8月21日 小諸藤村文学賞

きのう、追分の油や旅館が改装して泊まれるというので行って見た。夜はまえのささくらなるおいしいそば屋で信じられなくおいしくてお値打ちなつまみでお酒を飲む。
油屋はこれまた奇しくも『羊の歌』で加藤周一が中学の頃、妹と1ヶ月滞在していた所で、ここで「ぼく、立原です」と自己紹介する詩人に好感を抱いている。油屋はいま経営を手がけている斎藤ゆうこさんの話しによると昭和13年に一回焼けて、そのときは立原は2階にいて危うく焼け死ぬ所だった。その後、前っかわに建て直す。そのへんのことも加藤周一は書いている。軽井沢を『金持ちと外国人と金持ちぶりたい人』のいる所、と書いている。いまもそうだ。以前の軽井沢は林間に軽やかな木の別荘が見えてそれでもよかったが、いまはみんな成金趣味のコンクリートとガラスのざまざましい建物がおおくなってまったくいや。
小諸のほうがずっといい、と言って新幹線開発から取り残されてしまった。そのため昭和の面影の残る店が多く、気持ちがゆったりする。今年は応募作の水準が高く、表彰式もたくさんの方が見えた。受賞者のおとうさんが川上村のレタスを持って来てくださった。レタスをもらって東京へ帰る。