9月4日

午前中、竹富出身者のところを回ってみる。小底朝生さんはおくさんと暮らしている。農業だけを続けてきた小底さんはずっとしゃがんだままインタビューに答えてくれた。
体に贅肉がないのもあるけれど、慣れた姿勢なのだろう。とうてい真似できない。一番奥の家、車のある今では高台の方が景色もいいが、その当時、井戸まで水を汲みに行くにはいかに大変だったことだろう。
波照間出身の美底千代さんは白髪のきれいなおばあだが、この髪もマラリアですべて抜けたことがあるという。マラリアの薬、キニーネをだしてもみんなのまないので、目前服用といって目の前でのませたとか。
小山さんは網を直していた。娘さんの美容院が併設されている。
昼過ぎに車を借り、家中さんといけるところまでいってみた。西表もマリンスポーツは高い。由布島は水牛車に乗ってわたるだけで1300円。

西表そばを食べる。家族連れの幼児がみそ汁をひっくり返し泣く。どこまでも続く原生林、道は一周していない。イリオモテヤマネコに注意、の看板がたくさんある。
星の砂海岸で水につかった。赤土はかなり流失しているようす。浜のすぐ裏の崖を二つの観光施設が占有して景観上よくない。その喫茶店からはきれいな浜が一望だが。
道の奥までいってみた。白浜小学校。公民館「海人の館」はとまれるようになっていた。NPOで経営していて満室。かつて西表炭坑があって三井物産経営でたくさん炭坑夫がいたのでこの先も航路があるらしい。
「由布島は私有地なんだからいくらとったっていいじゃないですか。西表温泉だって1500円とったって元は取れないといっていましたよ」と会った人は島の観光業者みたいなことをいう。東北のいい湯に300円で入って来た身にはいくら日本最南端の温泉でも1500円出して入る気はしない。
夕方7時前に宿に戻り、大宜味村から入植した団長福地景二さんの息子利供としきよさんに話を聞く。入植時中学二年生、わくわくしてきたという。といっても来る船が時化に会い、持って来たものを海に捨てたりと最初から多難だったそうだが。