震災日録 1月26日 星野村で星を見る

ゆっくり星野村に向う。福田さんという九大の若い音楽の先生と。民俗芸能が専門だが、お母さんの実家が小千谷の星野家だとか。菊池氏も悲劇の離散をしたが、星野氏も南朝方について、戦闘に破れ、星野村には残れなかった。野球の星野仙一氏もこの末裔とか。調(しらべ)と名を替えた人もいる。原発以外にも心ならずも故郷を捨てなくてはならないひとは昔からいたのだなあ。全国の星野氏はいまも懐良親王の法事には全国から集まるという。うちの母方橘樹も嘘かホントか楠木正成の子孫というから、にわかに後醍醐天皇や小島高徳の故事に想いを馳せる。木工の西岡泰心、陶芸の山本源太の両氏を訪ね、山里での精進に打たれる。星野村は玉露の故郷でしずく茶なるおいしい飲み方を教わる。きららというよくできた村営ホテルに泊まる。空は満天の星。日本でもっとも美しい村連合にはいっている星野村。つまり開発にまかせず、美しい風景や昔ながらの暮らし、産業を大事にしているのだけど、飯館村もそのひとつだったのを思い出す。