震災日録 9月21日 八ッ場ダム

娘のサトコは原発の他,前から普天間基地と八ッ場ダムに関心をもって通っているが、震災以降、どの集会で八ッ場ダムについてビラを配っても受け取りが悪いという。しかしダムと原発はほとん同じ構造なのである。ダムをつくる主体は国土交通省関東地方整備局。そしていま、八ッ場ダムは原発のどさくさに乗じて強行されようとしている。

1、原発と同じく、大きいことはイイコトだ的高度成長期の巨大土木工事による事業である。
2、原発と同じく、国策により関連企業にたくさんの役人が天下っている。
3、原発とおなじく、公共工事の名の下で利権が発生しているという噂。
4、原発とおなじく、地元住民に金や温泉旅行を含めたアメがばらまかれているという噂。しかも地元はダムで利益誘導され、ダムがないと生きていけないような気持ちにならされている。そうでなければ地元にダムなんか必要なわけがない。
5、原発とおなじく、賛成派、反対派に分かれ地域を分断し、コミュニティがずたずたになった。
6、文化財をしずめ、景観をこわし、フェイクばかり作ることになる。
7、あまりに長い間の計画で住民の人生をめちゃくちゃにした。
8、自然をねじ伏せ、改変しようと言うニンゲンの傲慢な計画
9、原発とおなじく、推進側は「公開によってさまざまな憶測を招く」と情報を出さず、説明会もしゃんしゃん大会。
10、国土庁の水量予測もまったくいいかげん。
11、今まで相当使ったからあとは作ってしまったほうが安くつくという環境や暮らしを無視した経済重視の考え方。
12、原発とおなじくダムにも絶対安全はない。台風12号ではダムが溢れたではないか。
13、原発とおなじくコンクリ構造物、老朽化、劣化や沈殿、堆積でそのうち使えなくなったらたいへんな瓦礫処理が必要。つくるのも大変、壊すのも大変。
14、福島第一が東京の人が使う電気をつくるためなら、八ッ場ダムは東京、埼玉の水の確保と洪水調節のため、つくられる。しかしこれは口実で電力が余っているのとおなじく、首都圏の水は余っている。洪水調節はまったくならないとは言えないが限定的でごくわずか。

民主党政権になり前原国土交通相は「八ッ場ダム中止」といった。なのに一年後、馬淵国土交通相は「予断なき検証」つまり、やらないともやるとも決めずに検証するよ、といった。しかし検証したのは「原子力ムラ」ならぬ国土交通省の「河川・電力ムラ」や立地自治体、下流県知事など推進側の人たちだった。こんなアンファなのあるか? 反対派の意見は聞かなかった。
現在、巨大より分散、天下り批判、情報隠しがいわれ、自然に逆らわない謙虚な暮らしを目指そうと社会を転換しているときに前世紀の遺物、いや自然にとっては異物であるダムを今さらつくるのはバッカじゃなかろうか。