12月23日

朝もお風呂に入り考えた。この人気の宿は震災直後から罹災者の炊き出しやお風呂の提供を始め、そのうちに仮設住宅に認定された。お布団はあるし、ひと家族一室を使うことができ、お風呂もある。日本一ありがたい仮設だと当時書いた。ご主人の横山宗一さんは「農業や漁業の復興がないうちに観光の復興なんてありえない」と言い切ったが、これは被災地で聞いた名言の一つだった。横山さんは他の仮設の人々にもお風呂を振る舞い、お年寄りや家族のため体に良い食事を作り続けた。
もともと人気はあったが、今も満員だ。それはここにお世話になった人々の感謝もあるだろうと思う。朝はさんまの焼き魚とおふの入った味噌汁、ピカピカのご飯。美味しかった。
10時に熊谷さんが迎えに来てくれて、事務所に行って仕事をしてたら、それから年の瀬のお餅つきが始まって、1時間位でお餅ができた。これをゴマ、あんこ、豆、納豆味、醤油味、くるみ味で食べた。仙台雑煮もある。大根とニンジンとごぼうと高野豆腐、鶏肉を入れてお餅を入れる。ハゼで出汁を取るのもあるらしい。

リアスの森の餅つき

リアスの森の餅つき

まぁよく食べた食べた、つきたての餅

まぁよく食べた食べた、つきたての餅

お腹がいっぱいなったから出発して、茅葺屋根のお得意さんにカレンダー配りながら家を見て回る。川渡温泉の「山ふところの宿みやま」に着いたのが5時半。ここは私の田舎代わり。本当に落ち着く。「森さんの書いてくれた『自遊人』みてくる人もいるし、岩波新書の『震災日録』読んできたご夫婦というのもあった」。鳴子温泉郷は日本で出る10の泉質のうち8種類を体験できる東日本最大の温泉郷。みやまさんが農家の馬小屋を改造して湯治場を始めたのが40年前、新館を立てたのが20年前。こちらの建物は何がいいかというと、温水によるパネルヒーター暖房なので、うるさいヒーターの音、自動販売機の音もなく、とても静かで暖かい。温泉に入ると良い木の匂いがして、緩いので何度でもいつまでも入っていられる。今回は湯治場気分を味わうために本館の6畳間を占有したが、窓辺には3畳ほどのキッチンもあり、コンロ、流し、調理器具、食器も揃っている。3日続きの宴会の後なので、私はここで粗食湯治をすることにした。
送ってきた熊谷さんも20周年の時お祝いしなかったんでと上がり込んでボージョレヌーボーでお話。結局、ここの名物大根餅や飛竜頭など6種類のつまみ出してもらってしまった。おにぎりと少しのおかずは次の日のためにとっといた。