震災日録 2月12日 ドキュメンタリーを見る一日 

高円寺・座でドキュメンタリーの公開審査。ずっとライトに照らされもう気絶しそう。
『相馬看花――奪われた土地の記憶』よかったな。わたしも本を届けにいった相馬女子校に避難していた南相馬の家族を追う。一つの家族を追っていると、その人について20キロ圏内の逃げない人々のところにもいけるし、避難所で一緒だった人たちが越した先の仮設住宅にも行ける。そしてかつて国策で煙草や塩をつくり、国策で原発を迎え入れた土地の歴史が浮き彫りになる。若い撮り手が信頼されているのがわかる。
相馬女子校は耐久性に問題ありと、私のいった日に閉鎖になった。でも体育館よりはるかに居住性は高かったはずなのになんで閉鎖にしたんだろう。二次避難、三次避難というあわただしい日々。立派な家がありながら避難所に、温泉ホテルに、別の町のアパートに住まなくてはならない人々。ああ、本当に申しわけない、と思いながら見た。
『カミングアウトストーリー』これも見ながら自分が変わっていける映画だった。
土肥いつきさん、京都の府立高校の先生は男性の体と女性の心を持つ。だから適合手術をした。陰茎を取り、女性器を作る。はじめ弱々しそうに見えたいつきさんが、だんだん強く、粘り強く見えてくる。なんで50近くになってそんな痛い手術を受けなくてはならないのだろう。男の愛を受け入れるためか。そうではなく『女性の体を獲得したい』と言う長い間の欲求を満たすためだ。女はショートカットにして男装することも多いが、男性の女装へは違和感が強い。女装した高校教師が女性の下着を盗んだとき、いつきさんは「やっちまったか」といって泥酔する。そうならない道を探れたはずなのに。ヘテロな私にははじめ違和感があることが映画を見終わるころにはなんだか、共感してしまった。あとの二本もよかったけど。
夜中、宜野湾市長選の結果出る。やっぱり。革新の伊波候補、自公推薦の佐喜真に900票差で破れる。