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日々録   2004年10月
No.885  2004年10月2日(土)

今日から谷中芸工展
早番で店にいくと、ウインドウと店内にコバちゃんこと小林幸弘さんの写真が飾られていた。
コバちゃんもご近所在住なので、よく見ると私も見慣れた景色が多い。よく見ると、というのはモノクロだということもあるのかもしれないけれど、眼差しが私と微妙に違うから一瞬全然知らない風景に見えるのだ。たぶん、コバちゃんの眼差しは優しいのだ。同じ景色でも私が見るのよりも温かい感じがする。おもしろいなぁと思う。

昼はひとりなので、届いていた『未来』と『シェルタリング・スカイ』を持って久しぶりにドトールに行った。『未来』は古書現世のセドローくんこと向井さんの「開店まで 早稲田古書店街外史」を毎号楽しみにしている。今回は金峯堂書店。店の隣が火事になって、放水しなければならなくなったところ、胸がつぶれそうになって読んだ。
ポール・ボウルズの『シェルタリングスカイ』は、ベルトリッチの映画を先に観ているのだけど、2、3年前には掃いて捨てるほど、は大袈裟にしても、必ず一冊は店にあるような本だったのに、原作を読みたくなって気付くと全然見かけなくなり、やっと入ってきたので読んでいる。
余談ですが、『ポール・ボウルズの告白』という亡くなる直前のボウルズのインタヴューフィルムが面白いので、DVDを店に置くことにしました。

夜は、宮地とD坂シネマ館へ。
これは、谷根千さんの谷中芸工展参加企画。今日、5日、7日、11日の夜、谷根千工房が映画館に変身し、それぞれすべて違うプログラムが上映される贅沢な企画。
お腹が鳴るといけないと思いバナナ2本平らげてから出掛けたら、飲み物も、スナックも豊富に用意されていた。10円から300円までとお値段も良心的。腹ヘリで駆けつけても問題なし。
今日のプログラムは、団子坂上にお住まいだった熊沢半蔵さんのアニメーション、池之端七軒町パチリ会撮影の「わたくし達の街」(53年)、本郷通り沿いの床屋さんがお父さんから聴いた昔の町並みを絵図にしそれをもとにした「絵図に偲ぶ江戸のくらし」(77年)、「谷中の住まいと生活」(80年)。それと、11日に上映予定の「20年後の東京」(47年)。
熊沢さんのアニメーションは、ちょっととぼけたような絵が、時に郷愁を誘い、時にナンセンスなおとぎ話になっていて、いくつ観ても飽きることがない。
古い町並の映像は、私たちは越してきてまだ10年に満たないが、それでもふだん暮らしている町の昔の風景は興味深く、どれもとてもおもしろかった。
特にタイトルからは想像できないほどおもしろかったのは、「20年後の東京」。冒頭の映像は戦後二年目の焼け野原、そして「今こそがチャンスです」という衝撃的なナレーションで始まる。これは東京都の都市計画の部署(正式な名称は忘れてしまいましたが)が制作したもので、西洋コンプレックスの裏返し、突抜けてしまったポジティブさで「民主主義の友愛あふれる町づくり」を目指した東京都の、今なら不適切な表現炸裂、お上の本音が気持ちよいほど無邪気に語られた、笑わずにはおれない衝撃作だった。
やはり近所に映画館があるっていうのはいいもんだなぁと、ご満悦で帰路についた。

(ミカコ)

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