8月16日 秋の新刊ラッシュ!

今日も来客のおおい一日だった。7月に『町づくろいの思想』がみすず書房からでました。いま本がなかなか売れないのは知っているし、2400円という値段が高いのもわかる。だから買って読みましたと言う人がいると手をあわせたくなる。私としてはこれがこの5年間考えて来たことの集大成なので、それも元書いた「新たにす」という朝日・読売・日経の共同サイトはもうなくなってしまったので(いったいあれはなんだったのだろう)、インターネット上でも読めなくなっている。だからこうしてまとめてくれたみすずの守田さんには感謝して、本を買ってせっせと配っているのだが。
次に出るのは筑摩書房から『千駄木の漱石』これも筑摩のウェブに連載してから3・11が起ったりしてまとめるのに時間がかかってしまった。久しぶりの文芸大作!なのだが、版元に迷惑がかからないか、心配。往来堂の笈入さんががんばってくださるそうだが、みなさんのご支援をおねがいします。おもしろいと思います!
そして10月初めには亜紀書房から中島岳志さんとの共著『帝都の事件を歩く――藤村操から2・26まで』が出る予定。中島さんは北海道大学の教員で、『週間金曜日』の編集委員で、いま大阪の橋本市長と論戦中で超忙しいのだけど、3・11以降、二人というか仲間たちで歩きながら考えたことが詰まっている。
そして同じころ、中公文庫で『鷗外の坂』が二度目の文庫化される。ほんとうにありがたいことです。どうにか生誕150年中に出すことができる。そのためにもういちど鷗外の住んだ土地をたどり直しました。20年近くたって、向島も千住も全く変わってしまっていた。