震災日録 2月17日 ナショナル・トラスト

私が理事をしている日本ナショナルトラストは東日本大震災で被害を受けた文化財の救援募金を10年がかりで始めた。街頭などでも募金を集め、企業からも醵金を募り、3000万くらいは集めた。今年度は2000万を被災した文化財に補助する。
56件の応募があった。その中から10件程度に上限250万。まず激甚被害の宮城県からほとんど応募がなかったのは現地が生活再建で手一杯だったこともあろう。
そのかわり北関東、結城、桐生、真岡、小山、笠間などの町の文化財がたくさん被災していることがわかった。また釜石の虎舞にみられるように故郷の無形文化財の頭や衣装が流されてしまっていることもわかった。
国や県、市町村の指定物件はできたら公で直してほしい。公務員のみなさんは手厚く保護されているのだから、地元の文化財のために醵金したらいいのではないか?
登録文化財や未指定・未登録でも地域にとってかけがいのない個人所有の文化財をどうにか救いたい。しかしいま、多くの被災民家は壊されている。いまならタダでこわしてもらえるということで。いま建て直せば200万だかの補助金がつくということで。
夜は古書ほうろうの三遊亭きつつき、坂本頼光さんの会。きつつきさんの薮入り、泣けたねえ。うちも大工の息子が帰ってくる夜はあれも食べさせたい、これも飲ませたい、と大はしゃぎ。で帰るころには疲れ果て、意外に冷静な息子に白け、文句言ったり。
頼光さんの落語もよかったよ。ゲロ・グロ・ナンセンスだったけど。火焔太鼓。