気持ちが食い違って、家の中がもやもやし、息子はご飯も食べずに出て行った。本の校正中の私は、こういうとき男の作家は家を出て、仕事場も持って居ていいな、と思う。
私の知人も仕事場をもち、家事や育児、経済や家庭運営は妻に任せている人が何人もいる。私は仕事の他にそれ等を全部やっている。しかし子どもがかえってくればご飯食べたのかな、と思うのは私の方で、向こうは「食べたよ」「何度も聞いてうるせえな」と思っているのはたしか。三木卓「K」を読む。ひとりでいるのが好きな詩人の妻との別居結婚の話。小説家はこうも書くのか、と表現には感心しつつ、でも何となく妻のほうへよりそって読んでしまう私。