12月10日 箱根湯本へ

箱根の萬翠楼福住へ。ご主人は前に歴史的宿泊施設の委託研究をした時のワーキングチームの仲間。登録文化財制度が普及して、いまでは100近い登録の宿があるが、重文で泊まれるのは福住だけ。そうはいっても由緒ある建物を磨き上げ手入れし、お客に古び感やさびれ感を感じさせないようにメンテするのは大変なことだ。文化財のままで、部屋ごとに風呂や洗面所やウォシュレットつきのトイレも設置しなければならない。
東京オリンピックのとき、外国の客が来るからそういう施設を整えるよう、通達があったらしい。壁のクラックもしみも『歴史だなー』と許容する客でなければ、汚い、壊れている、手入れが悪い、と言われてしまう。工事をすれば何十万何百万かかるのに、2万も払わない客にいわれたくないよ、と私が主人なら思う。ため息。