2013年2月 のアーカイブ

2月7日

2013年2月26日 火曜日

「首都圏の都市用水の開発が目的とされ、―――こういう熟語の重なった文章はよみにくいです。首都圏もすぐ前にありますし。起債利息って何だろうな、と思うともうそこで読むのがいやになります。超高盛り土も正確かも知れませんが、説明がないとわかりません。『その実現をともに目指すために』はどこかの党みたいなので取りました」と私がメールしたりして、こんなやりとりの後、完成。
渡辺さんは八ッ場もの知り博士のように「治水効果がないことについての説明」や「遺跡の現状」についても的確に教えてくれる。

2月6日

2013年2月26日 火曜日

八ッ場ダムで出て来た江戸時代のムラの遺跡保存を訴える「科学者の会」の要請に賛同する文化人の会を立ち上げてほしいと言う頼みが「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子さんからある。科学者の会は宇沢弘文先生、宮本憲一先生、大熊孝先生はじめ尊敬できる方ばかりだ。ただ文化人という言葉は嫌いなので、文化関係者であつめましょうということに。さっそくアーサー・ビナードさんが呼びかけ人になってくださる。呼びかけの文案を作る。この問題は複雑なのでどんどん長くなってしまいそう。洋子さんに見てもらう。

2月5日 表現の自由

2013年2月26日 火曜日

生活保護費を詐取した地方公務員など犬に食われればいいのに、と新聞を見ながらわめいていた。そしたらネットで爆破予告を書き込んだ人が逮捕されたとも出ていた。「うっかり犬に食われろ、とか首締める、殺したいとかいったら逮捕される時代になったんだね」というと息子「実行犯でないのに爆破予告だけで逮捕されたらおかしい。表現の自由をおかすことになる」という。亡き米原万里なんか、なんど「首締めてやる」と書いたことか。なんだか支配者に爆弾を投げつけることを夢想しただけで死刑になった大逆事件のころと似て来たな。
表現の規制ということでは音楽著作権協会もひどい。
一行引用しても6000円。これでは批評が成り立たない。われわれの著作物はいくら引用されてもただ。出版なんて営利企業どころかノンプロフィットなのだからしかたない。しかし音楽著作権に関する限り、「あの頃、「@@@@@@」という歌がはやりましたね、この@@@@@@という歌詞は時代を著していましたね」などと書くだけで6000円。
おなじくJRもひどい。この前『旅と鉄道』という雑誌の取材旅行に行ったが、駅ホーム、車体、車内などを撮影する際にもすべて許可がいる。一本前の列車に乗ったほうが取材時間がたっぷり取れるからのろうよ、といったのだが、それだと取材許可が取れてないので車内の撮影ができませんと言われて却下。
昨年10月、瓦礫処理反対デモでJR大阪駅構内を通った阪南大学准教授が威力業務妨害と不退去で逮捕されたそうだが、嫌がらせとしか思われない。駅はみんなのもので、公共空間であり、昔から新宿駅でフォークゲリラが歌ったり、詩集を売ったり、いろんな表現の場であった。だからこそ、JRが町の真ん中のいい場所を占有して東西交通も遮断するのもまあ認めようじゃないか、ということになっているはず。もともとは国有地だよ。

2月4日 市川団十郎

2013年2月26日 火曜日

市川団十郎さんがなくなった。勘三郎さんについで二大巨星墜つ。団十郎さんは美男子で人気を博した海老蔵を父に持ち、美男子で素行の悪い海老蔵を息子にもち、間にはさまって苦労されたと思う。支える人にめぐまれなかったような。文化審議会でご一緒したが、本当にまっすぐで、一人で文科省に対してもはっきりものを言った。それは聞いていても正論だった。そして会議が終わるとエレベーターのところで、どうぞ、と私を先に乗せてくれ、ドアを押さえてくれ、自分が乗っても下りる時にはどうぞ、と先に降ろしてくれた。人気商売だから気を使っているというより、天性のやさしい人で、ギャランだった。とっても大事な人をなくしたような気がする。私は海老玉コンビのころから高校生の時から見た舞台を忘れない。

2月1-4日 粟島行き

2013年2月26日 火曜日

新潟の絶海の孤島、粟島にタラの鍋とタラの刺身をお誘いにより食べにいく。
たらの白子、ギンパ草、岩のり、ソイの刺身、フグのぬか漬け、ホッケの煮物といった珍味もたくさんいただいた。酒は〆張鶴。塩野恵をうけて作られた葱やジャガイモがおいしい。なによりおばあさん、おじいさんたちが本当に働き者で、寒風吹きすさぶ中、岩のりをすのこの上に広げ干すのに夢中。これらも売れば高く売れると思うのに、それをせず、遠くに住む子どもや民宿のお客さんに送ってあげているというのが商品経済前の贈答の世界である。とにかくさぶい。島に一つの温泉であったまる。3日の朝出るはずのフェリーは思った通り欠航。でも12時半に出航したので予定通り、瀬波温泉に泊まって、新多久でお食事をして温泉につかってのんびり、帰りは新潟で15年ぶりくらいに新潟絵屋の大倉宏さんに再会して砂丘館を見学。日銀の支店長宅で福島と二つだけ残っている。すごい家である。日銀の支店長の権力や思うべし。

1月31日 先祖になる

2013年2月26日 火曜日

池谷薫さんの『先祖になる』というドキュメンタリーを京橋に見に行った。陸前高田に住む木樵のおじいさん77歳。家は津波で二階まで水がきて、消防団員だった長男をなくした。それでも避難所へ行かず、仮設にも入らず、ついには山の木を切って家の再建を果たしてしまう。その頑固爺ぶりに手を焼く奥さんの気持ちもよくわかる。死んだ長男の嫁をいたわる気持ちとそれにやっかむ妻との相克。そして近くに住む風来坊の後輩、彼は「直志さんが凄いのは当たり前のことをしているひとだからですよ」震災を取った映画の中でいままででベスト、と言い切れる。池谷さんと佐藤直志の幸福な出会い。「仮設には入らない。一年も仕事をしなかったら人間だめになる。もらいグセが付く」本当にそう思うなあ。仮設にいる人を悪く言うわけではない。仮設の人に仕事が見つからないことに忸怩たる思い。77でも働いていれば気分は20歳。

1月30日 体罰問題

2013年2月26日 火曜日

うちの娘は職場の上司に「どうしてそう思ったことをそのまま言えるんですか」とあきれられているらしい。それはうちの文化だ。でも日本人はほとんどそうしない。人の顔色を見て意見を言わない。「原発反対なんて言えないですよ」「じゃあ賛成なの」「個人的には反対ですけど」そんな会話ばかり。
体罰にて自殺した子どもの事件を機に教師による体罰問題がかまびすしいが、ネットを見ると、「僕のころはあんなもんじゃなかった」というような体罰自慢が目に付く。
私も小学4、5、6年を担任した竹石善一先生に、殴る、ひっぱたく、たたされる、棒で小突かれるなどの体罰をうけた。クラス中そうだった。そして先生は学校帰りに誰彼の家に上がって酒を所望したそうな。みんなのトラウマであって、だからいまもクラスメートは仲良しで、それは被害者同盟だから。柔道のパワハラ監督のこともよくぞ女子選手たちは告発したものだ。内柴とか言うセクハラ金メダリストも裁判所は被害者の言い分を認めた。自分でも経験あるが、そのときは混乱して何も言えない状態でも、その後、憶い出すたびに悔しさがこみ上げる。告発したくなる。何も言わなかったから合意があったなんて言はありえない。

1月29日 最後の宮大工?

2013年2月26日 火曜日

昨日の東京新聞、筆洗の欄で西岡常一棟梁を『最後の宮大工』と表現していた。それじゃあ、これから文化財の修復はできないことになる。じっさいには同じくらいの力量を持つ棟梁はおられる。西岡さんをカリスマに持ち上げたのはメディアで、「彼はマスコミに乗った最後の宮大工」ではあるかも。安易な表現はやめてもらいたい。
教職員が卒業式を抛りだして退職する。「教師にあるまじき行為」とせめるのも「生活があるからしかたがない」と擁護するのも経済の視点での話、と宮子あずささん。この欄で唯一、おもしろい。「卒業式にも出たくないほどいやな職場だったのだろうな」と内面に踏み込む。たしかに退職金は引き金に過ぎないかも。わたしにも「他に収入があったら森さんみたいに大学をやめたい」という大学教師の知人も多い。

1月28日 五島に核のゴミ施設?

2013年2月26日 火曜日

27日にオスプレイ配備反対集会に行って来た娘によれば、沖縄から100人以上の議員が上京、集会は労組など組織的な動員が多かった模様。でもそれを云々することはない。しかし沖縄の問題を我がことのように考えて参加する個人は原発の反対行動者より少ないのはたしか。原発は自分もすでに被害者だが、基地が沖縄にあれば自分には関係ない。
長崎の平和運動の象徴であった本島市長が五島列島に核のゴミ処分場を誘致する斡旋をしたというニュースにはショック。推進のNPOは東大名誉教授が理事で、東大に五島の中学生を招いて『原発は安全』の洗脳すら行ったとか。
反原発を脱原発だの卒原発だのといい変えて印象をソフトにしようという試みはなんだか小細工のように感ずる。反原発でいいのではないか?

1月27日

2013年2月26日 火曜日

急ぎの仕事、このところ毎日やって目がつぶれそう。3時半からジャズ喫茶・映画館で『デモクラシーナウ』の映像をいくつも見る。アメリカの市民メディアで、エイミー・グッドマンというラジオ出身のジャーナリストが1996年に始めた市民メディア。全米700のテレビ局で配信されているし、日本語版も見られる。責任者の中野真紀子さんも来てくれた。TPPについて、富裕層について、スペインの貧困層の住宅占拠について、アメリカでこんな番組が作られていることに驚く。
TPPは貿易協定の衣を着た企業による世界支配の道具 | Democracy Now!
私たちはすぐ『アメリカの野望』とか『アメリカの意向』という言葉を使うが、これはホワイトハウスなり、ペンタゴンなり、その背後にいるユダヤマネーなりの野望や意向であって、アメリカ民衆は別のことを考えている。彼等はウォール街の占拠(オキュパイ)運動もした。日本では職を得られず、貧困に留まる若者をはじめとする層が、このような運動に向かわない、のはどうしてなのだろうか? 番組ではノーベル経済学賞をとったスティーグリッツが、この10年、アメリカの中間層も没落した。1パーセントの金持ちの税率を上げろ、いや脱税をやめさせるだけで十分だ、とわかりやすい議論を展開していた。
ジョセフ・スティグリッツ:『世界の99%を貧困にする経済』 | Democracy Now!