8月19日 エイズポジティブの女性たち

朝のうちさんぽ。毎日湿度99パーセントで、ビン川の水は岸すれすれまで上がっている。メールで石見銀山の大工さん、楫谷稔さんがなくなられたとのこと。すい臓がんで、私の京都の師匠にもわざわざ行ってもらったのだった。でも、ユニークな建物をたくさん直され、良いご一生だった。なくなる3日前にはお祭りで口説きを披露したとか。

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長野の神宮寺の和尚、高橋卓志さんがチェンマイの大学に留学できておられ、お昼ぐらいからロンビデンというお坊さんのやってるエイズのポジティブの女性たちのところに行くと言うので同行した。
1998年からタイに入った高橋さんは、タイのHAVの感染者を支援する施設を立ち上げている。ここの人たちは夫は出稼ぎで土方をやって、その上がったお金で女と遊んでエイズに感染して死んでしまう。妻は未亡人になるだけでなく、シングルマザーになり、貧乏になる。最初農家の手伝いなどに出ていたが、母子家庭手当もなく生活保護もないので、自分も売春にをしたりもしていた。彼らを集めて40人ぐらいのメンバーでNPOを作り現在9人ぐらいが作務衣を作っている。良い薬が開発され、今エイズで死ぬ人は少なくなったという。
糸そのものはビルマから来る。それをカレン族の人たちが先ぞめをしてそれを織る。ここでその布で作務衣を縫う。ミシンがずらりと並んでいる。検品もしっかりしてかなり腕が上がってきた。
女性たちは40代から50代で、子供は学校の先生になったり、空港で働いたりと自立していく。それも奨学金等は高橋さんたちが集めたものだった。しかしこの女性たちの老後を誰が見るのかと言う次の問題がある。
ロンビデンと言うその50代のお坊さんのいるお寺に行った。今日は葬式があるので、寺ではマイクで長々とお経やっていた。女の人たちも気軽にバイクに乗り合いで私たちの後をついてきた。すごく大きなお寺だ。

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集中治療室に入って亡くなる直前の人に、「自分は死んだ事はないが、みんな生まれてみんな死ぬんだから、安心して行くが良い」と言ったらしい。私は朝も昼も食べてなかった。お腹が空いてて門前に麺屋があったので、そこで食べてもいいと聞くと、日曜日で休みだった。ロンビデン和尚さんが「じゃあここで食べるが良い」と言う。なんともち米と豚の皮揚げたのと、ひき肉と春雨のスープ、キクラゲと卵の炒めスーなど4種類位のおかずを持ってきてくれて驚いた。
それなのに女の人たちはさらにもてなそうと麺まで持ってきた。
今日はそこまでにして帰ってきた。

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少し寝て小説を読んだりして6時半過ぎに高橋さんが迎えに来た。ナイトバザールの中華屋さんに戻って、飲みながら話した事は、この40年ほどの高橋さんの市民運動とそこであった人たちの思い出。チェルノブイリ、水俣、3・11、筑紫哲也や永六輔さんの話。