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日々録   2003年6月
No.654  2003年6月22日(日)

祝!モクローくん通信、古書ほうろう初登場!パチパチパチ・・・。

そう、本の山は崩れます。
むかーし昔、まだ店のスペースよりも在庫置き場の方が広かった頃。
その一画には、床面積一坪はある成人雑誌の山がありました。高さは私の身長以上あったでしょうか・・・。
いくら店が広くとも、そんな雑誌ばかり並べる訳にはいきません。出番待ちがいつの間にか巨大な山となってしまったのです。
「こんなエロ本、捨ててしまえ!こんなのの下敷きになって死ぬのはごめんだ。」私はしばしば暴言を吐きましたが、山は高くなるばかりでした。
そうしてある日、恐れていた崩落が起きました。命を落とす者がなかったのが、不幸中の幸いです。ようやく、山は整理され、それ以降は丘となり、今となっては他の在庫に圧されて丘すらも消滅してしまいました。
まあ、こんなのはほんの一例で、段ボールの山が崩れたことだって何度かあります。古本屋も、結構命がけです。

で、成人誌、といえば、苦い思い出があります。まだ、私たちが雇われの身だった頃、なぜか廻り廻って、成人雑誌のビニール袋入れの作業をするはめになってしまいました。こう見えても私、けっこう真面目な家庭に育ちました。ドラマでラブシーンなんかになれば、みな押し黙って時間が過ぎるのを待つような家でした。弟ですら、年頃になっても色香の気配を感じさせないようなタイプでしたので、当然裸満載の雑誌なんで身近に見たことも、触ったこともありませんでした。それがいきなり、切り取りや落丁がないか確認しながら、雑誌の判ごとにサイズの違うビニール袋にきっちりと、延々詰める作業です。まぁ、ひやぁー、とか、言う歳でもなかったので、言われたことはしましたが、(何やってんだよ、あたし・・・。)と、夏の太陽にユラユラと溶けかかった外のアスファルトを眺めながら、少しだけ泣きそうになりました。
しかもそのすぐ後に、いつも会う友人たちに混ざって、なぜかその時だけ高校卒業以来十年ぶりで顔を合わせる友人も同席することがあったのですが、私はたいした考えもなくそのショッキングな日常を語ってしまったのでした。それ以来、彼女とは顔を会わす機会がないので、私のあずかり知らないところでは、「アオキはエロ本売ってる。」ことになってしまったかもしれません。
事実、親しい友人の夫から、「いいなぁ、アオキ、ビニ本屋なんだろ。」と、言われたことがありますから。

だから今日は、モクローくんに載ってるほうろうを見ながら、立派になれたなぁなんて、一人静かに目頭を熱くしました。
古本屋八年目の夏。
(アオキ)

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