、今の学校に疑問を持つ私としてはとても愉快。