11月11日 ニュータウン

千葉佐倉へニュータウンを見学。玉家という「すごすぎる」鰻やに行った。この御宅は築何年ですか? ときいたらにっこりして「サア、125年くらいでしょうか」だって。
ニュータウンであった方は環境を整えて手入れをして資産価値を下げない、ということをしきりにいっておられた。ここはそれでも条件のいいニュータウンだ。中にお店もあればバス停もある。近くには城下町佐倉もあって125年の鰻やがある。
バブルのころ、住宅メーカーの社長が「お父さん、子供のために後10分がまんしませんか」という広告を出していたのを知っている。そうして東京のスプロールは止まらず群馬や茨城の奥まで東京通勤者のベッドタウンが作られた。私なんか、そうでなくても短い人生の一日24時間のうちの3時間も4時間も通勤に費やすなんて思いも寄らないが、そういう人生の人もいるのだ。前にテレビで水戸から埼玉東京を通って横浜まで片道三時間通っている人がいた。「何のために家へ帰るんです?」ときいたら「ネクタイを替えるため」と言っていた。
こうした郊外ニュータウンはいま値崩れが激しい。ドイツであったある専門家は「ゴーストタウンになりやがて荒野に戻る」と言っていた。買った人はどのくらい資産を減らすのだろう。これは政治の失態だ。国民の財産を守るのが政治の役目ではないか? レッセフェールに任せていたらこうなった。自己責任ですむ話じゃない。ドイツでは国民の財産を減らさないため、ちゃんと規制して新築は許可しない、古いアパートは省エネ改装をして間取りも変えて貸すなどの政策誘導をしている。あと10分なんて口車に乗ったらどんなことになるか、だれも政治家はいわなかった。