12月22日

朝は卵焼きとハムとパン。ケチャップマヨネーズもジャムを全部手作り、「人にご馳走したくない位おいしい」と廣子先生が冗談を言う。昨日はゆっくり話せなかったのでお話。廣子先生は元は銀行員だったのだが、早く旦那さまをなくされて料理教室で文学研究家と建築家の二人の素晴らしいお嬢さんを育てた。11時ぐらいに石巻のコメ農家の渡辺征治さんが迎えに来てくれた。仙台も上野公園のように木を切っている。あおば通を「市民の利便性のため」拡幅するためだそうだ。何が杜の都。塩釜の市場に行ってなかおち丼1000円を食べた。あげの入っている味噌汁がすごくおいしかった。
松島を通ったので、明治26年の正岡子規の「はて知らずの旅」のうち、富山の4大観の1つを見逃していることに気づき、車なのでえいやと上がって見た。そこは本当に素晴らしい景色で、指呼の間に松島が見える。ご住職「芭蕉の跡を訪ねる人で明治から昭和の初めくらいまではここにもよく旅人が来ました。その頃は松島の遊覧船乗り場から船で来たのでしょう。今田んぼに見えるあたりもその頃はみんな海でした」とのこと。ついでに松島市役所に戻り、社会教育科の元木さんに明治の頃の話を聞く。その頃の地図もコピーしてくださった。体の弱い子規がなんで自動車も電車もないのに、こんな遠いところまで来たのか、わかった。船で来て表口から階段を上がったのであろう。
北上町、道の駅、双子の湯は、私はとても好きである。木を多く使った設計がいい。お風呂の泉質がいい。しかもコンクリートとガラスの公共の湯にない、露天風呂みたいな、やや薄暗い湯船でひなびた感じである。お風呂に入ってしてから熊谷産業の事務所に行って、みんなで「ここち」に行った。ここは全国でも本当に「居心地」の良い酒場で、誰にも教えたくない。
震災にもめげずに復興を目指して活動しているコメ農家の大内さん、茅葺の熊谷さん、カキ養殖の坂下さんはじめ、たくさんの人が集まった。なんと飛露喜が大きなコップになみなみと。手羽肉とハタハタの焼いたのと刺身はエビとタコとシメサバ、ホウボウの鍋。宮城県のカキからはノロウィルスが出て出荷停止だとかで、坂下さんは大打撃。でも息子が後を継ぐことに決めたという嬉しいニュースもあった。
追分温泉に送ってもらうと宿は満杯の賑やかさ。そこでなんと建築家でミュージシャンの渋谷しゅうじさんと明日、石巻のライブに出る熊谷かねじさんがギターを弾いていた。なんと贅沢、3、4人で震災や森をテーマにした歌をさんざん聞いて、お風呂に入って寝た。

途中塩釜の市場で食べたなかおち丼

途中塩釜の市場で食べたなかおち丼

石巻で私の1番好きな居酒屋こころ。熊谷秋雄さんです

石巻で私の1番好きな居酒屋こころ。熊谷秋雄さんです