2011年10月 のアーカイブ

震災日録 9月24日

2011年10月3日 月曜日

朝、小金井の武蔵国分寺公園で友人の寄田君が馬車を走らすというので観に行く。物すごい人気で町中をはしるコースは完売、カフェスローの吉岡さんが「森さんは馭者席の横がいいよ、タイヤの上に乗れば、馬への負担も軽いから」というので寄田君の隣り、特等席にのせてもらった。親子つれ本当に楽しそう。途中から、歩きでなくトロットになる所が興奮した。寄田君はシルクハットにえんび服。吉岡さんはチョッキにカウボーイハット、二人とも決めてました。
寄田君は書いています。お母さんと一緒でなくお父さんと一緒に馬車に乗った子どもが悲しそうに泣きはじめた。

「まぁとにかく、僕は歌います。
「お・う・ま・の・おやこ・は・なかよし・こよし」
僕の大好きな歌です。
この歌は、馬のリズムにしっかりあいます。
そして多くの人がこの歌を知っています。

ゆっくりとしたリズムで、僕が歌い始めたとき、馬車に乗っている大人と呼ばれる人々と合唱が始まりました。
「いつでも・いっしょに・ぽっくりぽっくり・あるく」
そのまま2回目のお馬の親子が始まります。
「おうまの・おやこは・なかよしこよし・いつでもいっしょに・ぽっくりぽっくりあるく・・・」
この合唱のあいだ、子どもは泣いていました。
ところが、合唱が終わるとき、子どもは泣き止み、とても静かな深い呼吸をして、まわりの世界の中に落ち着きました。悲しみが消え、喜びが生まれた瞬間でもあります」

馬ってすごいなあ、と私も思いました。ポニー乗馬も小森さんが乗せていましたが、乗る時は不安そうだった子どもが乗るとみんな、明るい、輝かしい笑顔を見せるのです。
ああ、谷根千でも馬車を走らせられないかなあ。

震災日録 9月23日

2011年10月3日 月曜日

安野光雅さんの神奈川近代文学館の「アンデルセンと旅して」とみにいく。私が『即興詩人のイタリア』を書くために安野画伯と同行した時にとった写真などもたくさん提供した。私がローマで発見したバルベリーニ広場の石版画も提供した。ということで、帰りは中華街でご飯を食べて楽しかった。東京にもおいしいお店は多いのに、中華街にいるというだけでわくわくする。ピータンとザーサイを買って京浜東北線にゆられて帰った。

震災日録 9月22日 再度・食品の安全性について

2011年10月3日 月曜日

「土と健康」2011・8・9月号にチェルノブイリ救援に当たられている川田昌東さんの有用な話が載っていました。
チェルノブイリから学んだことは原発事故による病気はほとんどが内部被曝によるもの。しかも多いのはがんでなく、心臓病、脳血管病、糖尿病、先天異常、免疫力の低下などである。しかしICRPは因果関係を認めていない。
日本の暫定基準は水に付いてセシウムでウクライナ基準の100倍、主食で25倍、野菜で12倍と高すぎる上、品目も細かくない。
米については土壌が5000ベクレル以下ならいいとされている。その10%が米に移るという想定だろうがそんなには移らない。しかし表皮に多くたまるので玄米はだめ。精白して白米にする。玄米を食べたい人は産地を選ぶしかない。
野菜は生産物を測る結果主義。しかしすべてを測れるわけではない。セシウムがたまりにくい野菜はトマト、なす、胡瓜、カボチャ、ねぎ。汚染されやすいのはカラシナ、クレソン、キャベツ、大根、ジャガイモ、豆、きのこ。カリウムなどによる土壌改良を。
酢漬けにするとセシウムはかなり取れる。
肉も500ベクレル以下は出回っていると考えてよい。牛乳はプルシャンブルーに寄る除染が有効。
本郷の「大きなかぶ」の内海洋子さんが教えてくれました。たいへん役に立つので一読を勧めます。

震災日録 9月21日 八ッ場ダム

2011年10月3日 月曜日

娘のサトコは原発の他,前から普天間基地と八ッ場ダムに関心をもって通っているが、震災以降、どの集会で八ッ場ダムについてビラを配っても受け取りが悪いという。しかしダムと原発はほとん同じ構造なのである。ダムをつくる主体は国土交通省関東地方整備局。そしていま、八ッ場ダムは原発のどさくさに乗じて強行されようとしている。

1、原発と同じく、大きいことはイイコトだ的高度成長期の巨大土木工事による事業である。
2、原発と同じく、国策により関連企業にたくさんの役人が天下っている。
3、原発とおなじく、公共工事の名の下で利権が発生しているという噂。
4、原発とおなじく、地元住民に金や温泉旅行を含めたアメがばらまかれているという噂。しかも地元はダムで利益誘導され、ダムがないと生きていけないような気持ちにならされている。そうでなければ地元にダムなんか必要なわけがない。
5、原発とおなじく、賛成派、反対派に分かれ地域を分断し、コミュニティがずたずたになった。
6、文化財をしずめ、景観をこわし、フェイクばかり作ることになる。
7、あまりに長い間の計画で住民の人生をめちゃくちゃにした。
8、自然をねじ伏せ、改変しようと言うニンゲンの傲慢な計画
9、原発とおなじく、推進側は「公開によってさまざまな憶測を招く」と情報を出さず、説明会もしゃんしゃん大会。
10、国土庁の水量予測もまったくいいかげん。
11、今まで相当使ったからあとは作ってしまったほうが安くつくという環境や暮らしを無視した経済重視の考え方。
12、原発とおなじくダムにも絶対安全はない。台風12号ではダムが溢れたではないか。
13、原発とおなじくコンクリ構造物、老朽化、劣化や沈殿、堆積でそのうち使えなくなったらたいへんな瓦礫処理が必要。つくるのも大変、壊すのも大変。
14、福島第一が東京の人が使う電気をつくるためなら、八ッ場ダムは東京、埼玉の水の確保と洪水調節のため、つくられる。しかしこれは口実で電力が余っているのとおなじく、首都圏の水は余っている。洪水調節はまったくならないとは言えないが限定的でごくわずか。

民主党政権になり前原国土交通相は「八ッ場ダム中止」といった。なのに一年後、馬淵国土交通相は「予断なき検証」つまり、やらないともやるとも決めずに検証するよ、といった。しかし検証したのは「原子力ムラ」ならぬ国土交通省の「河川・電力ムラ」や立地自治体、下流県知事など推進側の人たちだった。こんなアンファなのあるか? 反対派の意見は聞かなかった。
現在、巨大より分散、天下り批判、情報隠しがいわれ、自然に逆らわない謙虚な暮らしを目指そうと社会を転換しているときに前世紀の遺物、いや自然にとっては異物であるダムを今さらつくるのはバッカじゃなかろうか。