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日々録   2006年5月
No.1056  2006年5月15日(月)

[四つ手網座談会]

 なないろ田村さんの絶妙な仕切り、石神井内堀さんの鋭い論説とボケ、忘れた頃に飛び出す月の輪高橋さんのひと言、そして本日の主役中山さんによるサービス満点の大風呂敷。大先輩にして異端の古本屋4人をお迎えしての「四つ手網座談会★中山信如を囲んで」は、絶え間ない笑いに包まれた、あっという間のひと時でした。

 各々の馴れ初めからはじまり、鶉屋書店の飯田さんや、古書業界に大きな影響を与えた反町茂雄さんの話まで、あちこちへ脱線しながらも最終的には、古本屋という仕事の楽しさ、奥深さ、そして貧しさ!!が浮かび上がってくる、そんな2時間でした。組合に入っていないぼくたちにとっては、業界内部の内輪話が聞けたのも収穫(内容自体はかなりスレスレだったようで、内堀さんなど冗談混じりに「これどこかに掲載したりしないよね」と何度も念を押してらっしゃいました)。地元のお客さんからの買取り中心でやっているぼくたちと、市場での仕入れがメインのみなさんとでは、同じ古本屋といってもその様相は違うし、本についての知識もまったく及ばないのですが、にもかかわらず、古本屋稼業における喜びや苦労の質については案外変わらない部分があることがわかり、これまで遠くに感じていた方々が少し身近に感じられたのがうれしかったです。

 また、中山さん秘蔵の品(非売)の、一日限りの特別展示もありました。なかでも最大の目玉は、小津安二郎と野田高梧による原節子宛の署名入り『お茶漬けの味』。『古本屋「シネブック」漫歩』のなかでも触れられているものの現品です。実際にこうして見ると、なんでこんなものがここに存在しうるのか、と考えれば考えるほど、不思議な気分にさせられます。眼福でした(他にも、桑野通子のサイン入りブロマイドなどあり)。

 2次会は谷中の鳥よしへ。ここでは、谷根千の山崎さん所有の『ボン書店の幻』(稲垣書店にて購入)に、著者である内堀さんの署名を入れてもらうというのが最大の出し物となりました。せっかくだから、他の人にも何か書いてもらおうということになり、田村さん、中山さん、高橋さんと順々にまわり、最後にはその場にいたほぼ全員が何かしら書きこむという、寄せ書き状態と相成りました(モクローくんのイラストも入りました)。ぼくの見る限り書込み大王は月の輪さん。表3の部分をほぼ独占して「私の好きな映画ベスト5」を発表(第2位には『有りがたうさん』が!)。本番とは打って変わって爆発されていたその姿ともども印象に残りました。

 あと、面白いなあ、と思ったのは、書く人が増えれば増えるほど「もう駄目だな」とか「価値はないね」という声が挙ったことで、どういうことかというと、この世界では、本にせよ色紙にせよ、サインは一人だけのものが好まれるそうで、数が増えると売り物としての価値はどんどん下がってしまうんだそうです。それは有名無名を問わず、たとえオールスター寄せ書きというかたちでも駄目とのこと。ただ、先ほどの「小津安二郎と野田高梧から原節子へ」のようなあまりにも完璧なものであれば話は別だそうですが。

 来月の11日(日)には、南陀楼綾繁さんを聞き手に「中山信如の映画文献と目録談義」も行います。古書業界や古本屋についての話が中心だった今回とは趣向を変え、タイトル通りの映画寄りの内容になるのでは、と考えてます。映画、及び映画についての蘊蓄が好きな方は、ぜひとも足を運んでください。

(宮地)

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