‘くまのかたこと’ カテゴリーのアーカイブ

6月11日 

2014年9月10日 水曜日

家にいてラジオ出演。こんなのを書いてみた。

「国立競技場を壊さない10の理由

1、IOCのアジェンダ21を遵守する

IOCは開催都市に、リオの環境サミットをふまえ、環境を守るために1999年に制定された「オリンピックムーブメンツ・アジェンダ21」を遵守することを求めています。

そこには、「既存施設を修理しても使用できない場合に限り、新しくスポーツ施設を建造することができる」(3.2.2)とあります。すでにJSCが久米設計に依頼した改修計画報告は777億円で改修可能という報告が出ています。トイレ、エレベーター、レストラン、バリアフリー施設の付加もできます。これに従って改修しましょう。

2 都心の緑を守る

アジェンダ21は「環境保全地域、地方、文化遺産と天然資源など全体を保護しなければならない」(3、2、3)と述べています。また「新規施設は・・廻りの自然や景観を損なうことなく設計されなければならない」とも述べています。神宮外苑の緑は、明治天皇の葬儀が行われた場所に、なくなった後も天から人々がスポーツを楽しむ姿を見たい、という趣旨で、1926年に作られた洋風庭園です。まさに「sports for all」。本多静六など林学者らが協力討議し人工林ながら現在の森が育っています。IOCに従い、緑地と公園を守りましょう。

3、文化財のバッファゾーンを守る

上記「廻りの自然や景観を損なわない」というIOCの求めに応じ、重要文化財聖徳絵画記念館を正面に見るバロック的景観、歴史的文脈を守るのは当然のことです。文化財のバッファゾーンはイギリス、ドイツ、フランスなどの先進国では特に守ることを義務づけられています。アジェンダ21は「競技施設は、土地利用計画に従って、自然か人口かを問わず、地域状況に調和してとけ込むように建築、改装されるべきである」(3.1.6)と述べてもいます。また施設は「地域にある制限条項に従わなければならない」ともいっており、オリンピック招致時には15メートルの風致地区、20メートルの高度地区がかけられていたこの土地の制限条項を守りましょう。さしたる論議もないまま、高さ制限を変えた都計審は自らの過ちを反省し、元に戻さねばなりません。

4、市民生活を楽しく

毎日、神宮外苑でジョギングや散歩、おしゃべりや憩いのひとときを過ごす人々の幸福権、隣接する都営霞ヶ丘団地の人々の居住権は日本国憲法が保証しています。「すべての個人が、尊厳を持って生活し、それぞれが属する社会で積極的に役割を果たすためには欠かせない文化的、物質的なニーズが満たされなければ、持続可能な発展は考えられない」というアジェンダ21を遵守すべきです(3・1)。

また「宿命的少数派や社会で最も恵まれないメンバーに、特に注意を払わなければならない」(同)と述べていますので、オリンピックを口実に路上生活者を排除しないということも、当然のことです。

5、われわれの聖地を大事にする

1958年のアジア大会のために建てられ、64年の東京オリンピックに改修された現在のスタジアムは、聖火台、壁画、織田ポールも含め、戦後の復興を果たした日本国民のシンボルであり、その後もサッカーの数々の名勝負が行われました。1936年完成のベルリンのオリンピックスタジアムを大事に継承しているように、レガシーとして継承するのは国民の義務です。形状も似た初代の競技場の学徒動員の記憶もそれには重なってくるでしょう。改修して使ったのちは、しかるべき文化財指定と活用が望まれます。

6、環境に配慮する

アジェンダ21は競技場の素材、廃棄物などについても環境保護を優先させています。

屋根材には使えない化学物質による膜を使うことはできません。また有限な資源を考慮するならば、自然エネルギー由来ではない電気仕掛けの可動椅子、開閉屋根、屋根があるために必要な空調、雪に耐えられないための融雪装置などを装備して電気を多用するのは、原発事故を起した国として慎まねばなりません。

7、持続可能な開発を

現行案では365日のうち40日くらいしか使うアテがありません。アジェンダが掲げる「持続可能な発展」のためには、巨額な建設費、維持費、改修費は避けなければなりません。未来の世代に対してツケとなります。ライフサイクルコスト、ファシリティマネジメントの観点からも精査しなければなりません。そうしないと、北京の鳥の巣はじめたくさんのスタジアムがたどったと同じ運命、「ホワイトエレファント」になってしまいます。

8、使い道をよく考えよう

招致に酔い、とにかくワールドカップやオリンピックに使えればよい、というのでは無責任です。将来どう使うのか。国税で大イヴェント会場を作るのは論外です。ビジネスのための場所は興行者が独自にお考え下さい。サッカー、ラグビー、陸上、その観客数、使用料、近隣スタとの競合なども精査し、一番効果的な道を探りましょう。ラグビーの試合はガラガラ、陸上には高くて借りられないなどのことがないように。IOCはおおむね6万以上を要求しており、8万のスタは招致都市が勝手に公約し、国会で決議しただけのまやかしの数字です。ロンドンのように仮設にしてダウンサイズする、仮設部分は後で外して東北の津波避難タワーにするなどの知恵を絞りましょう。

9、環境アセスをしっかりやろう

都はIOCの求めにより、環境アセスが義務づけられており、「環境負荷の最小化、自然と共生する都市計画、スポーツを通じた持続可能な環境づくり」というすばらしい目標を掲げています。そのまま実現してもらいましょう。これが形骸化した「環境アワスメント」にならないよう、委員会だけでなく市民が監視する必要があります。

10、ステークホルダーはパートナーである

都の「2020年東京オリンピック・パラリンピック環境ガイドライン」では「NGO、地域団体、公的機関、有識者、民間セクターとの協力・対話を行い……レガシーにつながる戦略の実施」を呼びかけています。今まで新国立競技場計画は秘密主義で進められてきましたが、これを改め、ステークホルダーをパートナーとして位置づけ、協力協働してこそ、2020年のオリンピック・パラリンピックは祝福されるでしょう」

縮小時代、成熟社会にふさわしいオリンピックを。

運動用とは別に、きれいなシンポのチラシもできました。

環境シンポジウムチラシ

6月10日

2014年9月8日 月曜日

文科省、オリパラ準備局、JSCなどへ解体への抗議書を持ってまわる。

「sports for all という考えがあります。もちろんスポーツが嫌いな人もいていいのですが、

オリンピックのために巨大で金のかかるスタジアムを作っても、みんなのスポーツをしたい環境は逆に壊されてしまうのです。新国立だけでなく、臨海部ではやっと育った森がきられ、庶民の体育館やテニスコートが壊されたり閉鎖されたり、使えなくなったりします。都営住宅の人々やホームレスの人々を外国からの客に見せたくないのです。

なんとまずしい国!」

6月7日

2014年9月8日 月曜日

池田香代子さんのご好意により、御茶の水のデモクラTVに出演。

6月末のザハとも思えない縮小案の発表以来、森喜朗氏などは専門家に説明すると言い出している。「私たちが幾ら運動し、17000人の賛同者を集めても、JSCもマスメディアも一顧だにせず「専門家からの異議」とか「世界的建築家の改修案」「専門家に対して説明する」というのは国民をなめているのでしょうか?(重里さんの記事のことではありませんが)

私たち17000人の中にはたくさんの専門家がいますし、私も編集、執筆、地域文化、まちづくりの専門家だと思いますが。こういう上から目線のやり取りでは本当にみんなのための公園や公共建築など作れないと思います」と新聞記者の友人に書く。

6月6日

2014年9月8日 月曜日

文化財特区の会議。夜は台東協同弁護事務所からわかれる清水さんたちのお祝い。

元IAIA会長原科幸彦先生からIOCに英文の手紙を出していただく。

手詰まりでいい知恵を貸してと頼んだ九州の友人より。「さて小生ごときに四面楚歌を打破する知恵はありません。あるとすれば、私見に過ぎませんが、この復興日本におけるエンパワーメントのありかたやスポーツ競技の社会的意義が大きな転換点を迎えており、より大きく、より早く、より高く、ではなく、きわめて内省的なデザインを生み出していく時代なのではないかと思うのです。この間、人知れず藤森さんがウィーン郊外に建てた鸛庵(こうのとりあん ストークハウス)が成熟の先にヒトを待望するヨーロッパ社会で大歓迎されている理由がよくわかります」。

6月5日

2014年9月8日 月曜日

「中央公論」「東京人」編集長などを務められた粕谷一希さんの告別式。護国寺にて。

その後、根津にて文京建築ユースの人たちと話す。「メディアはひっくり返らないと決まってから、社説に書き始めました。ザハのが建ったら、もう神宮へは金輪際行かない。丸ビルもまだ入ったことない」と友人にメール。越沢明さんは「都政新報」で神宮を高齢者・障がい者特区にしろといっている。椎名誠、池田香代子、大石芳野、五十嵐敬喜、芳賀徹、澤地久枝さんより、当会に賛同のご連絡があった。「◎芳賀徹 東京大学名誉教授 比較文化

前略、お手紙嬉しく拝見しました。その前にお送りくださったブックレットも拝見して多いに共鳴していたところでした。ザハという人の計画が初めて報道されたときから、地上に降りたUFOのような、東北の津波で町中に押し上げられた大型漁船のような、プラスティックの怪獣のような姿に驚き、呆れておりました。小生の好きな聖徳記念絵画館からの遠近法の景観が破壊されることも耐えられません。森さんたちの運動に大いに期待します。がんばってください」。

国立の椅子を外して東北に売るというようなことが始まっている。有森裕子が外しにきたという話もニュースになっている。

6月4日

2014年9月8日 月曜日

東京堂で「谷根千の小さな店」の発刊トーク。河上進さん、やっと一冊よく売れる本が出た。

日経新聞のアンケートでも60%以上が改修を望み、70%以上がザハ案は高くつきすぎるといっている。各紙の社説も再考を求め始めた。

15日の緊急シンポジウムの呼びかけ文を書く。

「5月28日、JSC(日本スポーツ振興センター)は新国立競技場の基本設計を発表しました。昨年11月26日の案を踏襲し、ザハの流線型の切れ味のない、フジツボのような形の競技場です。それでも巨大さは変らず、新素材を使うため屋根ではなく遮音膜と巧妙に言い換え、サブトラックや都営住宅にはなんら言及のないままです。

そして次々、さよならイベントをやって改築を既成事実化しています。有識者会議委員も「国民に説明する」とはいっていますが、議論の場でなく上から目線の「ご了承願いたい」になると思われます。しかしJSCはIOCのオリンピックムーブメント・アジェンダ21を踏みにじり、私たちの要求した久米設計の改修案を公開しないばかりか、有識者会議の議論やコンクール審査も基本設計の発表後に公開するという秘密主義です。東京都の環境アセスメントもオリパラ準備局のパブコメの告知さえ都環境局がしらないという秘密主義です。

今まで論議すべき資料も出していないのですから、議論はここからはじまるのです。

私たちユーザークライアント(納税者にして利用者)でありステークホルダー(利害関係者)である市民は「少なくとも半年は議論のために解体を延期する」ことを求めます。

まだ、説明も議論もなされず、構造的にも問題の多いザハ案を立てるめどが立っていないまま、現在の競技場を解体すると、オリンピックが開催できない自体も発生するかとおもいます。5月12日の改修案発表会に続き、今度は環境の面から見て、これを建てて良いのか、をヒートアイランド、環境アセス、都市計画の第一人者をお招きして話し合います。環境問題、初めてのシンポです。これが最後にならないよう、ふるってご参加下さい」。

6月2日

2014年9月8日 月曜日

市ヶ谷のルノワールにて、15日の環境問題をテーマにした公開座談会についての打ち合わせ。植生、地質、環境アセス、化学、放射線など多彩な顔ぶれ集まる。

IOCより当会にはバッハ会長の代理から返事は来た。でもこれも私たちがIOCのアジェンダ21を遵守するよう勧告してほしいと言ったのに「IOC/JSCとよく話し合うように」というだけで、ありがたがるほどのちゃんとした内容ではない。どうにか森喜朗氏、舛添都知事などと直接会えないかと思うが、つなぐ糸すらない。

6月1日

2014年9月8日 月曜日

本駒込図書館の40周年開館40周年記念講演に招かれる。

これが出来たのは私が大学生の頃だった。鴎外図書館、小石川図書館は閉架式だったので、とっても明るく見えた。講師控え室でもグワーンと冷房の音。講演中もものすごい音と冷気が吹き出し、それが直接当たるのでつらかった。でも止めると男の人たちが扇子を使い出すし。

建て替えなくてもいいからもう少し音の静かな冷暖房装置を附けてほしい。

参加された好宮というかたより、祖父好宮小十郎氏が谷中で「臥龍館」という下宿屋を開いていたことをしらないか? とメールをいただいた。それによると小十郎さんは山口県岩国の出身、明治時代、電気技師をして引退後上京、臥龍館を経営したという。また父上の好宮省一さんは荒川区尾久駅前で好宮写真館を経営していたという。ご存知の方、谷根千までご連絡を。

中島岳志『父・ボース』を読む。中島さんに感想を書く。「美しい本ですね。祖母黒光に相当振り回されたのがわかります。日印の混血として育ったことの思い、結婚した旦那様のことなど、もう少し聞きたかったような気もします。でも中島さんだからここまで話してくださったのでしょう」。

5月31日

2014年9月8日 月曜日

JSCは「さよなら国立」というイヴェントを催し、入場料を取ってさよならムードを盛り上げる。ブルーインパルスがくることもあってか3万5千人が入場。

5月30、31日 さよなら国立なんてたまるか

2014年7月29日 火曜日
八ッ場ダムの地質調査をしにいくはずが、胃の調子も悪く頭痛もしてダウン、かといって眠れる訳でもない。そうとう疲労蓄積。31日、大橋さんに別のシンポジウム登壇者を引き受けてもらったというのに、矢も楯もたまらず、国立競技場へ。きょうは「さよなら国立競技場イベント」で3万5000人も来ているという。一人から1500円もとるんだから、これでいくら収益があっただろう。そしてさよならムードの演出、腹が立ち、反五輪の会の方たちがマイクでアピールしませんか、といわれるのを幸い、千駄ヶ谷門で演説をしてしまった。チラシはとてもよく取ってくれた。「おしいわねえ、まだ使えるのに」「懐かしい競技場だから壊したくない」考えてみればみな好きだから来た人ばかりなのだ。

八ッ場ダムの地質調査をしにいくはずが、胃の調子も悪く頭痛もしてダウン、かといって眠れる訳でもない。そうとう疲労蓄積。31日、大橋さんに別のシンポジウム登壇者を引き受けてもらったというのに、矢も楯もたまらず、国立競技場へ。きょうは「さよなら国立競技場イベント」で3万5000人も来ているという。一人から1500円もとるんだから、これでいくら収益があっただろう。そしてさよならムードの演出、腹が立ち、反五輪の会の方たちがマイクでアピールしませんか、といわれるのを幸い、千駄ヶ谷門で演説をしてしまった。チラシはとてもよく取ってくれた。「おしいわねえ、まだ使えるのに」「懐かしい競技場だから壊したくない」考えてみればみな好きだから来た人ばかりなのだ。