震災日録 3月6日 誰も知らない基地の話

渋谷キノハウスで『誰も知らない基地の話』の試写を見る。朝日新聞の宜野湾市長選の記事をみて映画配給の会社から連絡がきた。渋谷円山町に映画美学校も移ったらしい。
イタリアのビチェンツィアは私も行ったことがある。世界遺産の美しい町だ。そこにアメリカが駐留米軍基地を作ろうとしている。それでイタリア系とイタリア人の若者二人がこんな映画を作ろうと思い立ったのか。マイケル・ムーアを思わせる手法で、資料映像を挟みながら二人は世界の基地を調べて歩く。見てよかった。知らないことが多かった。沖縄だけではない。40カ国に700も米軍基地がある。表題でもあるが、それをスタンディング・アーミーという。インド洋の島からは基地ができるから危ないと、島民2000人が追い出され故郷を失った。しかし米軍兵士はそこの珊瑚礁でヨットに釣り、海中水泳などまるでレジャーランドのような生活をしているらしい。沖縄でも世界で一番危険な普天間基地で轟音に耳を塞ぐ子どもたち、自分の土地を勝手に取られたおじいさんなどの映像が印象的だ。なんのためにこんなに基地があるのか?
日本を仮想敵中国や北朝鮮から守るためではない。米国の軍事産業とそれとかかわる人のためだ。アイゼンハワーが大統領辞任挨拶で、これら軍事産業の商業的拡大は危険だといっているのも知らなかった。アメリカのこうした「金儲け資本主義者たち」はホスト国日本のエリートと野合している。「日本の下級官僚や自治体職員なら、ちがった対応をするでしょう」というブラウン大学の女の先生がいうことの正しさは、野田総理と伊波元宜野湾市長や、百歩ゆずっても仲井真知事の差を見てもわかる。だれが住民のことを考えているのか。日米安保条約は事前通告でいつでもやめられる。