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日々録   2003年9月
No.711  2003年9月12日(金)

 早番が終わって外に出たら、アジアの匂いがした。あぁここもアジアなんだなと、再確認出来る瞬間が嬉しい。
 ギラギラとしつこいほどの太陽はすっかり姿を消したというのに、排気ガスがべっとりと肌にまとわりつく。今夜は何処に何を食べに行こうかと、ねっとりした街に繰り出す瞬間の匂いが、何倍にも薄めた感じだったけれども確かにした。旅先で感じたあの逃れようのない湿気に比べれば、千駄木がずいぶんカラッとしているように思えた。

 プノンペンのレンガ積みツアーにカメラマンとして同行していた中里和人さんの、長月の「闇」シリーズ「緑の闇」と題された写真展のお知らせをいただき、先日京橋のギャラリーに行って来た。
『散歩の達人』の「トーキョー借景」という連載で、自前の小屋をお台場から、多摩の方に向かって旅させている。その小屋が、ビルに囲まれた小さなギャラリーの中に居た。小屋が居る、という感じ。彼のテーマの中に小屋というのがあって、ずっと撮り続けているうちに、遂に自分でも作ってしまったという、「小屋1号」だ。錆びたトタン屋根、ペンキが剥がれた板っ切れ、たぶん拾い集めたのであろう素材たち。中に入る。小さないろいろな仕掛けがある。板っ切れの隙間から射し込む光りを頼りにスクリーンに映る、外の車の行き来。たぶんピンホールカメラの原理。節穴から覗き見る、ギャラリーの中に展示された彼の写真たち。
 この世と、あの世の境目みたいな写真たち。闇の気配。人気無い闇を孤独に照らし続ける蛍光灯。自分の中でも体験したことのあるモヤモヤしていた何かが、写真となって壁に掛けられ、気をつけていないと吸込まれそうなほど闇の口をポッカリ開けていた。
 案内状には「眠った五感をゆり覚まして下さい。」と書かれていたけれど、宮地も私も、なんというか、五感全開というくらい起こされてしまった。

 明日13(土)〜23(火)は、浦和の楽風という納屋を生かした喫茶・ギャラリーで同シリーズ「逢魔が時」が開催される。ここは庭が広いので小屋が4軒建つそうです、と京橋のギャラリーの方が教えてくた。
 富士吉田市の<Url:www.fujigoko.co.jp/Events/yoshida/museum/,「まち」がミュージアム!2003というイベントでも同シリーズ「土の蔵」が14(日)まで開催中。
 お薦めです。
(アオキ)
 

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