あしたの会の最初のころ、都市計画家たちが八ッ場の再建に協力してまちづくりのイメージなどを書くのに協力してくれたことがあるという。いっぽう国交省や県はクアハウスだの、ダイエットバレー構想だの。30代以上の女性をターゲットに長期滞在でやせさせるためのエステやサイクルセンターを作るのに予算を付けようとしたりした。またこんな荒唐無稽なプランを書いたコンサルももうけたんだろうね。だれだ? 通販生活や東京新聞、かがり火、NHKなども報道や記事にすることを検討中と言う。いっぽう東京駅のスレートのときもそうだったが、それぞれが自分の思い入れを書いて拡散するので「森さんがヤンバダムに反対する賛同者を集めています」というようなツイッターも出回った。主婦、年金生活者、会社員、といった肩書きを書いてくる方もいて、どうにか文化関係の活動なさっていることにしてくださいとメール返信も大変。
‘くまのかたこと’ カテゴリーのアーカイブ
2月13日
2013年2月26日 火曜日2月12日
2013年2月26日 火曜日それぞれ提案がある。八ッ場の見学会をしたらどうか、うちの店で映画会をしてもいいよ、など。どれもたのしそう。鞆の浦の運動、川辺川の運動にも学ぶべきことは多い。鳥取県の県営ダムを片山知事は中止してあやまって歩いた。そのくらい責任をとる県知事や官僚がいないのだ。どんな間違った政策を遂行し、税金をどぶに捨てても責任を問われないで、退職金や年金をもらえるというのが、日本のシステム。徳川時代の官僚は間違ったら切腹したのだがなあ。
セネガルのユニセフにいる横関さんからも賛同。上の階の飲み仲間、うちの旦那はアフリカ研究者なのよ、としか知らなかったが、お正月にも一緒にワインを飲んだポールさんはロンドン大学の教授だったとは、ちっとも知らなかった。ロンドンの森島通夫先生の奥さまの瑶子さんからも、ドイツでお話を聞いた「ミミズのカーロの」翻訳家今泉みね子さんからも、海外から一杯賛同が来た。
2月11日
2013年2月26日 火曜日今回は遺跡を守れというアピールなのだけど住民のことを考えないわけにはいかない。60年間ダム計画に振り回されて来た住民。もう亡くなったり、移転した方も多く、残っているのは4分の1、あらためて「国民を幸せにしないことばかりやっている国家」に怒りが湧く。もちろん「あしたの会」は住民の生活再建法を掲げてはいるのだが。だからこそこんなことにならないように、各都県でもずっと裁判をして来た住民がいるのだが。「八ッ場住民がかわいそう」だから正しい意見を表明してはいけない、「アピールするなら住民に責任をとれ」みたいないい方はおかしい。住民をこんなことに追い込んだのは誰なのか、責任をとるべきなのは国と県と長野原町だ。
だれかが「勝てない運動に関わるばかはいない」と言っていたが、そうなのかな。最後の悪あがきになるのかな。いや、勝てなくてもやらなくちゃ、おかしいと思ったら。目をつぶると岸田衿子さんと田中正造が浮かぶようになった。
2月10日
2013年2月26日 火曜日「科学者の会」や呼びかけ文の添付ファイルが重すぎるので開けなかったり、はじかれることが多く、もういちど軽いのを作り直す。ふう。小泉和子先生から「私もローテクでこのパソコンが古いので、確認のため再度、賛同のお返事をします」とメールをいただいたが、わたしのパソコン技術でこんなことできるのかいな。でも渡辺さんは群馬だし。利根川下流の有識者会議などで飛びまわっている。こまったこまった。どんどん賛同来る。他に呼びかけてくれる人も。前田哲男さんは「大飯再稼働とおなじく民主党失敗の象徴」と。劇作家の坂手洋二さんと翻訳家の金原瑞人さんが呼びかけ人になってくださった。勇気百倍。
「科学者の会のかたがたのお名前に信用があるのだと思います。それと総選挙で無力感と挫折感を感じた心ある人たちがそうだ、八ッ場で何かできるかも、と思ったのだと思います」と洋子さんにメール。
2月9日
2013年2月26日 火曜日メールでの呼びかけに答えてくれた第一号は油井文江さん、私が22歳で最初にPR会社に入った時の上司。ニュースレターの書き方を教えてくれた恩人だ。「双葉から遠くはなれて」の舩橋淳監督は3号。石見銀山の松場ご夫妻が4、5号。
平野甲賀・公子夫妻も。信頼するかたがたが信頼して賛同してくださったのもうれしいし、久しぶりに連絡の取れた方もいる。
2月8日
2013年2月26日 火曜日「有名な呼びかけ人を集める必要もない。ほんとうにそう思った人が運動を起こす。差別しないでみんなの名前を載せる。その中に有名なひとも混ざっている、そんなふうに、新しい動きを作って行けたらと思います。
とりあえず私は自分の関係者に私とアーサーさんの名において呼びかけます。
そんなに動けない、動く気のない人を前面に出すことはない、とも思いました」
2月7日
2013年2月26日 火曜日「首都圏の都市用水の開発が目的とされ、―――こういう熟語の重なった文章はよみにくいです。首都圏もすぐ前にありますし。起債利息って何だろうな、と思うともうそこで読むのがいやになります。超高盛り土も正確かも知れませんが、説明がないとわかりません。『その実現をともに目指すために』はどこかの党みたいなので取りました」と私がメールしたりして、こんなやりとりの後、完成。
渡辺さんは八ッ場もの知り博士のように「治水効果がないことについての説明」や「遺跡の現状」についても的確に教えてくれる。
2月6日
2013年2月26日 火曜日八ッ場ダムで出て来た江戸時代のムラの遺跡保存を訴える「科学者の会」の要請に賛同する文化人の会を立ち上げてほしいと言う頼みが「八ッ場あしたの会」の渡辺洋子さんからある。科学者の会は宇沢弘文先生、宮本憲一先生、大熊孝先生はじめ尊敬できる方ばかりだ。ただ文化人という言葉は嫌いなので、文化関係者であつめましょうということに。さっそくアーサー・ビナードさんが呼びかけ人になってくださる。呼びかけの文案を作る。この問題は複雑なのでどんどん長くなってしまいそう。洋子さんに見てもらう。
2月5日 表現の自由
2013年2月26日 火曜日生活保護費を詐取した地方公務員など犬に食われればいいのに、と新聞を見ながらわめいていた。そしたらネットで爆破予告を書き込んだ人が逮捕されたとも出ていた。「うっかり犬に食われろ、とか首締める、殺したいとかいったら逮捕される時代になったんだね」というと息子「実行犯でないのに爆破予告だけで逮捕されたらおかしい。表現の自由をおかすことになる」という。亡き米原万里なんか、なんど「首締めてやる」と書いたことか。なんだか支配者に爆弾を投げつけることを夢想しただけで死刑になった大逆事件のころと似て来たな。
表現の規制ということでは音楽著作権協会もひどい。
一行引用しても6000円。これでは批評が成り立たない。われわれの著作物はいくら引用されてもただ。出版なんて営利企業どころかノンプロフィットなのだからしかたない。しかし音楽著作権に関する限り、「あの頃、「@@@@@@」という歌がはやりましたね、この@@@@@@という歌詞は時代を著していましたね」などと書くだけで6000円。
おなじくJRもひどい。この前『旅と鉄道』という雑誌の取材旅行に行ったが、駅ホーム、車体、車内などを撮影する際にもすべて許可がいる。一本前の列車に乗ったほうが取材時間がたっぷり取れるからのろうよ、といったのだが、それだと取材許可が取れてないので車内の撮影ができませんと言われて却下。
昨年10月、瓦礫処理反対デモでJR大阪駅構内を通った阪南大学准教授が威力業務妨害と不退去で逮捕されたそうだが、嫌がらせとしか思われない。駅はみんなのもので、公共空間であり、昔から新宿駅でフォークゲリラが歌ったり、詩集を売ったり、いろんな表現の場であった。だからこそ、JRが町の真ん中のいい場所を占有して東西交通も遮断するのもまあ認めようじゃないか、ということになっているはず。もともとは国有地だよ。
2月4日 市川団十郎
2013年2月26日 火曜日市川団十郎さんがなくなった。勘三郎さんについで二大巨星墜つ。団十郎さんは美男子で人気を博した海老蔵を父に持ち、美男子で素行の悪い海老蔵を息子にもち、間にはさまって苦労されたと思う。支える人にめぐまれなかったような。文化審議会でご一緒したが、本当にまっすぐで、一人で文科省に対してもはっきりものを言った。それは聞いていても正論だった。そして会議が終わるとエレベーターのところで、どうぞ、と私を先に乗せてくれ、ドアを押さえてくれ、自分が乗っても下りる時にはどうぞ、と先に降ろしてくれた。人気商売だから気を使っているというより、天性のやさしい人で、ギャランだった。とっても大事な人をなくしたような気がする。私は海老玉コンビのころから高校生の時から見た舞台を忘れない。