2014年9月 のアーカイブ

6月16-18日

2014年9月10日 水曜日

疲れがたまったので丸森の友達たちと岩手県花巻近くの大澤温泉に行く。今までとまった温泉宿ベストテンに入れなくては。1万円で山水館にとまり、夕食は程よい量で質もよい。宿の人は皆感じがよく、泉質は最高。露天風呂も含めお風呂は7、8つもある。この次は自炊部屋で一人こもって仕事したい。廊下側でない方で。しかしたいへんメニュー豊富な食堂もあるので、別に自炊しなくても良さそうだ。帰りは白石の早川真理さんちに泊まる。なんとこのすてきな市営住宅を設計したのはこの次の国立を囲む会を提案した建築家の北岡さんらしい。

6月15日

2014年9月10日 水曜日

環境問題に関する緊急シンポジウム、建築家会館にて。すべてすばらしかった。

特に伊藤谷生さんが交渉してくださった元首都大の三上先生が、ご自分でデータを集め、神宮外苑、新宿御苑、東宮御所などがあるため、緑地で冷やされた夜の冷たい空気が周辺ににじみだし、東京都心のヒートアイランド化を防いでいることがよくわかった。

「JSCが建築学会・東大に依頼して『コンクリートの劣化』を調査とのニュース。いかにも劣化しているかのような印象を与えます。これがニュートラルな調査だといいのですが、解体の口実に使われるかもしれず、警戒が必要です。久米設計の11年の調査では大丈夫ということになっているので、これをJSCは握りつぶしたと思われます」と科学者グループにメール。

裁判の可能性をさぐっています。なかなか係争点が見つけられないのと、覚悟を決めた原告を近隣住民に見つけられるかどうか、費用の点でも難題があります。

6月14日

2014年9月10日 水曜日

映画館にて瀬川昌彦さんの戦前のジャズと映画に関するトークを聞く。

私の取ったもずくを喜んで食べてくれる大阪大学の深尾葉子さんにもずくを送る。「竹富のおじいは『塩蔵すれば竹富でも常温で一年保つ』というのですが、私は心配で、少しだけ送りました。でも家にはまだたくさんありますので、もし足りなくなったらまた送ります。

スーパーのと全然違うでしょ。もずくをお鍋でひたしておくと、それで塩抜きになり、そのままスープにしてもいいし、もずくの天ぷら、もずくの卵焼きもおためしあれ!

来年は春の大潮の頃、竹富にもずく取りに行きませんか? シャコガイやタコもとれますよ」

6月13日

2014年9月10日 水曜日

霞ヶ丘の住民と会う。午後記者会見、夕方BPOの会議。

ブラジル・リオでのサッカーワールドカップはドイツの圧勝に終わった。メルケルも最後は近くで応援していたから、オリンピックやワールドカップがナショナリズムと政治に使われるのははっきりしている。事前には貧困層のデモや暴動があるのではないかと言われていたが、報道の仕方によるのか、無事に終わったように見える。

6月12日

2014年9月10日 水曜日

あんまり疲れたので、安富歩さんに恵比寿の呉先生を紹介していただき、鍼をうってもらう。「世界」で鈴木知幸さんと原科幸彦さんと新国立競技場計画について話し合う。

京都の安藤忠雄の講演に行った人から「JSCは頭が悪い」「森喜朗から電話があってブラジルでオリンピックが危ぶまれるので、2016も東京でやってくれないかと打診があったいうことだ」と発言したとか。16年なら今のでやれるからいいかも。でもやるならロンドンで2回だろう。やったばかりで設備そろっているんだから。

6月11日 

2014年9月10日 水曜日

家にいてラジオ出演。こんなのを書いてみた。

「国立競技場を壊さない10の理由

1、IOCのアジェンダ21を遵守する

IOCは開催都市に、リオの環境サミットをふまえ、環境を守るために1999年に制定された「オリンピックムーブメンツ・アジェンダ21」を遵守することを求めています。

そこには、「既存施設を修理しても使用できない場合に限り、新しくスポーツ施設を建造することができる」(3.2.2)とあります。すでにJSCが久米設計に依頼した改修計画報告は777億円で改修可能という報告が出ています。トイレ、エレベーター、レストラン、バリアフリー施設の付加もできます。これに従って改修しましょう。

2 都心の緑を守る

アジェンダ21は「環境保全地域、地方、文化遺産と天然資源など全体を保護しなければならない」(3、2、3)と述べています。また「新規施設は・・廻りの自然や景観を損なうことなく設計されなければならない」とも述べています。神宮外苑の緑は、明治天皇の葬儀が行われた場所に、なくなった後も天から人々がスポーツを楽しむ姿を見たい、という趣旨で、1926年に作られた洋風庭園です。まさに「sports for all」。本多静六など林学者らが協力討議し人工林ながら現在の森が育っています。IOCに従い、緑地と公園を守りましょう。

3、文化財のバッファゾーンを守る

上記「廻りの自然や景観を損なわない」というIOCの求めに応じ、重要文化財聖徳絵画記念館を正面に見るバロック的景観、歴史的文脈を守るのは当然のことです。文化財のバッファゾーンはイギリス、ドイツ、フランスなどの先進国では特に守ることを義務づけられています。アジェンダ21は「競技施設は、土地利用計画に従って、自然か人口かを問わず、地域状況に調和してとけ込むように建築、改装されるべきである」(3.1.6)と述べてもいます。また施設は「地域にある制限条項に従わなければならない」ともいっており、オリンピック招致時には15メートルの風致地区、20メートルの高度地区がかけられていたこの土地の制限条項を守りましょう。さしたる論議もないまま、高さ制限を変えた都計審は自らの過ちを反省し、元に戻さねばなりません。

4、市民生活を楽しく

毎日、神宮外苑でジョギングや散歩、おしゃべりや憩いのひとときを過ごす人々の幸福権、隣接する都営霞ヶ丘団地の人々の居住権は日本国憲法が保証しています。「すべての個人が、尊厳を持って生活し、それぞれが属する社会で積極的に役割を果たすためには欠かせない文化的、物質的なニーズが満たされなければ、持続可能な発展は考えられない」というアジェンダ21を遵守すべきです(3・1)。

また「宿命的少数派や社会で最も恵まれないメンバーに、特に注意を払わなければならない」(同)と述べていますので、オリンピックを口実に路上生活者を排除しないということも、当然のことです。

5、われわれの聖地を大事にする

1958年のアジア大会のために建てられ、64年の東京オリンピックに改修された現在のスタジアムは、聖火台、壁画、織田ポールも含め、戦後の復興を果たした日本国民のシンボルであり、その後もサッカーの数々の名勝負が行われました。1936年完成のベルリンのオリンピックスタジアムを大事に継承しているように、レガシーとして継承するのは国民の義務です。形状も似た初代の競技場の学徒動員の記憶もそれには重なってくるでしょう。改修して使ったのちは、しかるべき文化財指定と活用が望まれます。

6、環境に配慮する

アジェンダ21は競技場の素材、廃棄物などについても環境保護を優先させています。

屋根材には使えない化学物質による膜を使うことはできません。また有限な資源を考慮するならば、自然エネルギー由来ではない電気仕掛けの可動椅子、開閉屋根、屋根があるために必要な空調、雪に耐えられないための融雪装置などを装備して電気を多用するのは、原発事故を起した国として慎まねばなりません。

7、持続可能な開発を

現行案では365日のうち40日くらいしか使うアテがありません。アジェンダが掲げる「持続可能な発展」のためには、巨額な建設費、維持費、改修費は避けなければなりません。未来の世代に対してツケとなります。ライフサイクルコスト、ファシリティマネジメントの観点からも精査しなければなりません。そうしないと、北京の鳥の巣はじめたくさんのスタジアムがたどったと同じ運命、「ホワイトエレファント」になってしまいます。

8、使い道をよく考えよう

招致に酔い、とにかくワールドカップやオリンピックに使えればよい、というのでは無責任です。将来どう使うのか。国税で大イヴェント会場を作るのは論外です。ビジネスのための場所は興行者が独自にお考え下さい。サッカー、ラグビー、陸上、その観客数、使用料、近隣スタとの競合なども精査し、一番効果的な道を探りましょう。ラグビーの試合はガラガラ、陸上には高くて借りられないなどのことがないように。IOCはおおむね6万以上を要求しており、8万のスタは招致都市が勝手に公約し、国会で決議しただけのまやかしの数字です。ロンドンのように仮設にしてダウンサイズする、仮設部分は後で外して東北の津波避難タワーにするなどの知恵を絞りましょう。

9、環境アセスをしっかりやろう

都はIOCの求めにより、環境アセスが義務づけられており、「環境負荷の最小化、自然と共生する都市計画、スポーツを通じた持続可能な環境づくり」というすばらしい目標を掲げています。そのまま実現してもらいましょう。これが形骸化した「環境アワスメント」にならないよう、委員会だけでなく市民が監視する必要があります。

10、ステークホルダーはパートナーである

都の「2020年東京オリンピック・パラリンピック環境ガイドライン」では「NGO、地域団体、公的機関、有識者、民間セクターとの協力・対話を行い……レガシーにつながる戦略の実施」を呼びかけています。今まで新国立競技場計画は秘密主義で進められてきましたが、これを改め、ステークホルダーをパートナーとして位置づけ、協力協働してこそ、2020年のオリンピック・パラリンピックは祝福されるでしょう」

縮小時代、成熟社会にふさわしいオリンピックを。

運動用とは別に、きれいなシンポのチラシもできました。

環境シンポジウムチラシ

6月10日

2014年9月8日 月曜日

文科省、オリパラ準備局、JSCなどへ解体への抗議書を持ってまわる。

「sports for all という考えがあります。もちろんスポーツが嫌いな人もいていいのですが、

オリンピックのために巨大で金のかかるスタジアムを作っても、みんなのスポーツをしたい環境は逆に壊されてしまうのです。新国立だけでなく、臨海部ではやっと育った森がきられ、庶民の体育館やテニスコートが壊されたり閉鎖されたり、使えなくなったりします。都営住宅の人々やホームレスの人々を外国からの客に見せたくないのです。

なんとまずしい国!」

6月7日

2014年9月8日 月曜日

池田香代子さんのご好意により、御茶の水のデモクラTVに出演。

6月末のザハとも思えない縮小案の発表以来、森喜朗氏などは専門家に説明すると言い出している。「私たちが幾ら運動し、17000人の賛同者を集めても、JSCもマスメディアも一顧だにせず「専門家からの異議」とか「世界的建築家の改修案」「専門家に対して説明する」というのは国民をなめているのでしょうか?(重里さんの記事のことではありませんが)

私たち17000人の中にはたくさんの専門家がいますし、私も編集、執筆、地域文化、まちづくりの専門家だと思いますが。こういう上から目線のやり取りでは本当にみんなのための公園や公共建築など作れないと思います」と新聞記者の友人に書く。

6月6日

2014年9月8日 月曜日

文化財特区の会議。夜は台東協同弁護事務所からわかれる清水さんたちのお祝い。

元IAIA会長原科幸彦先生からIOCに英文の手紙を出していただく。

手詰まりでいい知恵を貸してと頼んだ九州の友人より。「さて小生ごときに四面楚歌を打破する知恵はありません。あるとすれば、私見に過ぎませんが、この復興日本におけるエンパワーメントのありかたやスポーツ競技の社会的意義が大きな転換点を迎えており、より大きく、より早く、より高く、ではなく、きわめて内省的なデザインを生み出していく時代なのではないかと思うのです。この間、人知れず藤森さんがウィーン郊外に建てた鸛庵(こうのとりあん ストークハウス)が成熟の先にヒトを待望するヨーロッパ社会で大歓迎されている理由がよくわかります」。

6月5日

2014年9月8日 月曜日

「中央公論」「東京人」編集長などを務められた粕谷一希さんの告別式。護国寺にて。

その後、根津にて文京建築ユースの人たちと話す。「メディアはひっくり返らないと決まってから、社説に書き始めました。ザハのが建ったら、もう神宮へは金輪際行かない。丸ビルもまだ入ったことない」と友人にメール。越沢明さんは「都政新報」で神宮を高齢者・障がい者特区にしろといっている。椎名誠、池田香代子、大石芳野、五十嵐敬喜、芳賀徹、澤地久枝さんより、当会に賛同のご連絡があった。「◎芳賀徹 東京大学名誉教授 比較文化

前略、お手紙嬉しく拝見しました。その前にお送りくださったブックレットも拝見して多いに共鳴していたところでした。ザハという人の計画が初めて報道されたときから、地上に降りたUFOのような、東北の津波で町中に押し上げられた大型漁船のような、プラスティックの怪獣のような姿に驚き、呆れておりました。小生の好きな聖徳記念絵画館からの遠近法の景観が破壊されることも耐えられません。森さんたちの運動に大いに期待します。がんばってください」。

国立の椅子を外して東北に売るというようなことが始まっている。有森裕子が外しにきたという話もニュースになっている。