2011年9月 のアーカイブ

震災日録 8月30日 ドイツの番組

2011年9月1日 木曜日

日本の放送局は何をしているのか。ドイツの放送局の報道が回って来た。

<おすすめ>

ドイツTV記者の細野大臣への質問。福島原発から80km先の福島市水田から35,000ベクレル高濃度放射性物質が検出された件。大臣のズレた回答に注目。

http://t.co/3hYddX3

通訳された方によれば、細野氏は5000ベクレル以上の土地には作付けを許していないから大丈夫みたいなことを言って、あとで30キロ圏内だったと訂正。つまり80キロだと公式には計測しなくても米でも野菜でも作れる。

「そのような高濃度に汚染された土で米を作っている農家の思いは気も狂わんばかりだと思います。秋になってから黄金色に実った米を汚染されているから売るな食べるなということはもっと残酷だと思います。放射能は目に見ないし、臭いも色もないので、不正に市場に出回ることを完全に防げるとでも思っているのでしょうか?」

と通訳された方からのメールにありました。

本当だと思います。悔しいながらわが第二の故郷丸森も80キロ圏です。しかし原発からの距離はあまり意味がなく、ホットスポットは栃木にも埼玉にも茨城にも東京にもある。4月時点でわたしは「フクシマ人と自覚してこの事態を引受ける必要がある」、と東京新聞で述べました。うちの方が低い、うちはまだ大丈夫などと一喜一憂している場合ではないということです。

1、ホットスポットのこどもたちに地場の産物を食べるのはやめてもらわなくては。(地産地消の旗を下ろすのはくやしいが)。

2、細胞分裂の盛んでなくなった私たちは覚悟して食べても良い。

3、早急に東京電力に徹底的に農家の補償をさせる。

震災日録 8月29日 『悪人』読みました

2011年9月1日 木曜日

津波の怖い夢ばかり見る。

吉田修一『悪人』という小説を読む。たまたま図書館の棚にあった。泣きはしなかったがずっと心が痛かった。九州の短大を出て博多で保健の外交員をしている若い女性が殺される。彼女はまじめな理髪店の両親をもつのに遊びたくて博多で寮暮らし、出会い系サイトで複数の男と関係していた。一人一人が警察に呼ばれ、語った話で進行して行くが、なんて悲しい暮らしばかりなんだろう。

かつてみんなが農村や漁村で暮らしていたころは、貧しさ塩漬けではあったが、それなりに祭りもあり、育てるよろこびや獲るよろこびもあり、共同体の遊びもあったし、みんな同じような学歴と職業なのでコンプレックスもなかった。いまや1人で都会に抛りだされ、正規の職業につくこともすくない。秋葉原事件の加藤被告や仮出所後に子どもをさして捕まった氏家被告のことがしきりと憶い出される。

しかしちょっとステロタイプなんじゃないか? ネタバレになるかも知れないが、この本は何年か前のベストセラーだし、最初に犯人は暗示され、映画化されてもいるからあえて述べる。小説で一番の悪役は、金回りもよくモテ系で女の子を引っ掛けては捨てている「由布院の高級旅館の息子の大学生」である。よく知っているから身びいきでいうのではないが、由布院の旅館の息子さんでこんなちゃらい、身勝手なのは見たことがない。旅館のしごとは大変だし、なかなか嫁に来て女将になってくれる人は少ない。老舗であれば重圧もあり、跡を継ぐかも悩んでいる、というのがふつう。悪役だが同情を引くのは「母親に捨てられ、祖父母に育てられた、口べたでもてない土木作業員」だろう。しかしこうした描き方は土木作業員への偏見をますのではないか。全国でたくさんの土木作業員が楽しそうに働いていると思うのだが。わが息子も肉体労働なので、外で汗を流す仕事への偏見がしめされるとつい反応してしまう。スーツ着ての事務仕事よりきついが手応えがあると思う。主人公の労働が一切描かれず、性と遊興の部分だけ拡大されているような。だから救いのない結末になるのだ。

とはいえ昨日千駄木の中国料理店では、まるで小説に出てくる女の子みたいのが大声で恋愛自慢を長々やっていたし、ウェートレスの中国人女性は何かに怒っているように無愛想だった。別の店の女の子はものすごく悲しそう。みんな何考えているんだろうな。

震災日録 8月28日 地質と文学

2011年9月1日 木曜日

伊藤谷生さんより。

「地質学において巡検(excursion:地質学的に重要な地域や露頭を見学し、参加者で議論する)いうものがあり、その案内書の一つを今夏も書いたのですが、その際、『即興詩人のイタリア旅行』の地質版を作ろうと思ったものです。旅と地質と文学は大きな関係があります。不勉強な私ですが、いくつか挙げてみましょう。

泉鏡花『高野聖』:あのルートは跡津川断層という活断層にそった山道です。

なんとかという妖艶な美女が住む天生峠には立派な断層露頭があります。今も昔も蛭が多くて大変ですが。

田宮虎彦『足摺岬』:ここは巨大なかこう岩の貫入場所です。いい教材です。

四国や紀伊半島のお札巡りは中央構造線沿いが多いですね。

北原白秋の『城ヶ島の雨』:彼が桐の花事件で三崎に逃れてきた時、まだ関東大地震の前でしたので、“通り矢”は海峡でした。大震災で三浦半島が相当隆起してしまったのですが、隆起前だったからあの詩が書けたのか も知れません。

大岡昇平『武蔵野夫人』:恋ヶ窪を含めてハケは国分寺崖線という多摩川の扇状地の南西縁からの湧水。

金石範『火山島』:これはまさに地質そのものです。

太宰治の『津軽』にそって歩けば津軽の地質がよくわかりますし、スタインベックの『怒りの葡萄』にあるルート66に沿って車を 走らせれば、北米の地質の概要がつかめます」

私一人で独占するのはもったいないので、紹介させていただきました。

夜は光源寺で東北支援復興盆踊り。町会もテントをはっているが、ここが児童遊園でもあり、子育て中のお母さんたちにも場を提供しているためか、すっかり子連れ親子のたまり場になっている。若い世代に支持されているお寺は安泰だと思う。

震災日録 8月27日 里子をなぜ殺す?

2011年9月1日 木曜日

首相退陣。紳助引退。相撲に暴力団がからんで問題になっていたとき、いつ芸能界に飛び火するのだろうと思っていたが彼1人で終わるわけはない。

毎日、新聞は虐待の記事が載る。何不自由ない声優がワセダの学位まで取って3歳の里子を虐待死させるとは。わからない。

「しょせん博士号も里子もアクセサリーにすぎない。アンジェリーナ・ジョリーがたくさんの里子を預かっているので、真似したかったのでは」とYさん。

三鷹の山本有三記念館に初めて入る。それから西荻窪の駅からすぐのRe;gendoのオープンへ行く。石見銀山群言堂の松場夫妻が古い民家に手を入れて食事の店にした。「一人文化庁」と小泉和子先生はおっしゃったそうだが、文化庁は保存しかしないが、これは活用事例だ。中央線沿線に行く時はのぞいてみてください。杉並区松庵3-38-20

きょうより仙台市水道局配水所壊される。また間に合わなかった。