2月5日 表現の自由

生活保護費を詐取した地方公務員など犬に食われればいいのに、と新聞を見ながらわめいていた。そしたらネットで爆破予告を書き込んだ人が逮捕されたとも出ていた。「うっかり犬に食われろ、とか首締める、殺したいとかいったら逮捕される時代になったんだね」というと息子「実行犯でないのに爆破予告だけで逮捕されたらおかしい。表現の自由をおかすことになる」という。亡き米原万里なんか、なんど「首締めてやる」と書いたことか。なんだか支配者に爆弾を投げつけることを夢想しただけで死刑になった大逆事件のころと似て来たな。
表現の規制ということでは音楽著作権協会もひどい。
一行引用しても6000円。これでは批評が成り立たない。われわれの著作物はいくら引用されてもただ。出版なんて営利企業どころかノンプロフィットなのだからしかたない。しかし音楽著作権に関する限り、「あの頃、「@@@@@@」という歌がはやりましたね、この@@@@@@という歌詞は時代を著していましたね」などと書くだけで6000円。
おなじくJRもひどい。この前『旅と鉄道』という雑誌の取材旅行に行ったが、駅ホーム、車体、車内などを撮影する際にもすべて許可がいる。一本前の列車に乗ったほうが取材時間がたっぷり取れるからのろうよ、といったのだが、それだと取材許可が取れてないので車内の撮影ができませんと言われて却下。
昨年10月、瓦礫処理反対デモでJR大阪駅構内を通った阪南大学准教授が威力業務妨害と不退去で逮捕されたそうだが、嫌がらせとしか思われない。駅はみんなのもので、公共空間であり、昔から新宿駅でフォークゲリラが歌ったり、詩集を売ったり、いろんな表現の場であった。だからこそ、JRが町の真ん中のいい場所を占有して東西交通も遮断するのもまあ認めようじゃないか、ということになっているはず。もともとは国有地だよ。