震災日録 9月20日 生活する店

上野の美術館に用があっていって、雨の中自転車で帰ってきた。どんどん飲食店とギャラリーが増えている。つまり観光客のための店が増えている。ボタンや、おもちゃや、毛糸や、自転車や、炭や、米や、銭湯、住むための暮らすための店はどんどんなくなっていく。もう町が自分の町ではなくなりつつあるのに気づく。そう考えながら靴下の穴をつくろった。アーサー・ビナードさんのラジオでの発言が面白い。
鉢呂大臣辞任について。「死の灰がふった町を死の町というのは気持ちいい表現ではないが間違ってはいない」「使用済み核燃料というのは不正確でこれから核兵器をつくる原料、これからだぞ、死の灰、である」「放射能うつしてやるというというの誰が見たんだ! そんなマゴ引きのひ孫引きのヤシャゴ引きで大臣が辞任する何てあり得る?」
http://www.youtube.com/watch?v=gkEzjq3×2og&feature=related
さすが詩人。前に商店街について対談した時にアーサーさんに八っ場ダムについて話したら、私が司会する東京大学でのシンポジウムに来てくれた。それからもずっとこのダムについて発言してくれている。
「なぜこのタイミングなのか。狙っていたに違いない。震災と原発事故のどさくさまぎれでつくっちゃおう。グッドタイミング。原発がだめなら水力とか。マエハラはなにも言う資格がないが、言っていることは間違ってない。こんな大昔の、利権をめぐって計画した不必要な有害で時代遅れなダムなのに。検証とは永田町では『アリバイつくりの茶番劇』のことを言うらしい。建設ありきの評価報告案を間違った想定に基づいてやっている」
まっとうな意見だと思う。みなさん、東電だけでなく国土交通省も監視してください。ほとんど同じ体質、おなじやりかただから。