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日々録   2005年5月
No.976  2005年5月10日(火)

こんばんは。
一箱から一週間とちょい。のぼせた頭も冷め、すっかり日常に戻りました。
いつもは身体を動かしたその日の夜から筋肉痛が始まるのが自慢だったのに、今回初めて三日目に身体が鉛のようになったことにショックを受けています。

すでに宮地が当日のレジ日記を書いているので、重複しないところを備忘録代わりに、遅ればせながらほうろう前専従番日記。
何はともあれ、ほうろう前に箱を出してくださった、水牛さん、Embryo Conceptsさん、莚司堂さん、古書肆助教授さん、トランジスター・プレスさん、古本「T」さん、いきがりやさん、Tagediebさん、K&Kさん、持ってけ泥棒!さん、書凾アクアリウムさん、立石書店一函部さん、谷根千・確連房文庫さん、ジギタリスブックスさん、すむーす堂さん、ビッグピンクさん、お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。

10時、集合して、点呼、簡単な説明、店番の順番決めの後、いよいよ箱並べ。
並べ方は、お客さんとマンションの住人の方の動線を考え、ウインドウ前と、少し離して縦に三列。店番席は、古本の看板の下あたりへ。
とりあえずその線で好きな位置へ箱を置いてもらうが、箱を閉じたままだと全体像がつかめないので、お店の形態を作ってもらう。
徐々に開いていく箱を見ているうち、それまでの蓄積した疲れが吹っ飛び、ガードレールにもたれ私は恍惚状態に陥った。すべての箱からオーラが出ていたのだ。大袈裟でなく。あぁ、もうこれでいい。こんなにすばらしいお店が並んで、それを見ることが出来て、もうこれでいいと。みかん箱ひとつ分の小さなスペースが、こんなにもひとつひとつ個性的になるとは、正直思っても見なかった。箱を用意できない人も結構いるかもと、予備をかなり用意してたくらいだから。
いろいろなポスターで箱全体にコラージュしてあったり、折り返しのところに丁寧に店名を書いていたり、布巻き派も、麻布、きれいな色の布、牛柄の布といろいろだし、かっこ良くデザインされた看板や、よしず風の看板、トランク派もいる。だから段ボール箱をそのまま派も個性的に見える。
しかしこれで終わるわけにはいかない。今日は、これから。

ほうろう前は店主さんがたくさんいらっしゃるので、店番は一時間二組ずつの交代制に。
11時の開店直後からお客さんが押寄せ、いきなりお財布だけではスリップが入りきらないということになって、立石書店のイチローさんのエプロンをお借りする。お財布係と、スリップ係に別れてスリップはエプロンのポケットで管理することに。一箱ふたり店主さんも多かったので、本来は専従の仕事であるスタンプ係も分担してもらう。
交替の時にお客さんが途切れることが少なかったため、みなさんあまり心の準備ができないまま店番に突入していくことが多かったが、前の方が手伝ったりしながら特にトラブルもなくスムースに運んでいた。ただ、立ったまま店番をしていたので、財布の紐で首が痛いという意見は多かった。それと、小銭が増えて重くなるとお財布が不安定で怖いという意見も。
私は、ご近所の方や常連さんが何やってるのと訊いてくださったときに、地図をお渡ししながら説明したり、取材を受けたり。
合間にチラチラと箱の中も見て回るのだが、無駄に気が張りつめているせいで、私の頭はカーッとなっていて、タイトルが全然頭に入ってこないという悲しい状況。それでも、最後まで残ってたら縁があることにして買おうと思った一冊があったのだけど、それは私より縁のある方に拾われていった。
スタンプラリーも思ったよりもずっとたくさんの方が回ってくださって、本を買わない人でも楽しんでいただけたのはよかった。こちらで用意したチラシとは別にノートに12個のスタンプを集められてる方もいらっしゃった。

4時少し前に、イチローさんがスリップ仕分けしとこうか、と云ってくださったのでお願いする。ちらりと覗くと、店主さん別に仕分けされても尚分厚いスリップの束におののく。
夕方になって少しお客さんの数も落着き始めるかと思いきや、売りつくしの値引き狙いか、相変わらず人が絶えない。さっき見たスリップの束を思うと、6時からではとても計算が終わりそうもないので、5時に自転車部隊と専従を交替してもらうことに。現れた南陀楼さんに売場をお願いし、新たに売れた分のスリップを持って店の奥に籠る。戻ってきた小森くんにも手伝ってもらう。スリップの枚数を数え、合計額を出す、を繰返す。2回、3回と検算。何か手伝いましょうか、と声を掛けてくださったイチローさんにも、検算部隊になっていただく。遠慮してる余裕もなかった。
5時50分に一度外に出て、店主さんたちに閉店準備を呼びかけ、閉店まで立ち会い、また計算に戻る。
店の方からは、シャッターを閉める音、会場作りの指示を出す宮地の声、店主さんの何人かがヨッコラショと棚を移動してくださるかけ声、桂さんのマイクテストの声などが聞こえてくる。焦る。時計を見る。針がものすごい勢いで進んでいる。いつもの5分が15分くらい進んでる。焦る。
そんな状況なのに、一枚一枚のスリップを見ながらジーンとする。50円均一でスタッフを騒然とさせていた持ってけ泥棒!さんのスリップは風呂敷柄で笑えたし、看板と同じくグラフィカルでカッコいいスリップ、何種類かのデザインを使い分けてるスリップ、シンプルな万年筆書きも素敵だったし、写真をプリントしたスリップ、テーマカラーで統一したスリップ、イラストの入っているのもあった。
普通新刊の本に挟まっているスリップは書店が回収してしまうものだから、今までにこんなに手の込んだスリップは見たことがないのだと、そのとき初めて気がついた。(遅い!)もっと、これらのスリップに日の目を見させてあげたかった。ともかく今回は会計時の間違いを少なくするため、あえてスリップは店主さんに戻す方法をとったのだけど、こんなことなら、予備のスリップを持ってきてもらって、各売場で即席でも展示すればよかった・・・。思いつくも、時すでに遅し。ううー、これには、後悔。とても後悔。

どうにかこうにか無事計算が終わり、お待たせしてしまった店主さんたちにひとりひとり売上げをお渡しする。いやいや、スゴい。みなさんよくお売りになりました。私はさんざんな結果でしたが、みなさんが嬉しそうだったので、私も嬉しかったです。始終私がドタバタで、ほうろう前の店主さんたちは不安に思われたこともあったかと思いますが、みなさんのおかげで何とか無事に古本市を終えることができました。どうもありがとうございました。


あとこれは、10日経過していろいろな方の日記などを読んだりしながら感じたこと。
今回のイベントにあたっては、ブログで呼びかけたり、スタッフ間や、店主さんとやりとりも時間帯を気にしなくていいのでほとんどがメールだったりと、準備の段階でネット社会を駆使し、ネットでの繋がりがあってこそ実現したとも云えるのだけれども、最終的に、人と人が直接お互いの顔を見ながらモノの売り買いするという原点に立ち戻れたのはおもしろかったなぁと思いました。



おまけの言訳の惨敗日記
わが萬福亭古書部は、私が足を引っ張った。惨敗の古本屋。

数ヶ月前に宮地が仕入れてきた『仕事場対談 和田誠と27人のイラストレーター』という本に、私の好きなテリーさんとささめやゆきさんが載っていたので、横取りして読んでいたら、舟橋全二という人の「BLACK&WHITE」という作品集の中の眼鏡を持った手のシンプルな切り絵作品に雷に打たれたようになってしまったことがあった。ちなみにこの人はささめやさんのいとこ。それ以来私は切り絵熱に浮かされ、安い切り絵の本があると買っていた。いつか、店に切り絵の棚を作ろう!
でもって店には徐々に並べていたのだが、これがさっぱり売れないのだった。どうやら私みたいな切り絵熱人口は少ないのだった。しかも安く買えるのは切り絵入門、とかだから。
でも、一箱古本市には、ひょっとしたら切り絵好きの人が一人くらいいるかもしれないと、なぜか淡い期待を抱いてしまった。ひとつくらい、妙な箱があったっていいじゃないか。淡い期待は妄想になり、妄想は止めどなく膨らみ、いつしか萬福亭の私の分は切り絵と型絵で勝負することで決めていた。
しかし計れないのは自分の気持ちで、色づけに仕立て上げようとした川上澄生(切り絵じゃないけども)は、前日深夜になって、そういやあんまりよく見てなかったなぁと、急に自分用にしたくなって引っ込めた。足りなくなった分は急遽本棚を漁り、もうてんでバラバラ。小さな箱の中で、宮地の本と私の本が仲悪そうに並んでいるし。そうこうしているうちに、寝ないとほんとうにヤバくなってきたので、まる投げ。あっさり寝たのだった。
そして、見事に私のメインは売れ残ったのだった。一冊は谷根千の剪画でおなじみの石田良介さん署名入りだったので、たとえ入門書でも売れるんではないかと期待していたが、販売努力不足。ズブズブ。
あー、情けな。
一箱からやり直せ、と自分に云いました。

そうそう、萬福亭という名前は大喰らいのわが家の別称。この名前でもう少し遊べたらいいなと思ってるんですが。惨敗。
(ミカコ)

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