8月15日 二十世紀の意味 

敗戦の日。石堂清倫の『二十世紀の意味』を読む。実におもしろい本であった。東京大学新人会から左翼運動に加わり、転向して満鉄に勤め、戦後共産党に入るも除名、トリアッティやグラムシの翻訳もして90代まで長生きされた。20世紀をまるごと生きてその意味を問うている。社会主義の理想と現実、ソ連邦の実態、戦前の共産党の中にいたスパイたち、つかまったとたん党はなんの助けもしてくれない、そんなもののために命をかけることはなかったのだ、ということを書いている。少数精鋭の運動の時代は過ぎて、陣地の中で知的、文化的ヘゲモニーをとることの重要さ。それにしても野坂参三って何だったんだろう。
ゆたかはあしたからの仕事の段取りもあると言って昼過ぎに帰ってしまった。夕方からは加藤周一「羊の歌」を読む。うーん。むかし読んだ時は感じなかったが、あんまりハイソすぎてついていけない。