2013年7月 のアーカイブ

7月1日

2013年7月24日 水曜日

まだ由布院。映画の骨休め。午前中は蓄音機でカザルスなどを聞き、2時から体のストレッチなど、4時すぎにおそばを食べ、温泉に入って6時近く空港へ。帰ると家があんまり汚いのでヒステリーを起こし、こどもたち慌てる。

6月30日

2013年7月12日 金曜日

朝からとっても勉強になる『記録映画の保存と活用を考える』国立近代美術館フィルムセンターのとちぎあきらさんが大分ゆかりのフィルムをもってきてくれた。『美の哀史』は戦後はやくに撮られた大分の磨崖仏。『長大コンクリートアーチ橋』は制作者・鹿島建設にも原盤が無いという。『湯の町と火の山へ』(川喜田壮太郎監督)は由布院や阿蘇の風景、愛妻が映っている。1946年というが長い羽織に派手な模様、耳隠しという大正デモクラシー的なおしゃれ。川喜田半泥子のむすこのいってみれば金持ちの贅沢な旅のフィルム。それぞれに面白い。
それにしてもフィルムアーカイブに携わる国家公務員は日本には6人しかいないそうな。韓国には100人、アメリカに1000人、ロシアには6000人いるという。これは山崎に聞いた話。東京オリンピックなんかするよりこっちにお金を回せと言いたくなる。
『こまどり姉妹がやってきた』(片岡英子監督)洋物の方が好きだった子ども時代、厚化粧の着物の演歌、こまどり姉妹より、ザピーナツの方が好きだったなあ。こまどり姉妹は北海道の炭坑の鉱夫を父にもち、貧困から好きでもない歌の門付、ラッキーなデビュー、やっかみ、父母の死、恋愛、病気、一難去ってまた一難。これは再現芸術と化した貧乏伝説かとさえ思ってしまう。お二人が仲が良いのはよくわかるが、「歌が嫌いだけど貧乏だったから」というこまどり姉妹より、『歌が大好き、きれいなおべべも着たかった」から芸者になったという小梅姐さんのほうが好きだ。
『日本国憲法』(ジャン・ユンカーマン監督)
この作品の概略を述べるのは難しい。「憲法9条は2000万の犠牲者をだしたアジアの国にとって謝罪と受け止められている」というフレーズが頭に残った。日本軍の空爆や地上戦によって死んだ人々もいれば、戦場となって巻き込まれた人々もいる。日本人にとっても息子や夫を戦場に連れ去られないという保証なのに。
『立候補』(藤岡利充)これが今回のベストではないがショック。泡沫候補という日本語のなんともいえないおかしなぴったり感。大阪府知事選に出た4人の泡沫候補を追いかける。編集が見事というかフレッシュ、いやいやあざとい。爆笑しながら、たいして政策も無いじゃないか、とは思いつつ、自分は有権者としてマック赤坂以上のことをしているか?と自問自答せざるを得ない。最終日の阿部首相の街頭演説にさざめく日の丸、マックへの帰れコール、日本は恐ろしいことになっている感じ、それに立ち向かうマックに一票! 橋下徹の人格の冷たさとマキャベリズムもよく透けてみえる。
『タケヤネの里』(青原さとし)日本人の暮らしに深く根を下ろしたタケ。その文化をオーソドックスな手法でこれでもかと描ききる。音もすばらしい。でも11本の果てに2時間はちょっとこちらも電池切れ。
打ち上げは由布院料理研究会の板前さんたちのプレゼント、大変おいしゅうございました。
ことしもいってよかったなー。

6月29日

2013年7月12日 金曜日

朝からみまくり。『石炭奇想曲』(北海道文化放送)夕張炭坑の閉山と行政の経営破綻、しかし石炭は相変わらず輸入中、火力発電ががんばってくれないと原発なしで暮らせない。それはどこからくるか? ベトナムで炭坑技術を伝える日本人たち。日本にもいくらでも石炭はあるらしいが、掘るのが高くつく。それと化石燃料悪者説の国際宣伝による。
『水になった村』は友人大西暢夫さんの作品で既に数回見ているのでこの間に温泉とご飯。
松川賞は若い二人、『ホッパーレース』(環境テレビトラストジャパン)雲霞の大量発生は実は農薬使用が原因だった。天敵を殺してしまうから、という科学ドキュメンタリーはアジアの生物学者たちの戦いを紹介してすばらしいが、やや国際会議などの場面が多すぎた。
『桃と小桃と小桃丸』は鎌倉で女性で初めて漁師になった桃子さんと高校を卒業して弟子入りした小桃さんを描く。鎌倉の海のすばらしさ、イナダはあんなおっきいのに300円にしかなんない、しらす漁はとっても大変など知らないことがいっぱいわかる。もう少し彼女たちの背景を突っ込んでほしかったかな。なんとしっかりした少女だろう。
『いって・らっしゃい』(東京シネマ新社)カザフスタンには1937年に沿海州から強制移住させられた高麗人19万人がいる。いっぽう1944年にカフカスから強制移住させられたチェチェン人が50万人もいる。ほとんど日本人が知らない話。在日三世の姜信子さんとチェチェン人ジャーナリストザーラさんがぞれぞれの問題を追いかける交わるようで交わらない旅路。チェチェンの歌とアリランがハーモニーとなるが、やっぱりわからない。姜さんの明快なゲストトークでそのわからなさの原因はよくわかったのだけど。
『スケッチ・オブ・ミャーク』(大西功一監督)宮古島に伝わる神歌を継承する人々の話。宮古へ行ってみたくなる。しかしゲストトークでは、ことし神司が決まらずに100もの神行事ができないという。神司は50代の既婚の女性の夫の名を書いた紙をふって決める。独身者や島外の女性はなれない決まりだ。最近は島外から嫁いだ女性でもいいではないかということになりかけているらしい。しかし今年あたった人は固辞。あまりにも神行事で忙しく、負担が大きいせいらしい。だから3年交代だそうだが、やめてからも後進の指導もありビッチリ9年はかかるという。夜は懇親会。料理がおいしい。
霧島酒造さんの焼酎もおいしい。

6月28日

2013年7月12日 金曜日

すべてを投げ出し、由布院の文化記録映画祭へ。「もりさん、いつきたの?」とかみんな聞いてくれてうれしい。前夜祭、『小梅姐さん』最高です。日本のアマリア・ロドリゲス。太ってたって色気あるいい女はいるもんだ。それにすごい声量。九州の炭坑に生まれた気っぷのいい女。
映画見てご飯食べて温泉はいっての至福の3日間。一足先についた山崎と、大して話もしないが一緒にいると楽しい。二次会で大好きなバー・ステアへ。俳優みたいな渋い二枚目がバーテンさん(経営者)です。

6月27日

2013年7月12日 金曜日

『未来の漢方』の共著者、津田徳太郎医師が高く評価している増永静人さんのおられた医王会に指圧をしてもらいにいく。いい先生を紹介してもらっても遠いとだめ、盛り場を通るのがだめの私には、春日乗り換えで15分もあればいけるここはとてもありがたい。強く押さない経絡の治療。帰りにお粥を食べ、見たら東西めぐりんが来たので飛び乗り、念願の「漱石と美術」を芸大美術館で見た。漱石って南方熊楠なみのシャッターのような目をしていたのだ。イギリス滞在中に見た名画を縦横に作品で文章で再現しちゃうんだもん。拙著『千駄木の漱石』がこの本が売れない時期に再版になったのも漱石先生のおかげ、いやこの美術展のミュージアムショップにあって驚いたのだ。そのおかげかな?

6月26日

2013年7月12日 金曜日

谷根千読者からのたより。「森さんは谷根千の15号で書いていましたね。『チェルノブイリ以降のニュースは空恐ろしく、もうお金も名誉もいらない。みんな生かしておいて、お願いだから』と。放射能の恐ろしさを森さんは20年以上前に予言されていたのですね。本当に胸を打たれました」。たしかに予言はした。したがそのあとずっと油断していたのである。3時にサンドさんが東大の留学生たちを連れてきてくれて、この前の町歩きの説明の英語をチェック。夜は関西学院大にいらした片寄俊秀先生と教え子たちと四谷のラビータへ。本当はラ・ヴィータなはず。
この店は陣内秀信さんから教わり、須賀敦子さんを誘った。「ラビータよ」とわたしがいうと、須賀さんは???だったが、ややあって「ラ・ヴィータでしょ」とまともなイタリア的発音で納得してくれた。オーナーシェフによると、その後、なんどもいらしたそうで。上智大学も近いしね、と話していたら片寄さんとシェフはミラノのイタリア語学校で一緒だったとか。

6月25日

2013年7月12日 金曜日

漢方の本の仕上げ中。―津田先生の初めての本だから、実用書みたいでなく、しっかりした内容がわかるように『未来の漢方――ユニバースとコスモスの医学』となる。

6月24日

2013年7月12日 金曜日

都議選、きのうぎりぎりにサトコといったかいがあった。二人区で共産党が一議席を占めたところはほかにない。文京区の民主主義的成熟度は高い。自民党の憲法改悪、原発続行の姿勢を最も強く批判している候補者に入れた訳だ。でも候補者ご本人も高齢だし、次はもっと若いフレッシュな候補者を出してほしい。4年間、激職で御体を壊さないように用事があって朝の高速バスで行き、富楽里でイカやタコやイナダ,そして野菜とびわを買って帰る。何となく悩ましく、疲労回復ができない感じ。どうやって休んでいいかわからない。こういうときは楽しい映画にかぎる。

6月23日

2013年7月12日 金曜日

父の七回忌。光源寺の奥様は「谷根千・駒込・光源寺隊」を率いていわき支援を続けておられ頭が下がる。その手伝いをしていたり、ここのお寺の境内で遊ばせている若いお母さんたちの中でも、関西や九州へ避難していく人が多い。白山の尾根筋も線量は高いという。「出て行くときに仲間や近所の人に挨拶もなくそっと出て行かれる方もあって、その気持ちもわかりますが、やっぱり挨拶はしてほしいですね」。東京もすでに福島や宮城のようなことになりつつあるのか。
小金井の本土寺に母の要望であじさいを見に行く。

6月22日

2013年7月12日 金曜日

こりもせず、新宿のカタログハウスで「ドイツ再生エネルギーを考える旅」の報告会。こちらは『シェーナウの想い』上映付きのためか、150人くらいがいらした。でもコージェネレーションの機械や、シェーナウの市民電力会社にどうやってドイツ全土から加入できるのか、難しいことを質問されたらどうしようとドキドキ。白山にて「もりちゃんの講演会の打ち上げ」なる催しが小学校の同級生によって開かれる。ありがたく、たのしい。