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日々録   2004年10月
No.892  2004年10月11日(月)

 今年は日頃からなんとなく町のざわざわとしたエネルギーを感じていたので、ちょうど休みもあるし久しぶりに芸工展をきっちり回ってみようと思っていた。なのに。
 ゆうべの深酒が効いた。起きてもそう簡単に行動させてくれない。それに、昨日いくつかスタンプ押した芸工展のガイドブックも無いじゃん。
 辛いけど、上野桜木市田邸は行ってみたいから、騙し騙し支度して出た。先ず店に寄り、ガイドブックを入手しすでに夕方になってしまったけど一から出直し。
 一番初めは近所の中原絵亜さん「空の日記」へ。今回の芸工展は雨続きで、外の展示が大変とのことだったけれど、昨日、今日はだいじょうぶだったようで、期間中一日ずつ書かれた詩やことばがひとつひとつの作品となって、トタン塀に飾られていた。扉を開けるとそこには無数の空が広がっていて、それはふだん見慣れた電線の走る空の写真なのだけれど、雨の続いた東京の小さなアパートの内階段の、更に小さな空間に広がった青い空は驚くほど晴れやかな気分にしてくれた。絵亜さんの作品が野の花のように壁にちりばめられ、語りかけてくる。
 ふたつめは、さっき神原が「月夜と眼鏡」の方が店に見えたよと言っていたので、寄ってみることに。ふつうのお宅に伺うのはやっぱりちょっとドキドキしてしまうが、植木が並んだアプローチに誘われ、そっと窓から覗くと、あら、神原の背中が見えた。玄関横の四畳半が展示とくつろぎのスペースになっていて、窓辺に展示されている小さなオトモダチや、本棚に並ぶ懐かしの児童書などを眺めながらお茶をいただけるようになっていた。毬藻も育てている実由樹さんの醸し出す独特の雰囲気に3人してすっかり和んでいると、遠くから聞こえてきたのは尺八の音色。近づいてくると思ったら、芸工展期間中尺八の吹歩をしているでうさんという男性だった。路地裏に尺八。偶然とはいえ、これ以上の演出はない。尺八は手作りだそうだ。でうさんにもスタンプもらう。
 「月夜と眼鏡」さんをおいとまし、指人形笑吉さんのとこに寄って露木さんにほおずき市の時はどうもなんて挨拶だけしてスタンプをいただく。ご無礼をお許しください。三崎坂を上がり、タムタムさんに昨日のガイドなくしてしまったことを云い、再度スタンプをいただく。(これじゃまるでこどものスタンプラリーじゃん。)
 坂を上りきったところで、ふたりとも空腹だったことに気付いて通りがかりの慶喜という蕎麦屋に入る。ざると冷やしとろろ。(このへんは大人)
 急げ急げ、上野桜木市田邸。たどり着くと門前に岩本さん。「民話と語りの会、今終わっちゃったよ。」と残念がられるも、写真だけでも、と中に入らせてもらう。入口で挨拶した女性は、なんと店のご近所、彦竜の隣のKYUさんだった。一緒にいたお友達は活弁士だそうだ。市田邸は明治末期の和風住宅で、戦後は芸大生の下宿として多くの声楽学生を育て、平成13年より、建物の保存修復を学ぶ学生や卒業生が暮らしながら保存するという形で現在に至っているのだそうだ(一部ガイドより引用)。すっかり陽も落ち、真っ暗な庭に縁側のガラスから漏れる裸電球の橙色でぼんやりと浮かびあがる明治の住宅は、その中で活動している若者たちを含め、正に夢のような光景だった。
 そこから更に大正8年築の町家「間間間(さんけんま)」に行き、実行委員の村山さんにご挨拶し、後片付けまっただ中の町家を外から拝見し、千駄木に戻り「D坂シネマ」に向かった。今日は途中からになってしまったが、戦後の東京の変遷を面白くみることができた。
 夜は谷根千乱歩号でお馴染みのイラストルポライターの内澤さんと一緒に鳥よし。今日はさすがに飲めないから、ちびちびと。でも、今後に向けて大きな楽しみとなる話が出来た。嬉しい。

 (ミカコ)

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