12月21日

佐藤一郎さん、佐藤巌さんなどをお尋ねするがご不在。宍戸克美さんは消防署を退職され、町の教育委員になられた。3・11以後に東北の仮設を回る時、テキパキと道の状況を教えてくれた方だ。野菜ソムリエの志津子さんにプンタレッラやピクルスをご馳走になりながら、よもやま話。
昼に新しくできたペルシッカーでカレーを食べた。前から話を聞きたかった八島孝夫さんのとこに行って、無理を言ってお話を聞いた。八島さんは94歳、大正10年生まれ。
「うちは馬上11騎という伊達の家来。今大河ドラマでやっている道明寺川の戦いに参加、大阪夏の陣にも参加した。私で25代目になる。17歳で東京に出て、東洋大学の拓殖学科に進み、南洋殖産のお金で学友4人とヤップ、パラオなどに出張。その頃の原住民の生活を見た。写真機で横浜の波止場を出るところから、女性たちの農作業や踊り、月経小屋などというものもあった。いもを食べる暮らし、日本の移民の暮らし、パイナップル缶詰工場など見てきた」
「東洋大学時代は第二東洋館という下宿に住んで、「ハイマート(故郷)」と言う喫茶店で5銭のコーヒーを飲んだり、今晩軒で20銭の定食を食べたりした。史学科に転じ助手になるところだったが、学徒動員で陸軍士官学校に入り直し、小倉で終戦を迎えた。長男だったので故郷に帰り、なし、もも、りんごの栽培や蚕を育てるのまで必死になって働いた」
マラソンに出るはずだったが戦争で出られなかった。戦後マスターズの水泳選手として数々の賞をとった。そして八島さんが郷土史家として、丸森町史に関わり、3万点の資料を読んだのだという。

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新しくできた古本屋さんには私の本も並んでいた。素晴らしい実家の建物をお店にして、お茶も飲みながらゆっくり本も読める空間を作りたい、というご主人。奥さんは絵描きさん。自然な暮らしを心がけるお2人の選んだ本が並んでいる。そこから真理さんと一路、仙台へ。

かりっぺのロバの古本屋さん

かりっぺのロバの古本屋さん

高橋廣子先生は結城登美雄さんに紹介してもらったのだが、宮城の郷土料理をきちんと伝えられる料理研究家で、いろんなご縁があって、仙台でお世話になる。「本当はハラコ飯をご馳走したいけどちょっと季節が終わって残念」と今日のメインはかき鍋。しかし、出てくる漬け物梅干し、いくらのしょうゆ漬け、芋茎の煮物、大根の酢漬け、素晴らしく美味しい。
丸森中学の佐藤元校長、東北工業大学の大沼先生と新井先生が来て、スレート瓦の民家の調査のレポートや荒浜や復興住宅でのまちづくりの話も聞かせてもらった。

仙台の料理研究家高橋廣子先生

仙台の料理研究家高橋廣子先生