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日々録   2005年1月
No.940  2005年1月23日(日)

今日から働きマーン。
立て続けに、新刊の雑誌、書籍の入荷がありました。

●『彷書月刊』2005.2月号 630円(税込み)
(何故かいつもリンクがうまくはれません。『彷書月刊』で検索をかければすぐ出ます。)
特集「お玉のイーゼル」
今号は「南イタリアの陽ざしの中で―ラクーザ玉のこと」と題し、森まゆみさんも寄稿してらっしゃいます。

『サンパン』第3期 第9号 750円(税込み)
小特集「作家と編集者その1 弘文堂列伝」
南陀楼さんの連載「小沢信男一代記」(その7)は、「江古田文学」は本気に遊んだ、です。
古書現世、向井さんの店番日記は、いつも楽しみ。

『雲遊天下』38 840円(税込み)
シエスタ・エディション「同じ風に吹かれてきた」
砂川正和という人を私は知りませんでしたが、彼のつくった「東京ダンシング!アフリカ」というフィルムに興味を持ちました。

●清流出版『路地』中里和人 2520円(税込み)

2月26日(土)『路地』中里和人さんによるスライド&トークショウを開催します。
ご予約は、古書ほうろうまで。
mail:horo@yanesen.net

中里さんの路地の写真には、あまり人が写っていない。
だけどもそこには、行き来している人々の残したものではない、何か別の気配を感じる。
ひび割れたモルタルの壁、ペンキの色褪せた看板、ふいに置かれた椅子、錆びたトタン、湿った土、洋品店のマネキン・・・。
生命体であるかどうかにかかわらず、路地を形成するひとつひとつの物が発する息づかい。
長年にわたり人々の営みを記憶してきた路地は、時間の経過とともに自ら呼吸するようになるのだろうか。

一枚一枚の写真を時間を止めてじーっと見てみる。
そうすると、今度は中里さんの遊び心が見えてくる。
彼に見つけられるのをずっと待っていたかと思わせる、ありえないような風景。
漁師網に飾られた巻貝と恐竜の人形。色褪せた板塀に吊るされたビロードのワンピース。旺盛すぎるサボテン。しめじの盆栽が置かれた喫茶店のショーウインドウ・・・。
路地の片隅では、時として虚実が逆転してしまっているのだった。
それらが、フフフと写真集に収まっている。

そう。
中里さんの前の写真集『逢魔が時』の写真展の時、画廊の主人が一枚の写真を指して話してくれた中里さんのこんなエピソードがある。
今手元にその写真がないので、私の不確かな記憶に頼るけれど、闇に包まれた土手の上に、ぽつんとある電話ボックス。外灯がひとつ、ぼんやりと電話ボックスを闇に浮かび上がらせている。
中里さんが下方からカメラを構えたその時、闇の中で、人家もないところにあるその電話が突然鳴ったのだ。
近づいて受話器を取ると電話は切れたそうだけど。

表紙の、沖縄は糸満に始まり、那覇農連市場、桜坂、辺野古・・・。
東京は向島、北千住、尾久、堀切・・・。
中里さんの出身地三重は関、桑名、亀山。
その他は、広島尾道、北海道函館、大阪天王寺・・・。
中里さんは路地を迷うのが好きだ。
地図も持たず、ただ現れる景色に身を委ね、歩く。
角を曲がり思いがけない光景が目の前に現れたときの興奮。

あッ、と思う。
彼が歩き、写真と文字に記録された路地が、彼の手によって更なる『路地』となり、本を開いたときからずっとわたしはそこを迷わされているのだった。
くーッ、たまらん。

(ミカコ)

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