シアターコクーンで長塚圭史の芝居がかかるので見に行く。山田風太郎の『魔群の通過』を原作としたものだが、舞台美術、衣装、そして白石加代子の演技には感心した。白石さんてあんなにほっそりしていたっけ。ただ歴史的にそう著名でもない人物がたくさん登場してしかも口跡がはっきりしないものだから、やや筋も分りにくかった。また二階袖のML-1と言う席だったが照明でほとんど舞台が隠れ、こんな席を7000円で売るとは信じられない。風太郎さんに私の持っている初版の『魔群の通過』にサインしてもらった幸せな日を思い出す。山川菊栄『幕末の水戸藩』をなぜかよみたくなる。