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日々録   2005年4月
No.971  2005年4月20日(水)

 月曜日の出勤前、片膝をついた体勢から立ち上がろうとした瞬間、「バキッ」という音とともに腰に激痛が走りました。時おり起こるけれどすぐ治まるこれまでの症状とは違い、直後はほとんど動けない状態。ああ、これで俺の一箱古本市は終わったな、と観念しましたが、たまたま非番だったミカコに付き添ってもらい、這うようにたどり着いた駒込病院で診てもらうと、2〜3日で元に戻るとのこと。定休日である翌火曜日に行う予定だった大幅な棚の配置換えはパーとなりましたが、翌々日、つまり本日の古本市打ち合わせには何とか間に合いました。ツキはまだギリギリこちらにあるようです。

 そんなわけで、月火水の50時間ほど、食事のとき以外は寝そべっているという生活を送りました。とにかく横臥して安静にしている以外、完治への近道はないということなのですが、性質的に落ち着きがない僕にはこれが相当の苦痛。そこで、それを紛らわせるために、ひたすら読書に励みました。小説の世界に引き込まれてしまうのが、結局もっとも時の経過が早く、退屈しないで済むのです。1冊読んだら間髪おかずに次の1冊、というような時間を持つのは、ほんと思い出せないくらい久しぶりのことでしたが、結果的に読書の持つ力を再確認する良い機会となりました。

 読んだのは順に下記の5冊。この身体で本棚を物色するのは無理なので、部屋の床のそこここにある小さな山から食指が動いたものを選びました。

 集英社『影法師夢幻』米村圭吾
 講談社『袋小路の男』絲山秋子
 集英社文庫『木彫りの兎』山口瞳
 未知谷『風光る丘』小沼丹
 双葉社文庫『事件』大岡昇平

『影法師夢幻』は腰をやる直前まで読んでいたもの。やんちゃな笠森お仙が活躍する『退屈姫君伝』は僕のお気に入りの作品なのですが、最近入ってきたその続編『面影小町伝』を読んで以来、ちょっとした米村圭吾ブームなのです。この作品はまずまずといったところ。お馴染みのメンバーが登場するのでファンは必読ですが。

『袋小路の男』は最近店で買い取って、家に持ち帰っていたもの。この人のものは前から一度読んでみたかったので、ちょうど良かったです。今回読んだもののなかで、ページあたりの字数が断トツに少ない本。あっという間に読み終わってしまい、こういう状況で読むにはそこが不満と言えば不満でしたが、作品自体は気に入りました。

『木彫りの兎』はひと月ほど前に鶴見のブックオフで買ったもの。一箱古本市で売ろうかなあ、などと思ってました。たぶん出します。単行本未収録作品を集めた文庫オリジナルで、読んだことはないはずなのに、読んだことがあるような、という、ご存知山口瞳印。

『風光る丘』。これを読んでいるときがもっとも幸せでした。時代背景を考えれば当たり前なのかもしれませんが、昭和30年代の日本の映画、それも大傑作というよりは佳作といったような小品を彷彿とさせます。一見とりとめのないお話なのですが、なんだかとてもあたたかい気持ちになるのです。鴎外図書館の新入荷棚にあったのを何となく借りておいたもので、そういうのは読まずに返却することが多いのですが、この本とは縁があったようでうれしいですね。横になって読むにはちょっと重くて大変でしたが。

『事件』は、いつだったかこれをもとにしたNHKドラマの再放送を観ることがあって(主役は若山富三郎)、その際いつか読もうと思って家に持ち帰っていたもの。結局読む機会がなく、近々店に戻そうと思っていたのですが、今が読むときだったようです。充実した時間を与えてくれました。

(宮地)

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